代表取締役 牛丸郁子


代表取締役 牛丸郁子

設立 昭和52年8月
事業内容
  • CM・テレビ・映画などのキャスティング
  • イベント・セミナー・講演会などの企画、制作、運営プロデュース
  • スペシャリスト(新しい価値観をもった人材)の活動サポート
会社HP http://www.uandi.co.jp/profile.html

「社長になる」ことが将来の夢

小学校2年生の時に父親が亡くなり、公務員だった母親に育てられました。
あの頃は今と違って病弱で神経質、運動も苦手でした。

中学校の頃から自我が目覚めはじめ、
「母を楽にさせてあげるにはどうしたら良いか?」という事を考えるようになりました。
そして導きだした結論が「社長になる」こと。
高校に入った時は早く就職してお金を稼ぎたいという気持ちが強かったですね。
しかし、当時は片親だと就職できない会社もあるくらい、周りの環境によって将来が左右されてしまった時代です。
その事もあって「社長になる」という大きな夢を持ち続けていたのだと思います。

その後友人の勧めをきっかけに、損害保険会社を就職先として意識するようになりました。
その会社は先程述べたように環境が重視され、倍率も高い中、無事就職試験にも合格。
内勤として社会人生活をスタートしました。

共同経営での事務所で得た達成感

会社では営業職を希望していたのですが、1年たっても内勤のまま。
母を楽させたいという気持ちが励みになって、
150人以上いる同期の中で、高評価である「A」ランクに選ばれるなど評価は良かったんです。
ハングリー精神が強かったんでしょうね。

でも内勤では、自分が会社の役に立てているという部分がなかなか見えてこない。
ジレンマもあり、自分で何かをやりたいと思いはじめました。
すると在職中モデルの仕事を紹介してくれた女性から
共同出資でモデル事務所を経営しないかと声がかかったんです。
思い切って3年半勤めた会社を退職し、夢に向かって踏み出しました。

当時の私は21か22歳。
モデルとしての仕事もしていましたが、役員である事を隠しながらマネジメントに専念する部分が大半でした。
電話帳を渡されモデルのオーディション先を見つけたり、スカウトをしたり等、
とにかく色々な場所へ赴き、たくさんの方とお会いしました。
すると何も分からないながらも仕事がとれたんです。
それが面白くて、次第に全面的に経営側にまわりたいと思うようになりました。

自分の会社を興し独立

共同経営を始めて1年、実績も残しましたが経営方針の違い等もあり離職。
自分がスカウトした子も資本金も全ておいて、独立しようと決意しました。
この経験で学んだ事も勿論多かったし、
全く知らない業界の中でたった一冊の電話帳でやってきた事は大きな自信になりました。

仕事を一生懸命やっている人たちは、必ず誰かに見られているんです。
情熱を持って取り組んでいれば、それに気付いてくれる人がいる。
一生懸命やっています、という事は自分から言う必要は無いんですよ。

私が事務所を辞める時、別の会社から2年間モデルとして働かないかというお話を頂きました。
2年後に独立しよう、はっきりした目標ができたのはそのときですね。
当時はCMに年間十数本出ていたのですが、ギャラはほとんど飲み代に消えました。
勿論飲み代というのも人脈を増やすためだったこともあるんですけど。

すると、ある時母から「会社興すんじゃないの?」と言われました。
そういう生活をしていると資本金がたまらないと母に諭され、
毎月の飲み代の一部を資本金として貯金する事にしました。
そのかいあって自分の会社を興す事ができました。

目標は3年越しに見据える

起業してからはとにかく働きました。
はじめは着物のファッションショーのプロデュース。
着物が似合うモデルやショーの構成等を相談された事がきっかけだったのですが、
作り手側として人に喜んでもらえる事が嬉しかったし、面白かったです。

その後、CM制作会社のプロデューサーからキャスティングの仕事を頂きました。
当時の社員は2、3名。自由に仕事をさせ、最終責任は自分がとるという形を貫いてきました。
私自身が男っぽい性格なため、全てにおいて潔さを信条にしています。

経営方針は3年を目安に考えています。
3年というのはちょうど良い期間で、1年では早すぎるし5年では長過ぎる。
3年は目標に向かうのに十分な時間もあり計画を練る事も出来る。
この方針できた結果、会社はあと数年で創立40年。
「継続は力なり」
信頼も得る事が出来ました。

常に先を見つめる風通しの良い会社にしたい

会社全体の規模は今後拡大させていきたいですね。
今はキャスティングや制作を中心にやっていますが、
会社として成長するならそれ以外の事にも挑戦していきたいと思っています。

また、次の代への会社の引き継ぎも考えています。
自分で設立した一代の会社ですが、子供にそのまま継がせたいとは思っていません。
スタッフの中で手を挙げてくれるならそれも頼もしいですし、
会社を継続させる意思のある方がいるのであればその方にお願いしたいです。
分からないなりに作り上げてきた会社ですので、正解があるわけではありません。
ですから、できるだけ社員の意見は聞くように心がけています。

そして、日頃から様々なジャンルの若い人と会うようにしています。
多種多様な情報と感性を貰って元気になれるんですよ。
この事は私の好きな飲み会や麻雀を通しても感じます。

一度成功して、そこで満足して終わり。ではなく、すぐ次を見ていかなければ伸びません。
様々な経験から得たものを蓄積して、より風通しの良い会社にしていきたいと思っています。

寄り道してもいいから、大きな夢を実現する

たとえ失敗しようが遠回りしようが、常に夢や目標に向かって突き進んでほしいですね。

今の若い人たちにはハングリー精神が足りないように思います。
もっと貪欲に、常に何かをしたいという気持ちを持つ事で、人は変わってくると思います。
夢はとにかく大きく持つ事が大事です。
大きな夢や目標に到達するまでは寄り道をしても良いんです。
当然夢に届くまでには時間もかかりますが、夢が大きければ大きいほど努力をかかさないはずです。

私も起業2年目の時、ありえない様な失敗をしました。
ですが経験しなければ何も身に付かないし、成長もしません。
打たれ強く、失敗した経験を「良い今後」に変える方法を考えてほしいと願います。