代表取締役 辻 有吾

株式会社PAL 代表取締役 辻 有吾

代表取締役 辻 有吾

株式会社PAL
設立 2000年12月
事業内容
  • 物流作業領域を基軸にしたロジスティクス・サービスの提供
  • 3PL/4PL事業
  • 物流作業代行事業
  • ECフルフィルメント事業 ITロジスティクス事業/li>
  • 物流派遣事業
会社HP http://www.pal-style.co.jp/

自分に合うか、合わないかで道は決めてきた

私が幼い頃、曾祖父が事業家であったという武勇伝を、
親族で集まった際聞かされていたことがあり、その頃からおぼろげではありますが
「商売人」という生き方もあるんだ、自分もできるんじゃないか、と思いました。
ただ、ハッキリと「経営者になろう」と思ったのは高校生の頃です。

当時も(今もですが)私は根っからのの自由人であったため、父親や先生から
「団体生活ができないお前はサラリーマン社会には向かない」と同時に言われました。
ならば、やっぱり経営者になるしかないじゃないか、
そう思い、10年後の28歳頃までにその想いを実現しようと決意しました。

10年後に設定したのにも自分なりの理由がありました。
一つは3倍の法則から。
これは1日さぼったら、それを取り返すのに3日掛かるという法則です。
この法則から私は遊んだ高校生活の3年を取り戻すには10年くらいは
掛かると設定しました。
さらに、もう一つは父親からの言葉がきっかけです。
それは「人間、10年思い続けてできない事はない!あるとすれば、
天皇陛下になることぐらいや」という言葉から10年でやってやろうと思ったのです。

このように10年後、経営者を目指すことを決意した私にとって、
大学進学はどうしても価値を見いだすことができませんでした。
そこで、大学には進学せず、アルバイト生活を始めました。
しかし、土方のアルバイトをしつつも、このままじゃ経営者になるのは
難しいと思い始めていた時に、
兄に「大学受験もしたことない奴に、大学は無意味やと言われるのは
学生の俺にとっては心外だ」と言われました。
確かに兄の言うとおり、大学生活を知らない奴に、大学を語る資格はないと思った私は
「自分にとって大学生活が本当に無意味なものか」を確かめるために大学受験を決意。
それから、日中は働き、夜は夜間の短大で勉強する生活が始まりました。

大学進学を果たした私は大学生活、大学での勉強を経験します。
そして、出た結論は、大学の勉強はやはり私には合わず、役に立たないという事でした。
「やっぱり俺には意味がなかった」と兄に答え、短大卒業後、編入の道もありましたが、
就職することに決めました。

キッチリと「石の上にも3年」

就職の時に意識していた事は二つです。
一つは最短期間でいろんな事を覚えられる環境、更には、年齢で関係なく、
仕事をさせてくれる環境という事でした。
これには、起業する意識からということもありますが、大学時代に
お世話になっていた社長から「若さに甘んじて仕事をするな」という過去の
訓えをいただいた事が理由でした。
ただ、実際、どの企業がそれに当てはまるか、分かりませんでしたので、
成果主義のベンチャー企業であった通信機器の営業に就職しました。

実際に成果主義の文化は非常に厳しく、同期も次々に辞めていくような環境でしたが、
在職中は、「石の上にも3年」という言葉をどんな時も自分に言い聞かせて耐えていました。
収入や職位は、1年過ぎに目標達成していましたが、「3年経てば何かが見えてくる」
という父の言葉を信じ、3年経てば絶対に辞めるつもりで続けました。
その後、役員のポストを用意されましたが、「目標は十分達成できたので失礼します」
ときっぱり断り、予定通り3年間で辞めました。

目の前の現実を素直に受けたほうがいい

私の起業には「師匠」と仰ぐ方との出会いが大きく関わっています。
退職後、知人の紹介でその方とお会いし、さまざまな事を聞かれました。
「何がやりたいんだ」「おまえの価値観は何だと」。
そうして、再度、呼び出されたときに、3000万を僕にいきなり貸してくれたのです。
さらに、その方から紹介を受けた方が物流業界の社長でありましたので、
その業界に特化したビジネスを創ろうと物流業界に特化した
人材派遣のビジネスを創りました。

実際、物流業界で働き、物流の現場にビジネスチャンスがあり、
これは提案の余地があると感じました。
私は日頃より業界を特化すべきと考えていましたので、
偶然ではあったものの、物流業界に絞り込み、正解であったな、と感じました。
これに関しては、本当に巡り合わせが良かったと思いました。
さらに、私自身、本当に物流業界が合ってたんです。現場好きで、力仕事も惜しまず、
臨機応変に動くと働き方に加え、ストレートにものを言い、
時には冗談を交えて真面目な話をする自分を、営業先のセンター長や
物流担当部長、役員にかわいがってもらえたのです。
そのおかげ様で、おのずとビジネスドメインが確立されましたし、
自分にもに向いていた。
気がついたら既に11年経っていますからね。

このように巡り合わせに恵まれた私ですが、ひとつ意識している事がありました。
それは目の前の現実を素直に受け入れることです。
現実に対し、「どうしよう」なんて考えても仕方ないと思いませんか?
まずは現実を受け入れてから、行動したのちに判断してもいいと思います。
私はそうやってここまでやってきました。

三つの転機

この11年間、転機は3度ありました。まず、派遣法の改正とともに、
事業モデルを人材派遣業から、オペレーションを一括で請け負う
物流サービス業へと拡大した事です。
これにより、オペレーションを一括で請け負うノウハウ企業に
大きく変貌することへ繋がりました。

次に、作業だけを請け負っていた事業から物流の全体構造を担う
ロジスティック事業に参入しました。
それまでは物流センターの中だけで完結していた仕事でしたが、
物流センターにITを投下し、物流センター外のシステム管理を当社が持ち、
搬入から管理、搬出までシステム化しきました。
この展開によって、オペレーションという労働の管理、監督とITによる
データマネジメントは自分たちの物流という領域に必須だと気づいたのです。
ただこれによって、まだまだ自分達は下請け企業でしかないとも気づかされました。

そして、それを脱却するための転機が今です。
二つ目の転機であるITの導入が関連会社のシステム会社と
うまくシナジーを生んできています。
それを今度はパッケージ化して自らサービスを提供する立場に
変わっていきたいと思っています。

日本一のオペレーションカンパニーになるために

一つ目は、社員のOJTを確立させること。
「生産性を科学する」というOJTを確立し、ブラッシュアップさせるべきと思っています。
在職3年以上の社員は、勉強の時間を会社から出資します。
そして専門的資格を取得させていきます。

二つ目は、運用上のルールを徹底的に定めること。
現場運用の為、共通のデータ管理が必要と考えています。

三つ目は、プッシュ型の営業ではなく、プル型の営業に切り替えていくために
WEBに力を入れること。
これらを柱に進んでいきます。

能力の開発は反復のくりかえし

成長する人は、課題をクリアするまで反復練習する人だと思います。
人と毎日会う、見る・聞く・話す。これも反復のひとつです。

唯一、新卒者に勧めていることは新聞を読むこと。
TV欄を見るだけでもアフターファイブが変わってきます。
そのうち、社会情勢や経済のひとつひとつが、関連付けられて見えてくる。
証券・金融欄の紙面の多さに気づき、自然と興味が湧いてくる。
1年に1個だけでもいいです。
自分に反復してやることを掲げていってください。

10年経って思うこと。

私も様々な不況に遭っていますが、その時に攻めた企業こそ生き残っています。
学生も攻めて、企業を選択すべきです。
私たちも、もっともっと魅力ある企業となり、求心力を高めていきたいですね。