三和プランニングセンター株式会社 代表取締役社長 宮本 勝宣

代表取締役社長 宮本 勝宣

三和プランニングセンター株式会社
設立 昭和54年8月10日
事業内容
  • タウン情報紙制作発行
  • SP一般
会社HP http://www.sanwa-plan.co.jp/p01.html

イベントも手掛けた創業初期

当社は昭和54年8月に創立し、今年で33年目に入りました。
最初は広さ7坪、家賃7万円ののワンルームに
スチールデスク3台を置いただけの事務所で、
社員は私とマネージャー、経理担当者、そして九官鳥が1羽(笑)。
当時は最初からフリーペーパーを作っていたわけではなく、
サンケイリビングの代理店として、一生懸命に営業をしていました。

その頃に手掛けたのは大きなイベント。
32年前、横浜の山下公園前にできた産業貿易ビル1階、
400坪ほどの貸会場で、チャリティーイベントを行いました。
売り上げの一部を、恵まれない子ども施設に寄付するというものです。
その時には、人を集めるためにも大きな「冠」が必要だから
「全日空」の名前を借りようと考えました。
催事のタイトルは「全日空チャリティーバザール」。
そこで、全日空の横浜支社長に会いに行き、
テーマやコンセプトを説明したところ、すぐに賛同してくれました。
おそらく私の熱意と根性を、顔つきから見抜いたんでしょうね(笑)。

当時は全日空といえば北海道でしたから、
北海道の新鮮な野菜や魚介類を目玉商品とし、その他洋服・靴・ジュエリーなどの店舗をメインに。
伊勢佐木町や元町のお店100店ほどが出店しました。しかし、集めるのは本当に苦労しました。
もう絶対にやりたくないと思うほどにね(笑)。

このイベントを成功させるために、朝日新聞での取材記事や電車の中づり広告、
サンケイリビングの全面広告で告知をし、
当日はチンドン屋を使って反響を呼び、成功を収めました。
結果的には大成功で終わりました。

自分たちの媒体を持つことで、右肩上がりの成長へ

7坪の事務所でスタートした会社でしたが、
社員が2人増えたら手狭になってしまったので、
25坪の事務所に移転をしました。
その後も人員増加や業務拡大に伴って30坪の事務所へ、
さらに移転したのが、現在の100坪の事務所。
ガラス張りで明るく、駅に近いので、とても便利です。

フリーペーパーである「インフォメーション」は、
従業員が増えてきて、25坪のところに移った頃に、
「自社の媒体」ということで始めました。
それまではサンケイリビングの代理店として
営業をしていたのですが、それでは割が良くない。
紙媒体は、売り上げの7割は媒体の発行元にいくので、
代理店に入ってくるのは3割だけ。
汗水たらして営業しても、利益が少ないんですよ。
私はそれが非常に不満でした。
それで、10割全てが自分たちの利益になるようにと、
「インフォメーション」を立ち上げたのです。
それからは、どんどん人も会社も成長し、
銀行からも高く評価されて、最優秀企業とも称されました。

苦境を乗り越えるには「人間力」しかない!

ところが、ここ最近は紙媒体は非常に厳しくなり、
売上高も減ってきています。
厳しくなった原因は、インターネットやライバル誌の存在。
特にライバル誌に関しては、「インフォメーション」の
マネをして作るところが出てきました。
そればかりではなく、当社のクライアントに営業をかけて、
当社よりも安い値段を提示するのです。
全く同じような構成の誌面なのに、広告費が安い・・・。
これで相当のクライアントを奪われてしまいました。

奪われたクライアントを取り戻すためには、
一見、広告費をライバルと同じところまで下げないといけません。
しかし件数は増えないので、売上高は減ってしまいます。
そう考えると、料金で闘うのではなく、
結局は「人間力」でやっていくべきなんですね。
「この人だからお願いする」と言われるような魅力、
人間性、誠実さが、営業マンには必要になってきます。

あとはとにかくアプローチをすること。
この仕事は、ちょっと油断をすると売上げダウンします。
広告収入だけが命なんですが、”安売り”はしたくありませんね。

他誌とは違うというプライドと自信

ダンピングをしたくない、もう1つの理由が、
33年間フリーペーパーをやってきたという「プライド」。
それは歴史だけではなく、読者に愛されているという自負です。
読者から送られてくるアンケートハガキを読むと、
「インフォメーション」は非常に評価が高く、
色々な情報誌やフリーペーパーがあるけれど、
おたくのが一番おもしろい、と。
読者はお世辞なんか言わないから、それは間違いない。
自信がありますよ。
「おじいちゃんの雑学」や「おばあちゃんの知恵」、
漢字クイズ「わぁ~、ヤナ カンジ!?」など、
他誌には載っていないような記事やコラムが、
盛りだくさんなのですから。

社員たちには発奮してほしい

現在は非常に厳しい状況ですが、だからこそ頑張っていかなければなりません。
そこで私が掲げたスローガンがあります。
 出来るのも出来ないのも、
 精進するのも怠惰でいるのも、
 謙虚になれるのも尊大になるのも、
 豊かになれるのも困苦にあえぐのも、
 すべて心の問題である。
 人間の心は決して嘘をつかない。

「人間の心は嘘をつかない」
これは私自身が立証をしながら生きてきました。
ずっと正々堂々と、歩み続けてきましたから。フリーペーパーを作り続けて30数年、
読者もクライアントも認めてくれる良いものを作ってきたという自信があります。

問題は今後。
私がやることは全てやってきたので、
あとは社員が皆で考えてほしいと思っています。
だから私は皆によく言うんですよ。
君たちは舞台役者だ、と。

三和プランニングセンターというステージは出来上がっている。
そこでエキストラで終わるか、主役を張ることができるかは、
全て君たち次第だ。
やはり最後は主役を張ってほしい。
主役(クライアント・読者)になって歌って踊って名演技を見せて、
観客を感動させなさい、泣かせなさいと…。

要するに環境は整っているのだから、あとは社員の能力次第なんです。

若者へのメッセージ

今の若い人には「向上心」がないですよね。
これが一番の問題。
向上心がなければ、何事にもとりかかることはできません。

人間にとって最も大切なのは、「向上心」という3文字です。
「努力」「熱意」「根性」「誠意」など、綺麗な言葉はたくさんありますが、
それらの基軸になっているのが「向上心」という言葉だと思います。

今の時代は、それほどお金がなくても、
コンビニで安い食べ物が買えるから、なんとかなってしまう。
仕事が嫌になって辞めても、就職情報誌やネットを利用したら
いくらでも新しい仕事を探すことができる。

全てが間に合ってしまうから、自分で生み出すものが何もない。
だから向上心も持てず、のんべんだらりと生きてしまうんです。
若い人たちには、もっとガツガツしてほしいですね。