代表理事 中村 悦久
設立 | 平成23年11月11日 |
---|---|
事業内容 |
|
会社HP | http://www.kokusaijinzai.org/ |
学生時代に生まれた海外との接点
まず、日本に分校を持っているアメリカの大学に入学しました。
英語が好きでしたし、それよりもアメリカという国に興味がありました。
洋楽、映画、そして経済など多方面においてまずアメリカの情報が入ってくる。
そのような大国ぶりに魅かれたんです。
日本の大学向けに受験勉強をしていなかったというのも一つありますが(笑)。
今までの生活では外国との接点などなかったのに、
入学してからというもの周りは帰国子女や海外生活経験者ばかり。
しかも大学4年間を日本で過ごすという考えもなく、1年~2年で皆どこかしらに旅立っていく。
突然そのような環境になり、自分もいつか海外へ行くのかなと漠然と思っていました。
日本を出てはじめて分かること
そのうち友人たちの多くがカリフォルニアへ留学することになり、私自身もカリフォルニアに目が向くように。
たまたまサーフィンをやっていたので、これはいいと一念発起し、大学をやめて
LAにあるサンタモニカカレッジに入学しました。
当地で得たものは週5回のサーフィン、そして自分一人の時間です。
日本だと何かと忙しく、一日があっという間に過ぎていきます。
一方、アメリカでは一人になれる時間が比較的多く、人生についていろいろと考えることができました。
日本にいるとそのような時間は持てなかったと思います。
日本人が多いLAでは、フリーペーパーなどで手軽に日本の情報を知ることができます。
日本に住んでいた時は、日本の情報よりも海外の情報収集を行ってきたので、
日本に関する知識は極端に乏しかったのですが、フリーペーパーを通して、日本についての知識を蓄やしはじめました。
やっと大学生になったといった感じです。
ずっと住んでいると見えないことは数多くあります。
日本を離れてはじめて日本の良いところ、そして悪いところが分かる。
私の場合、学校の勉強からではなく環境がそのような機会を与えてくれました。
アメリカでの就職スタート
大学卒業後は日本への帰国を考えていましたが、ちょうど日本経済が悪化したこともあり
日本での就職が難しい状況でした。
ですが大学の進路カウンセラーからアメリカの大学院受験を薦められたと同時に、
何とアメリカの永住権(グリーンカード)の抽選に当たってしまって。
永住権保持者だと授業料が減額されるとい理由だけで、大学院に進学を決めました。
大学院卒業まで半年というとき、たまたま登録した就職斡旋会社から紹介されたのが銀行員のポスト。
日本の都市銀行のロサンゼルス支店です。
とりあえず面接を受けたら合格して、急遽入社することに。
卒業までの半年間、日中は銀行員として仕事をこなし、夜は夜間のクラスを受講するという生活でした。
銀行員からスタートして、その後も金融系の仕事に就いていました。
何となく流れに身をまかせていたらこうなったという感じですね。
タイミングをチャンスと捉えること
あるとき、日本企業が全米展開のサポート役を探しているということで
私にオファーが来て、その企業に入社することになりました。
金融関連ですが、銀行とはまったく別の職務です。
ですがほどなくして経営方針が変わり、私の仕事が取消に。
クビにはならないにしろ次に与えられた仕事はやりたい仕事ではなかったし、銀行にもそれほど執着はない。
特にアイデアもなかったのですが、それならばやるかと起業を決意しました。
2008年、当時30代後半でした。今考えると無謀すぎますね。
企業後、自分の会社でインターンシッププログラムをはじめ、人材育成に直接関わるようになりました。
もともとインターンシップとは、アメリカの大学生が卒業前に企業で働く経験を積むことです。
加えて1960年代、文化交流事業として海外からも人を受け入れようという姿勢がアメリカの法律で示されました。
それもあって、私は日本の方々をアメリカに呼び、
帰国後のキャリアを築いてもらいたいという考えのもとでこの仕事をはじめたのです。
しかしお金の計算はできるが、人の育成は手探り状態。
何もないところからのスタートでした。
“国際人材”を育てるための組織づくり
その後、2011年にこの社団法人を立ち上げました。
アメリカでの会社はビザ手続きや企業とのマッチングなど、エージェントとしての役割が大きく、企業として何か独自の教育を施しているわけではありません。
法人ではそこをもう一歩押し進めて、教育としての人材育成に近付けます。
目指すのは日本にいて世界に通用する、“グローバル人材”の育成。
プログラムでの渡米前に日本で育成をはじめ、帰国後も次のステップにつながるような一貫した教育を行いたいと思っています。
海外に送ってハイ終わり、ではない密着した教育を提供するのです。
質の高い講義などを織り交ぜて、国際ビジネスマンとしての能力が高められるようなプログラムを確立するのが当面の目標です。
優秀な人材が海外に出ていってしまうのは、日本の企業に留まっていると出る杭を打たれてしまうからです。
突出した能力に対して評価がされない土壌を、今後変えていかなければいけません。
今や国内のグローバル人材は外資系企業に集中し、世界レベルで活躍できる人材が日本企業に留まってくれません。
現状維持を続けていると、発展する他国にどんどん抜かれてしまう。
国際経験豊富で骨太な人間が入社することのメリットは強大です。
このことを、個人や企業に向けて訴えていくつもりです。
強い国際人材が留まる社会を
なぜ海外に出た人材は強いのか?
「交渉経験を積んでいること」 これが大きな理由です。
生活をしていると大なり小なり必ずトラブルが起こります。
海外では、一人で、その国の言葉を使って対処するしかありません。
それを何度も何度も経験することで、外国人との交渉に強くなるのです。
次第に、外国人だから目をそらすのではなく、自分から自然とその国の言葉で挨拶ができるような人間に生まれ変わります。
国際人の第一歩となる姿勢です。
「国際人=海外を飛び回る仕事ができる人」という方程式はありません。
日本人の仕事の能力は世界的に見ても非常に高いです。
仕事の能力に加えて、上記のような骨太な国際的な感覚を持っていることがポイントになってきます。
その力を日本国内で発揮していただきたいと思います。
若い人たちは海外経験を積むことで、将来の可能性をもっともっと引き上げることができるのです。