株式会社グリーンイノベーションズホールディングス 代表取締役 都築 博志
設立 | 平成14年11月 |
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事業内容 |
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会社HP | http://www.green-i-holdings.co.jp/ |
サラリーマンもフリーターも経験し、様々なことを学ぶ
私の実家は商売をしていて、父親が経営者でした。
それを間近で見て、ものすごい大変そうだと思いながら育ちました。
だから自分が父親の後を継ぐ、あるいは何か自分で事業を興すということは、
学生時代、全く考えたことはありませんでした。
高校卒業後は、3年ほど運送会社でサラリーマンとして働きました。
そこで、「会社ってこんな感じか」ということを、若輩ながら
掴むことができたような気がします。
新入社員は会社の中では一番の末端であり、組織の底辺なので、
様々な思いを味わいました。
その中で、どう扱われるとモチベーションが下がるのか、
逆にどんな扱いであればモチベーションが上がるのかを経験できたのです。
そしてその後には、さらに3年間フリーターとして生活。
業種はありとあらゆるものにチャレンジしました。
ケーキ作り、パチンコ店、カラオケ屋、飲食店、日雇い労働など、
かなり多種多様でした。
フリーター生活では、色々と嫌な思いもしました。
いい年をしてフリーターなのだと小バカにされたこともありました。
社会から評価されない存在なのだと感じたこともありました。
しかしそこから、マネジメントにおいては何が大切かということを
たくさん学ぶことができたと思っています。
家業の借金返済のために、経営者として事業展開をスタート
サラリーマンやフリーターで生活してはいたのですが、
やがて父親に会社を手伝うようにと言われます。
父親の会社は、バブルの頃には4~5人の従業員がいたのですが、
その後は父親1人になり、経営状態もあまり良くありませんでした。
借金もあったので、とにかく返済をしつつ、利益を上げる必要があったのです。
最初に手掛けたのが、現在はやっていませんが、省エネ装置のレンタル事業。
その事業では、近所のスーパーとタイアップして集客をするという試みも行いましたが、
爆発的に売り上げを伸ばすまでには至りませんでした。
結局は、1軒1軒を地道に訪問して営業するという泥くさい方法が、
最も成果を生み出しました。
この時には、私自身は訪問営業はやらなかったのです。
営業が得意な人に任せる、ある意味、「超他力本願」のようですが(笑)、
これがその頃から続く当社のスタイルの一つでもあります。
この人は何ができるのか、何が得意なのかということを見極めて、
その人に合った環境に配置をする。
それが個々のモチベーションを上げることにつながると考えています。
社員が気持ちよく働くことができる環境を作っていきたい
以前、ある社長さんの講演で、とても共感できる言葉に出会いました。
「社長の仕事というのは2つしかない。
1つは、分からないことや先の見えないことに対して決断を下すこと。
もう1つは、社員が常に気持ちよく会社に出勤できる状況や環境作り。
ただし、前者の割合は1割で後者が9割。」
まさしくその通りだと思いましたね。
社員がやりがいを感じて、高いモチベーションで仕事ができるように、
様々な環境を整えることが、私の大きな役割なのだと。
そのために私は常に、組織をこと細かく観察しています。
メールで送られてくる日報をチェックして、落ち込んでいるような社員がいたら、
直接レスポンスをしたりもします。
また、しょっちゅう社員と飲みに行ったりもしますよ。
それと、もう1つの「決断」については、情報収集が重要です。
世の中の情報に敏感になり、しっかりと蓄積すること。
それと、先輩社長のアドバイスを参考にする、いわゆる「先人の知恵を借りること」、
これも非常に大切だと考えています。
3000億企業にするために目指していること
当社が掲げているビジョンは、まずは2015年には上場し、
300億体制を作り上げることです。
そしてその先、2030年には3000億を目指しています。
ただし私1人の力では不可能なので、マネージメント層の社員を
もっと増やしていかなければいけません。
もちろん私自身も経営者として、もっと成長する必要があります。
3000億を達成するためには、グループを100社くらいにしたいですね。
1社30億、もちろん均等にはいきませんが、考え方として
30億の会社が100社あれば、グループとしては相当に強いはずです。
しかも様々な事業での展開をすれば、何かあった時にも強い。
例えば今回の震災のようなことが起きて、いくつかの事業が苦しくなっても、
他の事業で存続していくことができます。
要は多角化によってリスクヘッジをしつつ、
グループとして発展させていくのが理想です。
「多角化経営・100社・100事業」というのを会社の理念としてやっていくには、
日々アンテナを張って、やってみたいと言われたことを、
どんどんやっていく必要があると思っています。
これからの時代に必要なのは成長意欲
当社が求めているのは成長意欲がある人、それに尽きます。
それが全てを網羅するというくらいに考えています。
今現在、何も得意なことがなくてもいいのです。
「いつかこうなりたい」という思いを、しっかりと持つことが大切なのです。
正直言って、私自身は何の取り柄もない人間でした。
勉強も運動も中途半端で、超普通の凡人。
しかし様々な経験を積み、さらに家業の借金で追い込まれたことで、
成長するしか道がなくなりました。
この、このままでは自分の人生もダメになってしまうという環境が
私に成長意欲を与えてくれたのです。
それ故、今となっては、その状況に感謝しているくらいです。
一部では、これから先、日本は破たんするかもしれないと
いう意見も挙がるほどの状況が今の日本です。
私自身も向こう数十年で日本の景気が良くなることは有り得ないと思います。
その中で「平和ボケ」している人には、きっと悲惨な人生が待っていますよ。
現実をよく理解して、本当に死ぬ気で努力する覚悟がないといけません。
そこで重要なのが「成長しよう」という意欲なのです。
学生へのメッセージ
今の時期に就職をするということは、確かに大変であり、不幸なのかもしれません。
しかしそれを、ただ嘆きながら生きていくだけでよいのでしょうか。
嘆いているだけでは、結果は悲惨な人生になるだけです。
まずは就職を目指すなら、社会のことを学ぶ必要があります。
アルバイトなどの経験をもとに、自分が成し遂げたこと、学んだことなどを、
しっかりと語ることができるようになりましょう。
さらに他の人とは違うこと、他の人はやらないことをやるのも「努力」です。
とにかく、絶対に自分の人生をハッピーにしたい、そういう思いを持ってください。
努力をしてハッピーになるのか、今の不遇を嘆いてネガティブに生きていくのか、
決めるのは今だと言いたいですね。