代表取締役 花田 隆典

株式会社プロシーズ  代表取締役  花田 隆典

代表取締役 花田 隆典

株式会社プロシーズ
設立 2003年6月
事業内容
  • eラーニング事業(コンテンツ制作・販売・ASP配信)
  • システムインテグレーション事業
  • カスタマーサポート事業
  • 次世代人材事業
会社HP http://www.pro-seeds.co.jp/

子供の頃から経営者になることを目標に過ごす

私は子供の頃から、将来は自分で商売をしたいと考えていました。
なぜ経営者かというと、「経営者=お金持ち」のイメージを持っていたからです。
とてもシンプルな理由でしたが、子供の頃からずっとその思いを抱き続け、
大学受験の際にも、経営者になることを考えて学部を選びました。
とはいえ、当時の私は世の中のことなど、よく分かってはいなかったので、
「経営者になるなら経済学部だろう」と、単純に考えて学部を選びました。
それで、よりよい経済学部に入ろうと勉強をし、京都大学に進学しました。

しかし大学の授業を受けている内に、どうも違うと感じるようになってきたのです。
経済学部で学ぶ内容は、あくまでも「学問」の範囲でしかない、と。
それに気付いてから、大学にはほとんど行かなくなり、2年生になった頃からは、
完全歩合制の飛び込み営業に、ほとんどの時間を使うようになっていきました。
結果的には、当時英会話教材を扱っていたことが、今の事業につながったのですが、
きっかけはたまたま縁があった会社が教材を扱っていたというだけでした。

飛び込み営業時代を経て、起業

大学2年生から飛び込み営業を始めて、結局は29歳までの10年間その会社で働きました。
就職活動もせず、卒業後もそのまま営業の仕事を続けました。
その当時の私は、「就職をしたら負けだ」と思っていたのです。
当時、就職とは自分の力でメシが食えない人がすることであり、最終的に自分で何かを立ち上げることができた者が勝ちというのが、当たり前の考え方でした。
ただ、幼いころから起業を夢見ていたものの、具体的に何で起業するかまでは考えてはいませんでした。

そんな営業時代を経て、プロシーズを起業したのが30歳の時。
当時はパソコン教室の商材を扱っていたのですが、ちょうどインターネットビジネスが
盛り上がってきた時期で、パソコン教室での教育をインターネットで配信しようと思い立ちました。
まだ「eラーニング」という言葉は日本にはなかったように思います。独自で「オンラインレッスン」と呼び始め、「Webのパソコン教室」という位置付けで事業を始めました。

起業を機に、自分が目指すべきことに目覚める

私は子供の頃から起業するまでずっと、「お金持ちになりたい」「豊かになりたい」と、
それだけを思いながら過ごしてきました。
しかし起業して法人化もして、代表取締役という立場になる時に、
「自分は本当に金持ちになりたいのか」と、自分に向き合って考えたのです。

月収1千万円、高級車、高級マンション、家政婦のいる生活・・・等々、
それらが目標であるなら、他は何もなくても自分は満足なのか、と。
社員からは鬱陶しがられる、友達ゼロ、家族もいない・・・お金持ちになりたいだけなら、
それでも構わないはずです。しかし、それらをイメージしてみたところ、自分でも意外なことに、答えは「NO」でした。
それで自分は、本当はお金持ちを目指していたのではなかったのだと、
初めて気付いたのです。

では私は何になりたかったのか、何を目指していくべきなのかと考えた時に、
誰かに求められる、必要とされる存在になりたいのだということに気付きました。
社員がプロシーズに入社して良かったと言ってくれること。
お客様に、プロシーズに仕事を頼んで良かったと思っていただけること。
家族にも友達にも「花田と一緒に居られて良かった」と言ってもらえること。
これらを実現するために働いて、人生を過ごしていこうと決めました。

地道に歩み続けながら、次の経営者を生み出していきたい

現在プロシーズは、インターン生も含めて60人ほどで事業を行っています。
現在まで売り上げも社員数も、少しずつ少しずつ伸ばしてきました。
ある時期に急成長したということもなく、常に地道に進んできましたし、
これからもそうありたいと考えています。

そんな私の目標は、プロシーズから次の経営者を生み出していくこと。
別会社を設立するでもよし、子会社を任せるでもよし、どのような形だとしても、
人に良い影響を与える人材を生み出したいのです。
プロシーズから経営者が生まれ、様々な事業も生まれていく、
そのようなフィールドを創っていきたいと考えています。

仕事は「やりたいことではなく得意なこと」を選ぶべき

私はいつも、「自分がやりたいことではなく、自分が得意なことで、
人から求められることをやれ」と言っています。
例えば、「私は起業をしたい」と言う学生がいますが、果たして本当に
起業がその学生に向いているかは分かりません。

私は幸運にも、偶然、自分にはたまたま社長が「向いていること」でしたが、
向いていないのに起業してしまった人間を何人も見てきています。

それは本人にとって非常にしんどい、部下も大変、お客様にも迷惑がかかる・・・と、
たくさんの問題が生じています。

やりたいことが必ずしも自分に向いているとは言えません。
だから仕事は、やりたいことばかりを考えるのではなく、自分が得意なことで、
他人や社会に求められることをやるべきなのです。

私自身起業した時に、「お金持ちになるのではなく、必要とされる人間になろう」と決めましたが、
それを実現するには、自分に向いていて得意なことをやるのが一番だと、
自分の経験から感じています。

学生へのメッセージ

私もそうでしたが、若い人たちは自分が何に向いているのか、
何をやったら役に立つのかということは、分からないものです。
それを見つけるために大切なのは、目の前の様々な要求に対して、
素直に「ハイ」と言ってやっていくことです。
そういう人には周りから様々な仕事が回ってくるようになります。
最初は得意なことも苦手なこともゴチャ混ぜでやらなければいけません。
得意であれば上手くできますし、苦手なことは上手くいかず苦労します。
そうして過ごす内に、何が得意で何が苦手かが分かってきて、
やがて自然に、得意なことに仕事が集約されてくるはずです。

得意な仕事とは、時に本人の希望とは異なる場合があります。
しかし目の前のことを一生懸命やっているうちにスキルが上がり、人から必要とされ、役に立ち、
いずれは天職とも言える仕事になり得るかもしれないのです。

初めから自分の中で「起業したい」「やりたいのはこの仕事」などと
決めてしまうのは、自分の可能性を閉ざすことにもなりかねません。
だから「やりたいこと」に固執せず、自分に何が向いているのかを考えながら、
まずは目の前のことを素直にがんばってください。