代表 山本 洋平

ジャパンスタイルデザイン株式会社 代表 山本 洋平

代表 山本 洋平

ジャパンスタイルデザイン株式会社
設立 2009年11月2日
事業内容
  • エディトリアルデザイン
  • グラフィックデザイン
会社HP http://www.japanstyledesign.com/

ボールが描く軌跡に魅せられて

中学・高校とサッカー少年で、毎日夢中になっていました。
もちろん、プロ選手にも憧れてはいたのですが、
高校生の時に同世代に元日本代表の稲本選手がいて、彼の練習を見た時に
彼の糸を引くようなパス回しに、見ているこちらが惚れ惚れしてしまう。
正直「あぁ…敵わないな」と直感しました。

高校3年生になり、大学進学を意識し始めた時に何を学ぶか考えました。
実は父親がエアラインパイロットで、昔から流線型に興味を持っていたんです。
で、よく思い出してみたら、自分はボールが描く放物線の軌跡を見るのも好きで、
よく人のプレイを見ていました。ならば、流体力学・工学の分野で学んでみよう、
どうせならその分野で有名な教授がいる大学にしよう!と上智大学への進学を決めました。

研究職ではなくビジネスの世界に飛び込む

流体力学・工学の勉強は本当に面白くて、
これからの人生もこれを軸にしていきたいと当時は考えていました。
大学院まで進学したので、就職活動を始めたのは院生1年の時です。

当初は、研究職も候補にあったのですが、
ある女性との出会いから、ビジネス=働くことに興味を持つようになりました。
その方は、家庭教師をしている時に生徒の母親だったのですが、
外資系企業でバリバリ働く、まさに<ビジネスウーマン>。
自分の周囲に今までこうした方がいなかったのもありますが、話を聞いてるうちに、
ビジネスや働いている人は素直にカッコいい、まずは一度チャレンジしてみよう!
と、相談をしている時に「山本君は、コンサルティング業務に興味ない?」
そのアドバイスがきっかけで大手シンクタンクに就職となりました。

ひた向きに情熱を持てる仕事がしたい!

入社後は、先輩・上司・お客様にも恵まれて
大いに刺激を受ける環境、仕事も楽しく充実はしていました。
しかし、満たされない何かを常に感じていたんです。

「流体力学を勉強していた時や、サッカーに夢中だったときの情熱、
ひた向きに・・・そして前向きに続けていける対象だろうか?」

エキサイティングなビジネスも楽しかったのですが、
自分自身が6年間力を注いできた流体力学分野に戻ってみよう!
入社1年後に、大学時代から研究でお世話になっていた企業から
声を掛けていただき転職を決意しました。この会社には、
ジャパンスタイルデザイン株式会社設立の2009年まで5年間在籍しました。

主な業務は<流体のコンサルタント>
流体のコンサルとは、例えばマンション建設前段階での風向きをシュミレーションや
可視化していく技術で、特に、マンションの様に大型の構造物には必要不可欠なもの。
事前に予測し最善の提案を行います。また、熱の流れを学問的に
計算・疑似設計シュミレーション、顧客へのレクチャーまで行います。
中々表には出ない仕事ですが、前職と研究してきたことが上手くマッチングした形になりました。

会社設立のキーワードは「女性」

ジャパンスタイルデザイン株式会社を設立は、先ほどお話した
生徒の母親の働き方に衝撃を受けたことと、デザイナーである妻がきっかけでした。

実は、女性デザイナーの<仕事寿命>が短いことに常々違和感を感じてきました。
その頃、経営・マネジメント勉強のためMBAコースに通っていく中で、
その疑問はますます大きなものになっていきました。
妻やその知人達、年齢と共に結婚・出産を経験していく中で、仕事が減り、
意図的にではないにせよ「これではキャリアプランがついていかない」
スパイラルが繰り替えされていました。
しかし、少し穿った見方をすれば、旧態以前の人はそれで良しとしてきた陰で、
才能ある女性デザイナーの方がドロップアウトせざる得なかったとも言えます。

今、私に出来ることは何か?と考えましたが、私はデザイン未経験で何もできません。
ならば、働く女性デザイナーの受け皿になれる環境を創ろうと決心し、
書籍や雑誌のデザイン業務に特化した当社を立ち上げました。
設立した2009年、実は出版業界は大変な不況で、書籍デザインで起業するには
あまりにもタイミングが悪く、リスクが大きいと反対する声もありました。
しかし、一方で応援してくれる人たちが繋いでくれた「ご縁」に助けられてもきました。
人の縁を大切にすることを学べたことも、今ではありがたいことだと思っています。

学生の皆さんにも<人の縁>を大切にして欲しいです。
出会いはいつやって来るか?なんて実は誰にもわかりません。けれど、そこには
「学生だから」とか「社会人だから」と言った立場の違いは全く関係ありません。
こうした人の出会い、縁を大切に出来る人であってほしいですね。

スタッフの幸福度を上げるために必要なこととは?

書籍デザインで採用を実施している企業は本当に少なく、
当社の様に大学生インターンを受け入れているのは稀なケースです。
主な募集先は大学の就職課に、私が直接足を運んでいますが、
若い人の中にはweb書籍などのデザインをしたい人は多くいます。

妻も含めてですが、この業界は<デザイン>や<芸術系>学科出身でない人が
多く活躍していますから、ある意味本人のやる気と努力があれば、
誰でも挑戦できる業界とも言えます。
こうした人たちの受け皿にもなるべく、最初は早い段階で
スタッフを20名まで増員したいと考えていました。
しかし、規模拡大だけが個々の幸福度を上げることに繋がるのか?
もちろん、組織としてきちんと形を作るのは大切なことです。
しかし、大手企業で働いていた時にみた、組織化ゆえの弊害が、
個人の良さを消してしまうのではないか?

自分たちで作った会社だからこそ、フレキシブルな環境を用意し、
若いスタッフの気持ちを鑑みながら特性を発揮し活躍して欲しい。
まずはそこに重点を置いてみよう!という結論に至りました。
当然ですが、仕事ですからクライントの想いを無下にして、
独りよがりな仕事は許されません。ですが、若手が自分の色を出すと仕事が回らない
とは思ってもいませんし、個々のスペシャリティを引き出していきたいですね。