代表取締役 上杉 顕一郎

株式会社モーション 代表取締役 上杉 顕一郎

代表取締役 上杉 顕一郎

株式会社モーション
設立 平成11年4月
事業内容
  • ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)事業
  • システム開発事業
会社HP http://www.motion.co.jp

経営への興味

22歳の時に就職をしました。
当時はバブルの時期で、若い人材を多くの企業が探しておりました。
自身にとっても、コンピューターが伸びる市場だと思っていたため、それがマッチし、就職します。
入社後は精一杯仕事をしていました。ただ、それと同時になんとなく将来が読めたと感じ、
自分自身が飛躍的に伸びる可能性が低いと思ったので、
なんとなく、自分で起業する道も意識し始めました。

しばらくして、次世代ゲーム機が社会にリリースされます。
それまで業務系と言われる裏側のシステムを開発していたのですが、
その次世代ゲーム機の3D等の最先端の世界に魅かれ、ゲーム会社に転職をしました。

同じプログラミングでも、考え方や取り組み方、環境が異なるため、
いままでの経験が全く通用せずに、壁にぶち当たりました。
それから数ヶ月は、月に4~5回しか家には帰れない生活で、
学生時代の4倍~5倍は勉強をしました。
しかし、この努力が報われ、2年後には、ディレクターに任命されました。

しかし、27歳の時に不運にも、会社が倒産してしまい、就職しようとも考えましたが、
今までの経験からどの会社でも通用する自信もあったため、
この1年後の28歳には会社を設立しました。

10年目を迎えて新たに感じたこと

株式会社モーションを設立した頃は、日本でのインターネットが成長し出した時期でした。
当時は、業界全体が浮かれ、地に足の着かない状態。
「オイシイ話がありますよ」というような話は本当に多かったです。
そういう中でも、しっかりとした事業プランを持ち、事業計画に沿って経営の軸を決めてました。
暫くして<ITバブルの崩壊>が起きましたが、軸足をブラすことなくやってきたからこそ、
当社がやってこれたのだと思っています。 

ところが、経験をすることで「何をすれば成功するか?」よりも「何をやればダメなのか?」の方が先にたち、
失敗のリスクは少なくなりますが、逆に新しい発想はや、リスクを度外視して挑戦する事が出来なくなりました。
これではイカン!と10年目を迎えた時、
今後10年をどう過ごすのか?を改めて考え直すきっかけになりました。                      

社会に必要とされる独自性こそが大切

そのきっかけは自分の中で、弊社にとって持続可能な企業とは何か、
社会に必要とされる独自性とは何かを考えたところ、
それをITで実現するためのキーワードのひとつは<環境>で、
もうひとつは<データマイニング> という答えでした。
また私自身は、「〇〇の開発言語に特化する」のがあまり好きではありません。
IT技術はある意味<生もの>ですから、時代の流れと共にあっさりと陳腐化していきます。

例えば、最新の開発技術も、3年後には当たり前のもの、つまり陳腐化してしまうんです。
だとすれば、株式会社モーションにとって、3年~5年で陳腐化しないものは<何か?>
を模索し始めると、経営も短期的なものではなく、
長期的に継続していくためには?<何が必要なのか?>を考え始めたんです。
結果として結び付いたのが<ITと環境>です。
社会に必要とされる独自性を求めなければ、持続可能な社会とは何か?と叫ばれている世の中で、
企業は生き残っていけないと感じています。

コミュニケーション能力とは「とっさの一言」が出るか否か

職種・業界関係なく求められているのは「コミュニケーション能力」なのは、皆さんもご存じのはずです。
特にIT業界で働くならば絶対に必要な<スキル>の一つだと考えています。
コツコツと集中して仕事をこなすことが大事なんじゃないの?
と思う人もいるかも知れませんが、では逆に考えてみてください。
働きやすい環境・高性能な機材を揃え、
「はいじゃあ今から集中して仕事をしてください」と言われたとしても、仕事量の効率がどれ程あがるのか?
私の経験からいくと、精々1.2倍程度です。これは仕方ありません。
しかし、コミュニケーション能力が抜け落ちた状態が引き起すのは<大失敗>以外の何物でもありません。
そこに欠けていたのは、時間がないことを理由にして確認を怠ったために、業務全体に影響が出てしまいます。
たった一言「これで大丈夫ですか?」「ここはこうしませんか?」と声を掛けていれば、
<大失敗>は防げるんです。コミュニケーション能力とは「とっさの一言」が出るか否かだと思います。       

ライフプラン(≠キャリアプラン)を持つ人は強い

就職活動中のみなさんには、震災や景気の状況など本当に難しい時期を生きていると思います。
でもだからこそ、自分自身で長い人生のライフプランを立てることが大切です。
ただ、ひとつ注意しなくてはいけないのは、ライフプラン≠キャリアプランではないということ。
ライフプランもあまり難しく考える必要はありません。 
例えば、楽器をもっと上手に弾けるようになりたい、2年に1回は世界遺産を訪ねる旅をしたい、
スポーツジム・陶芸・ボランティアでもなんでもいいんです。 
仕事以外に何ひとつでも持っている人は本当に強いです。
それに絡んで様々な年齢・職業の人と付き合うことは、自身のフィールドや視野、人脈を広げてくれます。
フィールドの狭い人は、考え方が固執しているし、同じタイプの人としか付き合わない。
そうなると、仕事での発想やアプローチ方法も凝り固まってしまうんです。

もし、今就職活動に行き詰っているとしたら、
近視眼的な目線で「就職こそがゴール」と考えている自分がいないか、
一歩引いて自分を見つめ直してはどうでしょうか?
ひとつの世界しか知らないと、それがダメになったら生きていけない。 
確かに、税金・保険・年金が高く理不尽な世の中ですが、文句を垂れてるだけではダメです。
自分たちが社会を、お年寄りを支えていくんだ!
そんな気構えを持てば、自ずと自分を取り巻く何かが変化していくと思います。