代表取締役 武田 和也

代表取締役 武田 和也

設立 2010年11月
事業内容
  • グルメサービスRettyの運営
会社HP http://corp.retty.me

インドで味わった想いが、自分を動かした

愛媛県に生まれ育ち、高校卒業後は意気揚々と東京の大学へ進学。
最初の2年間は大勢の人と接し、さまざまな経験を積もうと考えていました。
旅行やサークル活動など、いわゆる“大学生らしい”毎日でしたね。

そして3年次。
将来の仕事を見据えたゴールを設定しようと思い、
周りが当たり前に就活をし始める中、
僕はまず「人はなぜ仕事をするのか?」「自分は何をやりたいか?」
なんていうことをずっと考えていました。

一方で、成功した起業家の本を読んで刺激を受けたり、
大学でベンチャー企業の経営者の講義を聞く機会もあり、
「自分もこういう人生を送りたい!」と、感じるようになりました。

でも、もっと大きく自分が影響を受けた出来事があって。
それは、インドに行ったときのこと。
現地の光景を目の当たりにし、日本との生活レベルの差に愕然として…。
「自分が生きている豊かな日本は、過去の起業家たちがつくり上げたものなのだ」と、
何とも言えない想いがこみ上げてきました。

それを機に、
私たちの世代で、日本をもっと盛り上げていかなければならない。
豊かな日本にしてくれた過去の人々に恩返しをしたい。
そんな気持ちがどんどん膨らんでいったんです。

ナンバーワンを目指して働く日々

そして起業を決意し、企業の力も借りてECサイトの運営をスタート。
ここには商売の基本が詰まっていると考えましたが、
実際、自分で事業をすることにワクワクしましたね。
約10ヵ月で月商500万ほどにまで成長させたのですが、
とある企業との出会いがあり、大学卒業後は一度就職しました。

僕が入ったのは少し変わった会社で、
多くの起業家が集まるという、何とも魅力的な環境だったんです。
ただし、将来は起業するつもりでしたから「3年で辞めます」と宣言していました。

当時、大きな成長性が見込めたモバイル広告の仕事。
僕は営業をしていましたが、とにかく「結果がすべて」だと考えていました。
「3年間」という期間限定でも、
置かれている環境でナンバーワンになることを自分に課していました。

ちなみに、その考えはいまでも変わっていません。
ビジネスの世界では、結果を出すことで周りから信頼されます。
そして信頼される人間であれば、
もし違う分野に行っても、また勉強して結果を出すことができる。
誰もが納得できる結果を出し続けることは容易ではありませんが、常にそれを目指しています。

起業の準備期間はアメリカで

3年後、宣言通り退職しましたが、すぐに起業したわけではありません。

まずはどの分野で勝負するかを考えました。
ナンバーワンになることが目標なので、100人しか使わないサービスを作っても仕方がない。
とはいえ、Webサービスを作ったこともなければ、将来性のあるものもよくわからない。
そんな状態で起業しても上手くいかないなと思い、
自由に考える時間を作るべく、アメリカのサンフランシスコに渡りました。
「最長1年間」という制限付きで。

現地でやっていたのは、アイディアを出すことです。
「一週間にふたつ」のノルマを設定し、
とにかく質の高いオリジナルのアイディアを出すために、さまざまな市場について深く調べました。
“ソーシャルメディア”が盛り上がることはわかっており、
「ネットとリアル店舗を結びつけること」がこれからのカギになると考え、
その最初に狙うべき分野として“飲食”に行き着きました。

すぐに帰国して起業したものの、自分自身、Webサービスの開発に関しては素人。
前職の後輩と二人、本を見ながら少しずつ進めていくうちに、
次第にメンバーが集まって無事にRettyのリリースに至りました。

“世界でナンバーワン”の存在へ!

それでも「リリース=成功」ではないので、ひっそりコツコツと進めていましたね。
サービスは「ユーザーがどう使うか?」「ユーザーがどのように思うか?」が一番であって、
とにかくユーザーに支持されていかなければ意味がないな、と。

運営者側とユーザー側の距離感も大切にしています。
やはりユーザーの生の声を聞くことは大事ですし、
実際にユーザーから教えてもらうことも多々あります。
仲良くなって、飲み会に誘ってもらうこともあるんですよ(笑)。

現在、Rettyの会員登録者数は10万人超。
Retty経由でグルメ好きな人同士のつながりができることも喜びですが、
サービスの今後としては、まずお店がしっかり探せるということを大前提としたうえで、
さらなるユーザー数増加につなげていきたいと思っています。

会社としてのビジョンは、
今後力になってくれるメンバーを増やしながら、規模を拡大していきます。
日本の飲食メディアは世界で最も発展していると思っているので、
この分野において、当社は“世界でナンバーワン”の存在になるつもりでいます。

「働くこと」に対する想い

こうして僕は、自分の目標に向かうために起業したわけですが、
決して「起業が何よりも素晴らしい」と考えているわけではありません。

ただ、自分で「働くこと」に対する意味やそのゴールを設定するとき、
単純に「偉くなる」だとか「お金持ちになる」ということを答えにするのではなく、、
誰かのためになることをして形を残せれば、
結果的にはそれが究極の自己満足なんじゃないかなって思います。
人間の人生、わずか100年程度しかないですしね。

社会人になると、仕事をする時間は人生の多くを占めることになります。
だから僕は、「仕事」だとか「プライベート」だとか、特別に分けて考えていません。
仕事で世界中の人々を幸せにすることが、僕自身の一生の夢でもあります。

また、何かを始めようとするときに、
「自分にできること」という観点で考えてスタートする人は多いと思います。
でも、「自分がやりたいこと」からスタートしても何とかなるものなんですよ。
Webサービスを運営している僕自身、もともとWebサイトを作ったことなんてありませんでしたが、
本気で向き合っていればリソースは自然と集まるものだと実感しました。

「何をやりたいのか?」を徹底的に考えて!

いま、インターン中の学生と接していて感じるのは、
とにかく「何をしていいのかわからない」と話す子が多いこと。

学生のうちに「よし、将来はこれをするぞ!」と確信するのは簡単でないのはわかるのですが、
現時点で何か確信を持てるものがあるかどうか。
それによって、日常の過ごし方も変わってくると思います。

ですから、時間がある段階で徹底的に自分と向き合って、
「何のために働くのか?」「何をやりたいのか?」ということを考えてみてください。
悩みぬいて、たったひとつの答えを突き詰めることができれば、強くなります。
ちなみに、途中でやりたいことが変わるのは、決して悪いことではありません。

もし、それでも答えが出ない場合は、まず目の前のことに本気で取り組んでみましょう。

学生時代、僕は本を一週間に一冊のペースで読みました。
そこから得るものもありましたし、さまざまな業界で活躍している人と話してみるのも良いと思います。
自分で何かきっかけを作ることで、ヒントが見つかるはずです!