代表取締役社長 遠藤 幹江

有限会社コスモスヘルパーステーション 代表取締役社長 遠藤 幹江

代表取締役社長 遠藤 幹江

有限会社コスモスヘルパーステーション
設立 2000年4月7日
事業内容
  • 居宅介護支援事業所
  • 訪問介護事業所
  • 認知症対応型共同生活介護事業
会社HP http://cosmos-hs.com/

ハンディキャップを持っている人の助けになりたい

実は私、子供の頃に上海から引き揚げてきたんです。
それもいわゆる引揚船ではなく、ポンポン船で。
当時は幼かったので、あまりの事に言葉をなくしましたね。

私は幼少期を中国で過ごしたため、日本語が上手に話せませんでした。
そのせいで周りから知恵遅れの子だといじめられたんです。
ただでさえつらい目にあっているのに、本当に悲しいし、悔しかった。
その時、上手く話せない人や障害を持っている人は
こんなにつらい思いをするんだということを考えたんです。
ならば自分は彼らを支え、助ける仕事をするんだと決意しました。

目標の為の回り道

高校を卒業してすぐ、18歳で証券会社に入社しました。
理由はお金を貯めるためです。
10年で辞めて必ず起業するんだと堅く決めていましたから。
それから戦いの日々が始まりました。もう死に物狂いで働きました。
出社は朝6時です。当然誰より早かったですね。
もちろん仕事の為というのもありましたがもう一つ理由がありました。
それはみんなが出社する前に、12紙置いてあった新聞全てに目を通すため。
社会勉強の一環です。
ですが、それだけにはとどまりませんでした。
仕事をきっちりこなした後は、セミナーや講演会に通い詰めました。
金曜の夜になると飛行機に乗りこみ広島へ。
そこで1軒1軒、介護施設を回り勉強させていただいたんです。
介護施設の仕事のすべてを知りたかったので
朝8時に現場入りし、朝から次の日の朝まで24時間の仕事を学びました。
日曜の夜中の飛行機で東京に戻り、定時の8時にはきっちり出社。
本当にハードでしたけれど、どちらも一切手を抜きませんでした。

そんな自分を周囲は応援してくれました。
「目標の為にがんばれよ」と暖かい言葉をかけていただきました。
株主の方から「夢の為だから」と飛行機のチケットを
ポンと出していただいたこともあります。ありがたくて涙が出ましたね。
そうして10年はあっという間に過ぎ去っていきました。

分からない事は分かる人に聞く

会社は元より決めていた10年でスッパリ退職しました。
まずは行政の元でで修行を積みました。
当時は介護福祉は行政の仕事で、民間が出来るものではなかったからです。
その後、10年かけて必死で貯めた資金を元に起業しました。
名前にコスモスとつけたのは群生してぱっと花が咲くから。
人々が寄り添い花を咲かせようという願いを込めて付けた名前です。

起業当時は勉強してきたとはいえ、分からない事が沢山ありました。
そんな時には行政に直接聞きに行きました。
分からない事は素直に聞く。これが一番正確で早いですから。
一方、自身の更なる知識習得のため
仕事が終わってから毎日介護や福祉の本を1冊読んでいました。
でも一番介護の事を学べるのは現場でした。
机上の空論ではなく、体当たりして身をもって学んでいく。
これが一番身になりましたね。
そうして何とかやってきたところに大きな壁が立ちはだかりました。

それは「介護保険」。世界で類を見ない日本だけの制度です。
前例はありません。こんな介護を、と望んでいる人がいるのに
やってはいけない、というルール。ピンチだと思っいました。
そこでやったのは、やはり「分からない事は人に聞く」ということ。
すぐさま福祉大国のスウェーデンに飛びました。
介護施設を一軒一軒回り、これはどういうこと?どうすればいいの?と
聞いて回ったんです。

そこで出した結論は教えてもらったことを活かし、
自分なりに出来ることを精一杯やるということ。
歯痒さや憤りはありましたが、知恵を絞り、身を粉にし、
自分が出来ることに全力を尽くすことが
自分に出来ることだと自分に言い聞かせたんです。
それからは自分たちの手が届く人たちにより一層力を入れて
向き合うようになりました。

地域の人の為に

地域密着型、というのがキーワードですね。
介護を必要としている方々一人一人に向き合うと共に
地域の雇用を生むのがわが社のスタイル。
大きな組織で沢山のヘルパーを抱えているような他の組織にはない
独自のビジネスモデルですね。
成功している理由の一つは要介護者だけでなく、社員にも寄り添うこと。
彼らの生きがいを作ってあげることです。
例えばちょっといい自転車に乗せてあげる。それで颯爽と現場に向かう。
そんなことくらいしか私には出来ないですけれど
小さなことでも実行し、少しでも社員たちに気持ち良く現場に向かって貰う。
そういうことの積み重ねが大事なのだと思います。

給与面でも正直なところ普通の企業のような昇給スタイルは取れません。
だから自分のポケットマネーから社長賞を出します。
自分にとって決して安い金額ではないけれど
5万や10万で社員が気持ちよく、更にやる気を持って
仕事に臨んでもらえれば本望です。

でも一番の秘訣は社員に恵まれたことですね。
こんな自分についてきてくれたことが本当に嬉しい。
社員が生きがいを持って働いてくれることは
私にとって至福の喜びなんです。

必ず成功する起業者を育てる

将来はどんどん独立して起業する人を増やしていきたいですね。
そのためには労力を惜しみません。手も口も、時には足も出して(笑)
じっくりと育てていきます。

彼らに言っているのは2つ。
一つは300人の人と向きいなさい、ということです。
これだけの人と向き合えば一通りの経験は積め、
新しい問題に直面した時にも対応できるだけの力が付くからです。
もうひとつはメモを取りなさい、ということ。
一人一人とどうやって向き合ってきたか、記録に残すことで
その人との向き合い方が分かってきます。
それでも分からないときは戻ってきたときに質問してもらっています。
そうすると他の社員からどんどん対応策が挙がってくる。
あっという間にミーティング状態になるんです。
そんな助け合いの組織体制がありますから人が成長する環境は整っています。

起業するまでにかかる時間は5年と考えています。
経験を積んだ上で介護福祉士の資格を取るのがまずマスト。
できればケアマネージャーの資格まで取ってもらいます。
そうすることで一連の流れが分かるようになりますから。
そして、独立するときは弊社のシステム・ノウハウを
そっくりそのままあげてしまいます。
場合によっては以前使っていた拠点まであげてしまったり。
果ては伝票にいたるまで。社名だけ書き換えて使っちゃいなさい、と(笑)

本当の実力が身についているので、倒産した会社は一社もありません。
そんな会社ですから今後も独立する人をどんどん増やしていきたいですね。

七転び八起きの精神で

大学は4年間もあります。
勉強する時間が山ほどあるということです。
その時間を使い、沢山の事を勉強してほしいですね。
それと介護の仕事に就きたい人に一番必要なのは
泥臭いかもしれないけど根性。踏まれても倒れても起き上がる強さ。
体力的にも相当厳しいし、心が折れそうな時もあります。
それでも立ち上がり進んでいく力が必要ですね。