代表取締役 鎌田寛昭
設立 | 2009年5月 |
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事業内容 |
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会社HP | http://tekunodo.jp/ |
研究よりメディアのほうが面白そう
テクノードの親会社にあたる寺島情報企画にはもともと編集者として入社しました。
私が学生の頃は「IT革命」という言葉が流行っており、
コンピュータに触ったこともないような人までがIT系を目指すような時代だったのですが、
IT業界で働く知人等の生活ぶりを見て、そこから遠い仕事をしたいと考えていました。
漠然と研究者にでもなろうと考えていたのですが、
たまたま読んでいた雑誌が編集者の募集をかけているのを見て、
研究よりメディアのほうが面白そうだということで履歴書を送ったのが編集者になったきっかけです。
入社後は、雑誌編集のかたわら、携帯電話キャリアの公式サイトも作っていたのですが、
次第に公式サイトの規模が大きくなっていき、その流れでスマートフォン用アプリの開発もすることになりました。
そのスマートフォン部門を子会社化してできたのがテクノードです。
テクノードでは「Touch the Numbers」など数々のアプリを世に送り出すことができました。
IT系を避けたはずなのに、気がつけばどっぷりとIT系です。
興味があればまず飛び込む
学生時代は、自分の興味のあることにとことん時間を費やしました。
高校のときは部活を8・9個掛け持ちし、パソコン研究部の部長もやっていました。
そちらの活動に全精力を注いで授業中は寝る生活。
大学では2年次までに必修単位をほぼ取り終えました。
その後は講義もないので図書館にこもり、自分が興味のあることをひたすら調べるという生活をしていました。
時間はたっぷりあったので、面白そうなことはとりあえずやってみるようにもしていました。
劇音楽、舞台の裏方、オペラ、伝統武術、塾講師、
ニューラル・ネットワークを使ったデータ解析、絵、小説、いろいろなことに手を出しました。
当時はやりたい仕事のイメージがはっきりしている訳ではありませんでした。
本当に困ったらコンピュータの知識で何とかできるのではと、漠然と思っていたんです。
「物事は変わる」前提で動け!
紙媒体からスマートフォンでのサービスに興味が移った理由は、単純に「面白そう」だったから。
サービスの創り手にとって、新しいものが好きかどうかは重要な要素です。
面白そう、勉強になりそうと思い続けることができれば、環境の変化に取り残されることはありません。
新しいサービスがもてはやされるのはせいぜい5年です。
たとえば携帯電話の着メロ、着うたが以前のように盛り上がることはないでしょう。
しかし、音楽を聴くという文化自体は動画サイトなどに形を変えただけでそのまま残っています。
紙媒体も同じで、紙でなくてもよいものがどんどん他のものに置き換えられているだけで、
プロがまとめた情報の価値はそのままです。
大枠が同じであっても伝え方が変わってくるのです。
その変化の繰り返しを「壁」であると捉えないことが大切です。
使い古しの手法にしがみつかず、変わらない価値をどうやって伝えるか考え続ければ、
いつか新しいサービスを生み出すことができるはずです。
学生と一緒に会社をつくる
現在、弊社ではアルバイトの学生を受け入れています。
大学で最先端の研究を行っている方々が多いので心強いですね。
学生は出勤が安定しないのが難点ですが、
「企業の中で勉強したい」という意欲がある学生の存在は、こちらとしても刺激になります。
雇用のミスマッチを避けたいので、受け入れ対象は最低限の知識がある方に限定しています。
プログラマーという職業は適性に大きく左右されるものなので、
ある程度自分で勉強して、それでも問題がないという方に来てほしいですね。
特に小規模な企業の場合、配置換えで適性のある部署にまわすということはできないので、
プロフェッショナルとして仕事を続けられる人である必要があります。
向いていない仕事をやり続けるのは、その人自身にとっても苦しいことだと思います。
大事なのは、やりたいことができる環境
社会に出てから、実際の仕事と自分のイメージとのギャップに悩む人は多いです。
その仕事がどのようなものなのか、というリサーチが十分でないんですね。
たとえば「原稿を書きたい」という動機で雑誌編集者を志望する人が多くいますが、
実際は原稿を書くのはライターで、編集者はそれを統括するのが仕事です。
私の場合は就職時の面接でもそこを聞かれ、イメージとのズレがなかったので問題なかったのですが、
具体的な仕事の内容を知らずに志望を決めてしまうのは避けた方がよいと思います。
会社名だけで決めるのも危険です。
たとえばゲーム会社と思って入社したはずなのに
ゲームセンターやスポーツクラブ勤務になるというのもよく聞く話です。
なりたいもの、やりたいことが決まっているのであれば、その仕事ができる会社を見つけるべきです。
何も決まっていなければ、とりあえず飛び込んでみるのもいいです。
やってみないとわからないこともあります。
仕事なので楽しくないこともありますが、楽しめないときにどう環境を変えられるか考えるのも重要です。
小企業だと自分の意見が経営陣まで届きやすいというメリットがあります。
学生へのメッセージ
5年後、10年後に、自分がどういう姿になっているかを想像してみてください。
5年後の自分はどこで何をやって収益をあげているのか、生涯現役なのか、管理職を目指すのか、それとも独立したいのか。
何を目標にするのかによってイメージは変わってきます。
そのイメージを誰かに客観的に判断してもらうと、自分の考えがまとまっているか、現実的か、
またはその業界の通念と合っているのかを知ることができるはずです。
また、やりたいことがあるなら、リサーチはきちんと行うこと。
志望する業界に未来があるのかどうか、業界紙や企業の業績などをチェックすると勉強になります。
たくさん履歴書を出すより、まずは自分の理想の未来についてじっくりと考えてみましょう。