代表取締役社長 澤田 智廣

株式会社システムクエスト 代表取締役社長 澤田 智廣

株式会社システムクエスト 代表取締役社長 澤田 智廣

株式会社システムクエスト
設立 1991年
事業内容
  • システム開発&ITサービス
会社HP http://www.s-quest.co.jp/

スキーとテニスに熱中した学生時代

出身は福島です。

もともと教師を目指していて、本当は東京の大学に行きたかったのですが、
共通一次の数学で失敗してしまいました。
浪人して再チャレンジも考えたけれど、家も大変だろうという想いから、
合格を頂いた岩手大学の教育学部英語科に進学することにしました。

学生のころは、勉強はそこそこで、あとはスポーツとか、友人と遊んだり。
特にスキーにはまりましたね。

テニスとスキーのミーハーな(笑)サークルを作り、
私が後輩にテニスを教えて、友人はスキーを担当して。
その頃はメンバー20-30人でしたが、卒業して何年も経ってから、
私の作ったサークルが「今は大学で一番大きくなっている」
と聞いた時はすごく嬉しかったですね。(笑)

アメリカで働くことを目指し、ソフトウェア業界に飛び込む

就職活動は、4年生の4月くらいにやっと始めました。
主に回ったのは、大手が出資するソフトウェア会社、
海外に営業所があるソフトウェア会社。

在学中にアメリカに短期留学に行く機会があって、
そこで多くの刺激を受けました。

「このまま田舎で教師になるのはどうなんだろう?」って思ったんですよね。
海外に営業所のある会社をめざしたのは、英語を活かして海外で働きたい、
そのためには、東京の会社に行って、
海外赴任するのがいいだろうと思ったから。

内定を貰ったのは、従業員300人くらいの海外に営業所ある会社。
当時はバブルだったので同期が87人もいましたが、
3年くらいすると同期の半分くらい辞めちゃいましたね。

独立、そして現在

入社してから、データベースを作るエンジニアとして
お客様のところを転々とする日々が3年続きました。

そうして、「このままでは海外に行くのは無理そうだ」と気付いたころ、
あるフリーのエンジニアの先輩に、
「今フリーになったら給料三倍になるよ、一緒にやらない?」と誘われました。

会社を離れるかどうか半年くらい迷いましたが、
結局退職してそのエンジニアの方と仕事をするようになりました。
新卒者が3年でやめたら、基本的に会社に迷惑かけて辞めたようなものですから、
前の会社にはそういう意味でちょっと負い目もありましたね。

でも最近、前の会社の人と一緒に仕事をする機会があって、
やっと少しは「恩返しできてるな」と思っています。

今の社員は契約を含めて60人くらい。
事業はエンジニアの派遣と受託開発がメインです。
今は開発だけじゃなくて他のベンダーさんが開発した製品を販売する仕事や、
オフショア開発、中小企業向けサポート事業にも力を入れています。
サポートサービスは始めて3年くらい経ちますが、
この1年半くらいでやっと軌道に乗ってきました。

半年をかけて経営理念を作り上げる

今まで、経営理念とか社員に対する気持ちというものを、
漠然とは持っていました。
だけど、経営者にとっても漠然としてるものは、社員に伝わるはずがない。
そう思い、経営方針や理念をきちんとまとめることにしました。

最初は「経営理念なんて、誰もそんなの気にしないよ」
という気持ちもありましたが、それは今思うと大きな間違いでした。
少なくとも、自分の考えや行動がぶれないために、経営理念は持った方がいい。
「お客様に対しこういうものを提供できる会社ですよ」
というのをきちんと持っていないと、迷った時に判断基準が持てないですから。

「経営理念ってどんなこと?」ということと、
「経営理念に盛り込みたいことって何?」というテーマで、
半年かけて社員の代表と議論をして作り上げました。
完成するまで大変でしたが、時間も労力もお金もかかったけれど、
今すごいスッキリしています。

経営理念について

経営理念は「ソフトウェアサービスを通して、お客様の問題解決に確かな技術で応え、
地域社会に貢献できる人財を育てる。」

 「確かな技術」というのは、技術を持っていることを、自分だけがわかっているのでは
無意味だから、誰かが認めた資格を持っていないとお客様に分かってもらえないということ。
当社は人事考課の中に、「資格を必ずとる」「研修を受ける」「本を読む」の3つを入れてますが、
この経営理念に立ち返れば、「確かな技術」と言えるためには「資格を取らなきゃいけないね」
ということを社員にもすんなり納得してもらえます。
社是は「何よりも『人(ヒト)』を大切にする。」最初は「「ヒト」を大切にする会社で
ありたい」だったんだけど、それを「する」と言い切ることにしました。この「ヒト」というのは、
お客様・社員・パートナー・家族・仲間など、「自分を取り巻く全てのヒト」という意味です。

この社是は、例えばエンジニアが大変な状態にある時。今の仕事を継続して成長させるか、
他のプロジェクトに回すか、どちらがヒトを大切にする選択か?という判断基準にもなります。
使命・目的は「確かな技術力と人間力で質の高いソフトウェアサービスを提供し、
お客様と共に事業成功の喜びを分ち合います。」です。われわれが勝手に自己満足で
仕事をするのではなくて、お客様が「良かった」と思うことが目的ですよということです。
営業には、業務内容なんて説明しなくても分かるから、それより会社の方針を伝えるように言っています。
経営理念を伝えることで、会社の姿勢を理解してもらえれば、お客様からの信頼を
頂けると信じていますから。

今後は20人の社長を育てたい

いま、大手企業は開発をどんどん中国に移しているから、
これからはIT企業の多くは淘汰されるでしょう。
 
当社も今後はアジア諸国を含め、他の中小企業とパートナーシップを
ガッチリ作っていかないと、大手企業と対等にやっていけないと考えています。

私の目標は「60歳までに20人の社長を育てる」。
これは社内でいつも言っていることです。

社員には、「社長になったら、50人は雇ってね」と伝えているんです。
50人単位の会社が20社、つまり1000人を雇用することになる。
そこで働く人たちにチャンスを与えたいと思っています。
 
IT産業では「プログラマ35歳定年説」というものもささやかれていますが、
エンジニアを辞めた時にみんなが働ける仕事を作っておきたいと思う。
将来のエグジットを用意しておけば、みんな安心して、
今のエンジニアの仕事でがんばって働けますからね。

当社の人材育成は「一流の社会人に育てる」ことが目的です。
「一人前の社会人」ではなく。
 
単に一人前なのではなく、他社さんより抜きんでる人じゃないといけない。
そうじゃないと他社さんの優秀な人材と太刀打ちできないですからね。