代表取締役社長 兼 最高経営責任者 大石 哲也
設立 | 1985年9月10日 |
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事業内容 |
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会社HP | http://www.spice-japan.com/ |
サラリーマンは社長になるための下積み時代
小さい頃から組織に属して働くイメージがなく、自分で社長になることしか頭にありませんでした。
おそらく、祖父も父も自分で事業を起こし会社を経営していたことが影響していると思います。
とは言え、仕事の流れを知り一通り覚えるには、いずれかの企業に属さなければ無理だなと考え、
PR会社に就職しました。実は広告業界への就職には、興味がありませんでした。
どちらかと言えば、もっと体を動かしながらする仕事が良かったのですが、
ツテもアテもない状態だったので仕方なく…が本音でした。
ただ、実際に働いてみなくては仕事の本質は見えてこないものです。
学生の皆さんにとっては、広告業界はマスコミと同じく派手で華やかな業界に思えると思います。
しかし、PR会社は<企業の広報部をサポートが仕事>クライアントの要望を丁寧に
掬い上げ形にしていく地道な仕事です。こちらの方が自分の性に合っていたし、
派手で華やかに見えるものほど、その一瞬はいいけれど本質が見えにくいのではないかと感じていたんです。
1年後、この仕事でいずれは独立しようと決意していましたし、経験と自分の勘でイケル!
と確信もしていました。今にして思えば、企業に属した7年間は社長になるための下積み時代、
組織を知り、仕事の仕方を知り、人脈を作るには必要な時間だったと言えます。
資本金ゼロからのスタート
独立したのは、仕事に対する方針が合わなくなったことが理由でした。
仕事で実力がついてくれば、企業としてはより多くの取引先を担当させ利益を上げようとします。
しかし、顧客側の視点に立った時、それが本当に良いことなのか疑問を持ったんです。
担当社数が増えれば、1社にかける時間はどうしても減ってしまうし、内容が手薄になる。
もっとじっくりと顧客と向かい合って仕事がしたい!
こうした想いに賛同してくれた社員5名と一緒に独立をしたんです。
ところが、会社経営のマネジメントに関しては全く勉強をしていなかったので、
正直なところ「自分がやるしかない!」状態でした。当時は自分も若かったですから、
何でも知りたかったし、こなして行きたいという欲求もありましたからね。
ところが、独立当初は資本金ゼロ!さすがにこれでは当面の運営資金が…ということで自分と
社員を含めて105万円を集めて資本金にしました。経理が出来るスタッフもいなかったので、
結局自分でするしかありません。大学は経済学部だったのですが、机の上で学んだ知識と
実務の差は大きかったですね。だって「手形」を見た時に「この紙なんですか?」って
取引先の方に聞いてしまったくらいですから(笑)
1年目に資金の流れを理解し、3年目には会社組織が落ち着いてきたので、その頃から
自分で解決せず「餅は餅屋」と考えて、その分野に精通している人に聞くようになりました。
当然のことですが、自分が企画提案をする方が利益につながる、つまりコストパフォー
マンスの高い仕事が出来るからです。
【Receiving and return】こそが仕事の本質
独立以来、大切にしているのは「クライアントとの信頼」。
顧客にサービスを提供し続けたい想いは当然ですが、単年度で収益を回収することを
目的とせず「じゃあ次年度、A社が良くなるためにはどんな提案がベストなのか?」
常に付加価値のある仕事をし続けていくこと、【Receiving and return】信頼の上に
信頼を返していく姿を大切にしています。
もちろん、クライアント側から見て自分たちが成長している姿を見せなくてはいけないし、
そうでなければ意味がありません。市場の動きや最新のコンセプトなど勉強するのは
タダですから、戦略を実践で学び身に着けていくことほど強いものはないですね。
生意気な若者を応援したい
これから未来に向けて取り組んでいきたいのは、究極的に言えば「人材育成」です。
広く海外に出ていける人材を育成し、成長する手助けに時間を使いたいと思っています。
好奇心に溢れる、ある意味<生意気な若者>を後押しすることで、国内の産業が活性化
していくはずです。
もちろん、社員を一人前にするには3年程度かかりますし、その人の仕事によって
会社に利益が入ってくるのは4年目からの話ですから、人材育成に近道なんてものは
絶対にありません。昨今の経済状況では、各社苦しい部分もあるし、
我慢が強いられることもありますが、そこは企業が耐えなくてはダメなんです。
自分が今を生きる「時代」を語れる人材になれ!
皆さんは、自分の専門分野をひとつでも持って欲しいですね。
例えば好きな作家、音楽、フィギュアだってヲタクだってなんだっていいです。
今の時代性が身についていないと、若者としての面白みがない。だから、好きなものが
ひとつでもあれば、それに前のめりになるべきだし、誰かに話すときは「こいつホントに
好きなことは勝手にしゃべり続けるな」と思わせる位が丁度いいんです。
自分と皆さんとでは、世代も違うので感性も違いますが、
そこに新しいビジネスが生まれ、楽しさが広がっていくヒントがあると考えています。
昨今の日本の経済状況は厳しいですし、今回の震災ではかつてない被害に見舞われています。
しかし、私自身は若い人の素直さと素晴らしさに気づけたことが、この状況の中で本当にうれしい出来事でした。
空いてしまった穴を埋めるのは、想像以上に大変なことですが、若い人が働くしかないんです。
そこが自分にとって好きな仕事・場所であれば幸せですし、そうあるべきだとも考えています。
人より1.2倍働くことで、何かを勝ち取ることを目指して欲しいですね。