代表取締役社長 岸本 右豪
設立 | 2007年2月21日 |
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事業内容 |
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理想の会社を作ろう
望んで社長をやろうと思ったわけではありません。
サラリーマンとして2社勤務し、やらざるを得ない状況になって、
「それなら理想の会社を作ろう」と起業しました。
学生時代は、何かをやりたいという確固たる信念はありませんでした。
ただ、営業をやりたいという思いはありました。
そこで、ゼミの先輩がいた機械の専門商社に入社し、
ジェットエンジンの営業をやっていました。
その商社に6年ほど勤めた後、ジーンズを扱う繊維会社に転職します。
たまたま、高校・大学の先輩がオーナー社長の息子で、
以前から「手伝ってほしい」と言われていたのです。
その会社では最終的には取締役になり、ある事業の責任者も務めていました。
先輩が社長になった時も支えようと思っていたのですが、
結局、社長とは経営方針をめぐって意見が合わず、
袂を分かつことになってしまいます。
53歳で起業したので、当然、リスクはありました。
前の会社と同じジーンズを扱う会社ですが、
「うまくいくのか」という恐れはものすごくありましたね。
同僚3人が一緒にやろうと言ってくれ、妻も背中を押してくれました。
こういう時は、女性の方が度胸がありますね。
まず、社員の幸せを目指す
理想の会社作りは進行中ですが、
最初に思い描いていた方向に進んでいると思います。
よく顧客第一といいますが、
私には経営者が口先だけで言っているように思えます。
社員が幸せでなければ、良い商品はできません。
会社が良い雰囲気で、社員がやる気になってくれたら、
営業成績は上がるし、私も含めてみんな幸せです。
結果として、顧客の満足度も上がるというものです。
社員が不満だらけでは、そこまでたどり着けません。
理想の会社にするために、特別な制度を作っているわけではありませんが、
「オープン」、「フリー」、「フェア」の3つを心がけています。
「オープン」というのは、業績も月々の決算も全てオープンにして、隠さないということです。
「フリー」は、自主性の尊重です。
自由な雰囲気の下で、自主的にやることが、社員の能力を伸ばすのではないでしょうか。
やってはいけないことを列挙する会社もありますが、
わが社では、私があまり口出しはしないようにしています。
会議では私の考え方は言いますが、「あーしろ」「こーしろ」という細かいことは言いません。
私の意を汲んで、自主的にやってもらうのが一番です。
最後の「フェア」は、公平です。仕事をやった人には給料を多く出すが、
やらない人には出さない。査定は難しいのですが。
ボーナスも決算ボーナスという形で、利益が出れば出すという形をとっています。
幸い、ずっと利益は出ていますが、利益が出なければ出さないということです。
資金繰りが頭から離れない
経営者になって、サラリーマンと一番違うと思うのは、
資金繰りが常に頭にあり、それがものすごく負担になるという点です。
損益は前の会社で取締役だった時にも、
当然把握していましたが、資金繰りはわかりません。
社員も背負うことになるわけだし、責任が全部のしかかってきます。
プレッシャーを感じましたが、やると決めたからには、やるしかありません。
最初は銀行がお金を貸してくれないので、同業の会社が助けてくれました。
前の会社の時の人脈だったのですが、それはありがたかったです。
創業3年目ぐらいから、利益がそこそこ出るようになると、
銀行が急に貸してくれるようになりました。
その会社にばかり頼っている訳にもいかないので、
最終的には銀行にシフトしていきました。
自社ブランドを開発
これから、会社を極端に大きくしようというつもりはありません。
着実に、しかしチャンスがあれば大きくしたいと思っています。
現在は中国で最大のジーンズ生地製造企業と提携し、
ジーンズのOEM生産を行っています。
次の段階として、自社ブランドの開発も考えています。
すでにあるブランドを買収するか、自前で育てるのか…
両方の可能性を探って、来春には少しずつ市場に出すつもりです。
ジーンズは、ユニクロの出現で、既存ブランドが力を失っています。
ユニクロと既存ブランドの中間価格帯を狙っていくつもりです。
また、この自社ブランドを中国へ輸出することも考えています。
提携先の中国企業は、元々、国営企業で、
中国国内に小売店を300店ぐらい出店する計画があるのです。
この企業と協力して、中国への進出を果たすつもりです。
さらに、ジーンズの本場であるアメリカへの進出も果たしたい。
ずっと考えてきたのですが、なかなか、そこまではたどりつけません。
私の代では無理かもしれませんが、そういう方向は目指しています。
苦境でも「必ず良くなる」と念じる
仕事で、中国や韓国の若い人と接する機会がありますが、
みんなパワフルで、活気があります。
もちろん、日本にも元気のある人はいますが、
中国の若者には、のし上がってやろうというメラメラとした気迫が見えます。
国の勢いの違いもありますが、日本の若者には、そういう気迫が見えないのが残念です。
せっかく、先輩達がここまで国を引っ張ってきてくれたのに、
このままでは日本は中国に負けてしまいます。
勝ち負けではないかもしれないが、若い人がもう少し、頑張らないといけない。
一緒に働く人も、元気がある人が良いですね。
面接すると、やる気があるかどうかは、すぐ分かります。
もとの能力に多少の差があっても、大差はありません。
スキルは入社してから、いくらでも磨くことができます。
やる気の方が大事です。
正直なのも大切ですよ。
就活をしている人は、今、苦しいかもしれませんが、
絶対にあきらめず、ねばり強くやってほしい。
我慢したら、いい時が来る。
逆に、調子に乗っていたら、ダメになる。
自分の人生を振り返っても、そうでした。
「必ず良くなる」と自分を洗脳するぐらいに念じて、
前向きにポジティブな考えを持ってほしいと思います。
かくいう私も、しょっちゅう苦しいことがあり、落ち込むけれども、
本を読んだりして、「これは」と思う言葉を大事に持っていて、
自分に暗示をかけています。そうした支えがあるからこそ、
苦しい時につぶれないで、耐えていけるのです。