代表取締役 増田 雄紀

株式会社イザコーポレーション 代表取締役 増田 雄紀

代表取締役 増田 雄紀

株式会社イザコーポレーション
設立 平成22年4月28日
事業内容
  • 防災用品の企画・販売
会社HP http://www.iza-c.co.jp/

起業までの道のり

中学・高校とずっとバレーボールをやっていました。
高校ではキャプテンを務め、休日も練習に明け暮れていましたね。

高校卒業後、はじめは大学へ行くつもりでしたが、
かけもちしていたアルバイトの方にだんだん時間を割くようになってしまい、
結局、そのままアルバイト先の運送会社に就職することになりました。
その頃は自分がまさか起業するとは思いもしませんでした。起業どころか、
地元埼玉から出ることすら考えていなかったのです。

運送の仕事は、電化製品の配達をして、テレビや洗濯機を取り付けるというものです。
小学校の頃から、人と話をするのがあまり得意でなく、どちらかというと人見知りをする方でした。
それが、運送の仕事を始めると、年配の人から大学生まで、色々な人と話をしなければなりません。
そのうちに、この年代の人にはどのような話をすると話が弾むかがわかるようになり、
人見知りも自然と解消されていきました。

運送会社に5年いて、そろそろ辞めようかと思った時に、
とある番組制作会社の求人広告を目にします。
もともとテレビが大好きで、テレビ関連の仕事にも興味があったので、
アシスタント・ディレクターとしてそこに入社を決めました。
3年目にはディレクターになり、仕事は面白かったのですが、
その頃からふいに「独立したい」という気持ちがわいてきたのです。
運送の仕事にしても制作の仕事にしても、はじめは無知でも
自ら行動していけば成果につながるということを体感したのが大きかったと思います。
何をやるかはまだ決めていませんでしたが、28歳の時に起業を決意しました。

防災用品の販売会社を設立

とりあえず制作会社を辞め、自分のビジネスを模索しているうちに、
「これからは英語だ」と思い、外国人客が多い六本木のレストランでホールのアルバイトを始めました。
今思えば笑い話ですが、とりあえず六本木で働けば外国人も多いので
英語が上達するだろうと…。実際はお客様の方が日本語がうまかったりしたんですけどね。

結局英語は期待したほど上達しませんでしたが、ホール係だったので、
どうすればお客様が喜ぶのか、どういうモノを提供すればよいのかなど、かなり勉強になりました。
そんなある時、「防災用品にはいろいろなセットがありすぎるし、
価格が適正かどうかもよくわからない」と耳にします。
誰かが不便に感じているということは、仕事のチャンスがあるかもしれないということです。
この時初めて、防災用品に目を向けるようになりました。

防災用品は、いざという時に必要という点で保険に近いものがありますが、
保険がかなり大きなマーケットを形成しているのに対して、防災用品は世間一般には
あまり浸透していません。
ただ、必要不可欠なものであることは間違いないので、
売り方や提案の仕方さえ変えていけば、どんどん市場は広がります。
また、防災用品を販売するということは、ある意味、社会に貢献してもいるわけです。

こうして、昨年4月に会社を設立しました。

中小企業を中心に営業

会社を設立する際もあれこれ悩まず、とりあえず、設立しました。
それまでの職場でも、入る前と入ってからでは、全くイメージが違いました。
会社を設立する前に色々調べても、会社を運営していく上で起きることは、
絶対違うと思っていたからです。

扱う商品についても、知識がなかったので、東急ハンズなどへ行って、
製造元や販売元を調べるところから始めました。

今は中小企業を中心に営業をしています。
社員数50人ぐらいの企業をターゲットに、ラジオや軍手、ティッシュ、携帯トイレなどが
セットになっている商品を1人1つ持ってもらう、というのが基本です。
単価は1人約1万円で、50人規模だと50万円というところでしょうか。

企業の立地や事情をヒアリングし、ハザードマップなども参考にして
その企業の条件に合わせたセットをつくるので、オーダーメイドに近いと思います。
ただ販売するだけでなく、災害時にどのようなことが予想されるか、また、どう行動すべきか
など、このような付加価値の提供も大事であると考えています。

災害はないのに越したことはありませんが、何かあった時には、
用意しているか否かで、大きく変わってくるものです。
また、企業にとっては社員を大切にしているというアピールにもなりますし、
社外に対しても、防災意識が高い企業というイメージを持ってもらえる利点もあります。

もっと防災用品を浸透させたい

今は法人が中心ですが、個人向けも展開しようと、
年明けには個人向けの自社オリジナル商品を発売する予定です。

個人向けは、防災用品というより、防災意識を高めてもらうための雑貨という位置付けです。
普段、持ち歩けるようなオシャレなものにして、定着させるのです。
一つ持っていると全ての災害をカバーできる商品というのは難しいですが、
ある商品をきっかけに個人が防災意識を高め、例えば、避難場所などを知ろうという
行動につながれば、と思います。

ポータルサイトも作る計画で、そこにいけば防災用品が何でも揃うという防災の
zozotown的なサイトにするつもりです。
今後は自社の商品も増やし、いずれは防災業界のユニクロのようにしたいと思っています。
それをさらに進めて、路面店が出せればいいですね。
アウトドアの店が路面店で成立しているのだから、
防災用品の店も成立する可能性はあると思います。

周知のとおり、今年3月の東日本大震災で、私たちの事業も大きく変わりました。
ただ、私たちのやるべきこととしましては、いつまでも悲観的に考えるのではなく、
防災意識の高いうちに、防災用品をどんどん浸透させていきたいし、
それが、自社のためでなく、いずれは社会全体のためになると信じています。
日本の防災対策率を100%にするのが、ミッションだと思っています。