代表取締役社長 渡辺 順子

株式会社VM(ビタミンママ) 代表取締役社長 渡辺 順子

代表取締役社長 渡辺 順子

株式会社VM(ビタミンママ)
設立 1999年3月
事業内容
  • 出版(季刊誌、フリーペーパー、書籍)、WEB、マーケティングリサーチ、イベント、講演など
会社HP http://www.vitaminmama.com/

アルバイトで社会経験を積んだ学生時代

大学生の頃は、勉強はもちろん(?)、いろいろな業態のアルバイトをしました。
飲食店、新聞社、塾講師、家庭教師、チラシ配り、
スーパーマーケットでのアイスクリームの店頭販売員などもやりました。

アルバイトをたくさん経験したお陰で、社会に出てからの自分の立ち位置や、
気配りの仕方などが分かりました。
だから、学生の皆さんも、勉強はもちろん大切ですが、
アルバイトをしっかりして、社会経験を積むといいと思います。

最初のプチ起業は学生時代

学生時代、小さな塾をつくりました。
以前、塾講師としてアルバイトをしていた際、お母さんたちに「子どもの成績が
全然上がらないので、何とかできないか」と相談されたことが、きっかけでした。

たまたま自宅の隣人が、庭に小屋を建てて、公文をやっていたので、特に
面識もなかったのですが、インターンフォンを鳴らしました。
「毎週日曜日だけ塾としてお借りしたい」と言うと、快く貸して下さいました。
その日から、高校受験の中学生4~5人を朝の8時から夕方6時という長時間缶詰にして、
「勉強は質より量よ!」と伝えながら、1年間勉強を教えました。結果全員が
第一志望に合格し、本人にも保護者の方にもとても感謝していただきました。
これが私の最初のプチ起業。「仕事は全力で取り組み結果を出し、人にも
感謝されなくては!」と実感したのもこの時です。

みなさんも何かに挑戦する時、「できる訳ない」と思わずに、「やってみようかな?」
と思ったら、やってみてください。すると案外何でもできてしまうものです。

ビタミンママも、起業する前は周りの人からは「できるはずない」とか、
「すぐに潰れる」などと言われましたが、「絶対にできる。そして企業として継続する」
という思いで14年目に突入しました。

出版社への就職

大学4年当時は、自分が起業するとは夢にも思っていませんでした。
就職先として、教師か出版社を志望していたのですが、就活の末、某大手出版社に
入社しました。

バリバリのキャリアウーマンになりたかった私。とっても張り切って入社したのですが、
その会社は男性がメインで女性はどちらかというとアシスタント的な仕事。
「こんなはずじゃない!」と、1年で編集プロダクジョンへ転職しました。

編集プロダクションでの仕事は、以前の出版社の約10倍!毎日終電で、
プライベートな時間なんて全くないほど忙しくなりました。それなのにお給与は下がり…。
でも、それを不満とは思いませんでした。なぜなら責任のある仕事をどんどん任され、
とても充実した日々だったからです。
6年~7年勤めましたが、その間に結婚し、出産を機に退職しました。

第二の起業は自宅からスタート!

退職後は、育児をしながらフリーの編集者をやっていましたが、クライアントの
ニーズに合わせて取材をするうちに、「自分ならこういう企画にするのに」
と思うことが多々ありました。

もっと自分らしい仕事がしたい!でも子育ては今しかできない。
そんなジレンマに悩んだ結果、「自分で会社をつくって、子育てしながらできる環境で、
やりたい仕事をしよう!」と思い立ち、起業しました。

起業当時の事務所は自宅。スタッフは子どもの幼稚園のママ友やそのつながりなど、
10人くらいからのスタートでした。
その後の人材は、自社のWebなどで公募し、現在は60名になります。

弊社の業務の柱は書店売りの情報誌です。
日本各地に、ボランティアサークルがつくる子育て情報誌は多々ありますが、
運転資金やマンパワー不足で長続きしないことがほとんどです。
弊社は創刊当時からボランティアでやることは考えておらず、独立した企業として
販売収入に加えて広告収入も得るという明確なキャッシュポイントで動き始めました。
内容は自分たちの目線で、お母さんたちに役立つ情報を収集し、発信するというもの。
例えば、小さい子どもがいて、引っ越してきたばかりで病院を探したい場合、本誌は、
ママ目線で病院を取材しているので、この先生なら行ってみようと安心できる内容に
なっています。
この他、Webと、新聞折込のフリーペーパーも発刊しており、メディアミックスという
強みもあります。

さらに、この14年間で子育てをする女性のネットワークが非常に大きくなったので、
マーケティングリサーチやイベント開催などの業務も展開しています。

女性たちよ、やりたいことは何でもできる!

子育て中の女性はいろいろなことを諦めてしまいがちです。
「子どもがいるから働けない、社会に出られない、世界が狭い」と思いがちだからです。
彼女たちに「本当はいろんな可能性があるし、やりたいことは何でもできる!」
と伝えたいです。
だから、私は自分の環境の中で、活躍できるステージがあることを一緒に見つけて
いきたいですね。

社員のほかに登録している外注スタッフもいます。
編集やライターの初心者もいますが、弊社で勉強してスキルアップし、子育てと仕事を
両立させ、もっと夢をもって元気になってもらいたいです。
これは、着実に成功していると思っています。

今後はもっとたくさんの主婦や子育て中の女性たち、これからそうなる可能性のある
20代の女性たちに向けて、「何かを理由にして何かを諦めることのないような、
そんな生き方を提案したい」と思っています。
例えば、資格取得やスキルアップ、人材派遣など。
すべての女性に向けて、イキイキと活躍出来ることを支援出来るような会社に
していきたいです。

学生へのメッセージ

学生の人たちも、自分の10年、20年後を見据えて、好きな仕事をして、必要とされる人材に
なって欲しいです。
好きな仕事であれは、楽しくて続けられますが、「やらされている感」で仕事をすると、
絶対長続きしないし、第一自分が楽しくないですよね。

独身時代は行動半径が広く、さまざまなことに興味を持って自由にできますが、
女性は結婚し、出産すると、縛りができてしまいます。
これは、いくら男女雇用機会均等法が充実しても、現実問題として考えて
おかなければなりません。

これを踏まえつつ、自分が今なにをすべきかを常に考えながら仕事をすること、
また、会社を選んでいくことが自分自身の幸せにつながります。
未来に向けて目標をつくっていくことはとても大事です。

そして、学生時代は、是非アルバイトをたくさんやって、社会経験を積んでください。