代表取締役 板谷 裕實

イタヤインターナショナル株式会社 代表取締役 板谷 裕實

代表取締役 板谷 裕實

イタヤインターナショナル株式会社
設立 1983年3月13日
事業内容
  • 美容室経営
  • オリジナルヘアケア・ウイッグ等、
    プロダクツの製造・販売
会社HP www.itaya-chiara.com

ごく自然に、好きなことを仕事に

僕の場合、初めから美容師で独立しようという志があったわけではありませんでした。
高校の頃は、写真部に入り、有名な写真家のモード写真を見るのが大好きで、
その被写体は女性でした。

自分も写真を撮る内、モデルになる女性を見て、
どんなヘアスタイルが似合うだろうと考えているうちに、
女性が綺麗になっていく姿、プロセスに高い関心を持ち、
気がつくと美容関係に興味が湧いていました。
好きなことが自然に仕事となったようで、本当に幸せです。

絶対に辞めない信念を持って

高校卒業後の僕は、夜間の美容学校に通い、
昼間にエキストラなどのアルバイトをする生活を送っていました。
ミーハーだったんですね(笑)。でも意外とその気持ちも大切ですよ。
感性は学校だけでは磨かれませんから。

そうして「僕の道は美容師だ」と思った時、
有名人御用達の美容室に勤め、寮生活を始めました。
入ったからには絶対辞めずに続けようと、11年間、自分を磨きました。
しかし、そのうち上司との経営理念も異なってきたこと等から、
悩んだ末、独立を決意しました。

自分の存在は小さいことを忘れずに

野望を持つことは大切だと思っていた僕は、望み通りに六本木に店を構えました。
1フロアわずか5.5坪の、小さな箱のような店でしたが、
僕の技術を信用して来店してくださる有名人に恵まれました。
また、有名ファッションデザイナーと雑誌の撮影が縁で出会い、
1年後にはパリコレでの仕事をいただきました。

環境が変わっても、出会った方々に真摯に対応すれば、必ず何かが返ってくる。
自分なんて本当に小さな存在なんです。いかに周りのバックアップが
大きな力となっているかに気づき、精一杯応え、さらに大きな仕事を楽しむことです。

ヘアメイクアーティストとしてのステップアップ

バブル期でもあった当初、その影響を受けて、赤坂へ店舗を移転したのですが、
その頃、セレブ女性雑誌のタイアップページの仕事が舞い込んできました。
それがきっかけで、僕のヘアメイクがその雑誌の丁装に合うという、
出版社側の評価から巻頭ページを任されるようになりました。
店舗移転という変動期でしたが、仕事との巡り合わせは本当に良かった。
アーティストとしての評価が上がったと確信しています。

その後、刺激を求めて青山へ移転します。
アーティストとして、また経営者としてどういうサービスを
生み出していくかを問いかけた時期でした。
自社ブランドのウィッグやシャンプーを開発した転機でもあったのです。

ただ、これらは全て利益追求というより、
自分にとっての環境整備のためと言った方が適当です。
「こういうウィッグがあったら都合がいいな」
「スタッフの手荒れを防ぐシャンプーはないものか」
という思いが商品開発のきっかけだったからです。
そして僕は一方で、アーティストとして
ヘアメイクの技術をブラッシュアップすることを続けました。

今後のITAYAブランドの展開

まずは中国への進出を考えています。
スタッフを講師として育て、アジア各国に進出させたいものです。
アジアは若者のパワーがスゴイ。もっと海外の動向を見るべきです。
以前はヨーロッパを参考にするべく、海外を見ていましたが、
今後は成長意欲の高いアジア地域を見逃してはいけないと思っています。

店舗拡大も検討中です。
お客様がステータスを感じるようなブランドに高めながら、
スタッフへお店を残していきたいと思っています。

初心を忘れず、自分を高めて

僕はお客様に恵まれていると実感しています。
自分の意識、クオリティを高めるほど、周りも自然とついてくるんですね。

スタッフに関しても同じ。僕の揺るぎないポリシーを、
素直に表現することでスタッフも反応するもの。
自分が安定していれば、自ずと相応しいスタッフがついてくるものです。

経営者ではありますが、アーティストである限り、
技術のレベルアップを絶えず追求すべきですね。
そういう意味で、いつまでも満足することはありません。
スタッフの目線で、いつまでも初心を忘れず、現場に立ち続けます。

若い人たちにも伝えたいこと

昔から言われていることですが「継続は力なり」です。
次に「年齢は忘れること」。
これは100歳になるお客様に感化されたモットー。
「年齢は気にしない」と、多くの刺激を求め、興味を持たれていることに共感しています。

最後に、「自分を信じること」ですね。
タレントという言葉は「自分を信じる」という意味があります。
自分を信じることにより、相手をも信じられる。
そんなタレント性を自分に持たせることが、
ひとつのブランディングへとつながるのではないでしょうか。
何事も無駄はありません。いつか必ず結果として現れることを信じてください。