代表取締役 水尾 恒雅

株式会社MITシステム研究所 代表取締役 水尾 恒雅

株式会社MITシステム研究所 代表取締役 水尾 恒雅

株式会社MITシステム研究所
設立 1980年
事業内容
  • コンタクトセンター向けパッケージソフトの開発
  • 企画、製作、販売、保守を行う為
    マネの無い、独自性の強いソフトウエアを開発
会社HP http://www.mitsys.co.jp/

コンピュータと言えば「鉄腕アトム」だった

私が高校生・大学生だった時代は、1960年代~1970年代で、
当時は日本全体が右肩上がりで「明日は今日より絶対に良くなる!」とみんなが信じていた、いわゆる高度成長期でした。
今と違うのは「誰もが車を持っている生活」ではなかったですし、
大学院に進学する学生も稀で、大学生活4年で就職活動をし社会に出ていくのが当り前。
でも、皆さんは「明日は今日より悪くなる」と漠然とした不安を抱えているでしょうから、
その点では、私たちの世代は希望がある時代の中で青春時代を過ごしてきました。

大学生だった1970年代は、まさに学園紛争の真っ盛り。
私自身はデモにも参加しましたが、ごくごく軽い関わり方でした。
しかし、東大紛争があり、大学も閉鎖されるなど、
あらゆる意味で時代が大きく変革していると感じていました。
この頃、友人たちと将来の夢について、本当にただ漠然と「システムエンジニアになりたい」と話していました。当時、
まだメジャーではない職業で、私たちの中でコンピューターと言えば「鉄腕アトム」の世界でしたから、
漠とした夢として考えていたんです。

「ロボット的な働き方をする人材は必要ない」

大学を卒業し入社したのは、イタリアのタイプライターメーカーの100%子会社
「日本オリベッティ」でした。
個性が非常に大切にされる会社で、ロボット的な働き方をする人材は必要ないという社風に魅力を感じたんです。

入社後、配属されたのが開発部で、ここで本格的なコンピューターと出会いました。
「鉄腕アトム」ではないコンピューター。
もう毎日夢中で勉強しましたから、自然と多くの業務を任されることになります。
一にも二にも情熱を傾けて「こんなに面白いものはない!」と、
業務が終わり社員が帰った後に泊まり込みで使っていましたね。
一方で、周囲の社員たちはその面白さに気づいてない。
何でだろうと?と不思議でなりませんでした。

大企業ゆえに自由がきかないことのもどかしさ

独立を意識し始めたのは、ちょうど30歳を目前にした9年目のことでした。

<大企業の100%子会社>という立場に窮屈さを感じてきたのも、この頃です。
イタリア本社で開発したものを、そのまま日本で使用する。
新商品を生み出したくても、本社の社長が「イエス」と言わなければ、予算すら出ない、つまり作ることも出来ない。
100%子会社ゆえに自由がきかないもどかしさや、ソフトウェアメーカーになりたい!
お客様に喜んでいただきたい!それを形にしたい!
丁度、30歳になる15日前に上司に相談し、会社を退職。
その一年後に、当社を設立しました。

メーカーになりたい!

「メーカーになりたい」と商品を出し続けていくとに、情熱を注いできましたし、
またそうあるべきだと私は考えています。
受託開発だけ生きている会社ではなく、企業として長期間継続しなくては、
商品=システムとしての信頼を勝ち取ることは出来ません。

受託開発そのものは資金をそんなに必要としませんが、メーカーになろうとした瞬間に、
商品を世の中に出すまでの数年間の資金繰りを考慮しなくてはいけません。
しかし、新しい商品を生み出していくことに、我々の存在意義があると思っています。

また、日本では信頼の目安を「ブランド力」と表現しますが、ここまで辿り着くのは並大抵のことではありません。
例えば、ブランド力=安心でもありますから、企業がどこにオフィスを構えているかも実は大切な判断材料になります。
それは見栄ではなく、お客様は選ぶ権利があるからです。
倒産してしまうような企業から商品を買いたくはない!
どこにオフィスがあり、資本金は幾らあり、社長はどんな人物なの?という点まで、
お客様の安心を持ってもらうことが、当社への信頼につながっていくんです。

君たちの成長を待つほど、企業は優しくない

皆さんの様な若い世代は、もっと海外に出て刺激を受けるべきです。
就職活動ひとつ取っても、既に日本人同士で枠を取り合う時代ではありません、
もっとハングリーになって、自分の力を伸ばせるオープンな企業でなくては、
生き残っていくのが難しくなってきています。

一方で、就職=目的となってしまい、
こんな時代を生き抜いていくスキルを持つことを疎かにしてしまっている気がします。
まず、英語をはじめとした語学を勉強していなくては、人材として使ってくれません。
ましてや、IT業界を目指すなら方なら、
卒業までの4年間でプログラムを組めるようになっていなくては、お話にもなりません。

以前であれば、企業は「新入社員は3年かけて育てよう」と考えていたでしょうが、
その余裕は今はありませんし、イチから教育する気もありません。
教育は学校で行うもの。自分の仕事に対して給与を貰っているならば、きちんと企業に貢献する。
そんな心構えのない学生を採用はしません。
勉強する時間を削ってまで就職活動をし、借りてきた猫の様に想像する答えしか
返せないなら、
むしろその時間を使って堂々と企業にアピールできるだけの力を身につけた方が、
よほど就職活動はスムーズに進むと思います。

語学に自信がないなら、アメリカでも中国でも放浪すればいいし、
資格試験に挑戦して「○○に合格」と目に見える形で示すのもいい、
採用担当者はあなたが、何をして、どんな経験をし、その時どう感じたのか?
その本音の部分を知りたいと思っていますよ。