代表取締役 野下 健司

設立 1966年8月
事業内容
  • 食品(主におつまみ・珍味)の企画・製造・販売
    我々久慈食品は、他ではやっていない久慈食品の
    オリジナル商品を作るべく、素材選びから販売
    チャンネルの選定に加え、パッケージデザインや
    ネーミングなど、ゼロから商品を作り上げる事にも力を入れています。特に 若い人たちの感性やセンスをできるだけ取り入れ、世の中に面白くておいしい商品を送り出す事を目指す・・・そんな会社です。
会社HP http://www.kujifood.co.jp/index.html

夢はミュージシャン、家業を継ぐなんて意識なしの青春時代

高校時代は、それなりに勉強していましたが、ほとんど遊んでいました。
2年生になると、音楽活動=バンドに夢中になり「将来はプロのミュージシャン」
を目指して、作曲をしたりライブで演奏したりと大変充実した時代を送っていました。

元々、進学を意識していなかった訳ではないのですが、
<バンドでプロになる>という目標ができたので、
卒業後は進学も就職もせずに、その道に邁進していました。

ところが、当社の創業者である父親にしてみれば、私は二代目で跡継ぎです。
いずれは…と考えればこそ、まず働き、経験を積んで欲しいと考えていたので、
「進学しないなら働け!」と言われたこともありました。
私自身が高校卒業したての若造で、親への反発心もあり、
バンド活動の合間に仕事を手伝いもしませんでした。
当然「自分が会社を継ぎたい」なんて意識もありません。

「納得がいくまで、もう少し待ってくれ」と高校卒業後3年程言い続けたのですが、
自分が想定しているほどのレベルには達していないと気付き、
親を待たせていたこともあり、21歳で当社への入社を決めました。

~会社の将来を考える~意識した瞬間

21歳で入社してから、苦労と言えば「全部」と言えるほどです。
営業職での仕事そのものには、何ら苦労はなかったのですが、
3年目にもなれば、立場も変わり、発言力も増してきます。
「いずれは自分が会社を切り盛り」することを意識し始めます。

当時、バブルが崩壊し、当社もその影響を大きく受けました。
我々の食品業界(おつまみ・珍味)は、即座に景気に連動せず、
例えるなら“第二波”の様な形で影響を受け始めます。
入社当初から、30歳までの約10年間は、とにかく必死にあがく日々でした。

ルート営業をしながらの新規開拓に加え、
商品の仕入原価を下げる交渉など、色々な努力をしても、
冗談抜きで「会社をたたむか」というくらい切迫したこともありました。

私の立場では、営業で入社はしましたが、
営業だけに注力すればいい、という訳にはいかず、
工場の生産コスト、物流の見直しなど、如何にコストを下げて利益を出すのか?を
同時並行で考えなくてはいけないという事もあり、
結果として、会社の経理も見ることになり、
ひいては社内の全部門を見ていく切っ掛けになったのです。

『社長』という肩書の重さ


正式に社長に就任したのは2007年ですが、就任直後に改めて実感したのは
『社長』という肩書きの重さです。同じ仕事であっても立場の変化、
つまり会社に関わる全て部門、全ての人員のマネジメントを
行うという事の責任の重さが増しました。

もしかしたら、部下に頼まず、自分がやった方がいいケースもありますが、
会社組織というのはそれでは成長していきません。
適材適所を見極めて、たとえ時間がかかっても、非効率であっても、
たとえ失敗したとしても人材を育てなくてはいけない
というのが社長業であり、マネジメントの本質であると考えています。

そして、何かあった時には全ての責任を負う事と同時に、
働いてくれている従業員、そしてその家族を守る事が、
会社のトップつまり社長の責任であると私は考えます。

久慈食品にしかない「オリジナル商品」を開発中!

創業以来、当社は食品の問屋業であり、
珍味・おつまみの総合商社であると自負しています。

取り扱いアイテムは、魚介乾燥品に加え、
ドライフルーツからナッツなど幅広い取り扱いにより、
全国の小売店の売り場を通じて、お客様に商品を提供させて頂いております。
問屋業なので、独自性は見出し難いかも知れませんが、
現在久慈食品にしかないオリジナルの商品開発を推し進めているのと同時に、
日本全国のお客様への安定的な営業活動、
そして、細かなフォローをするべくあらゆる展開を模索しております。
又、”珍味-CHINMI-”とは、日本人がその技術とセンスで作り上げた、世界に誇れる食文化です。
昨今の我が社ではその良さを世界中の人々に感じてもらうような取り組みもしております。
また、新卒採用も3年前から毎年継続的に実施しています。

今までは、会社の規模に合わせて人員を増やす、
人が辞めたら中途で募集をかけるといったスタイル、
つまり、計画的な事業展開を視野に入れた採用ではなかったんです。
しかし、人員計画をきちんと設定すれば「事業展開をどうしていくのか?」
その方向付けこそが大事だという発想に切り替わったんです。
お陰様で県内の説明会では毎年、
多くの学生の皆さんが当社の説明会に足を運んでくれますね。

求めるのは<ものを考えられる>賢さ

私が学生の皆さんに求めるのは、シンプルかつ明確です。
まず、石につまづいたり、壁にぶち当たっても立ち上がる人。
そして、物事をきちんと考えられる賢さと、
前向きに頑張れるガッツを持っている人です。

大手であれば、学歴+能力がセットになっている学生を求めるはずですが、
中小企業の採用には<学歴>は必ずしも必須ではありません。
物事をきちんと考えられる能力があり、素直な性格であれば、
ぜひ一緒に働きたいと思うのが本音です。

私は、最終面接で、どんなタイプなのかを知るために
「あなたの友達の中であなたはどんなタイプか」を必ず聞きます。
これはリーダー的な要素があればOKだという事ではなく、
採用するポジションと立場で求められる人材を
見極める一種のヒントのようなものです。
例えば、部門の責任者になってもらいたい人を採用しようとしているのに、
人について行くタイプの人を選考しても当てはまりませんし、
逆にリーダーの補佐という立場
の人を採用したいのに、我が強く人を引っ張るタイプの人を
選考してもいけないという意味です。
又、その人の飾らない本質的な部分を知りたいので、
我が社の最終面接では「私服で面接」と学生の皆さんにお願いしております。
これは、その人の着飾らない普段の生活を
できるだけ判断したい、という意味です。

真理を曲げて、世間や権力者におもねるな!

私が学生の皆さんと面接をしていて感じる事は「目的をはき違えている」と
感じる人がいるということです。
<曲学阿世>つまり、真理をまげて、
世間や権力者の気に入るような言動をすることで、
面接のための面接=マニュアル通りの答えしか返してこないという事です。
ベンチャー企業で働きたい!という想いがあるなら、マニュアルは必要ありません。

私だけでなく、企業で採用に関わる人たちは、ある意味<人を見極める>プロです。
「〇〇と言われたら、△△」という作った感=本来の自分の考えではなく、
単純に正しい事を言おうと取りつくろっているのだな、と直感が働くんです。
作られた自分ではなく、目の輝きと素直さ、そして個性をしっかりと見せてくれた方が、
何倍も自身をアピールできるはずです。