代表取締役社長 保手濱 彰人

ホットティー株式会社 代表取締役社長 保手濱 彰人

代表取締役社長 保手濱 彰人

ホットティー株式会社
設立 2005年12月5日
事業内容
  • ネットソリューション事業
  • メディアサービス事業
  • ソーシャルアプリ開発事業
  • 学生マーケティング事業
  • 教育ソリューション事業
会社HP http://hottea.jp/

世界で最も凄いと言われるようになりたい

物心がついた時から、「世界で最も凄いと言われるようになりたい」というビジョンがありました。
それで、テニスを始めたんです。
でも、スポーツは始めた時期が遅いと不利だったり、体格やセンスの問題があったりして、
どうもしっくりこなかった。
ただ当時は視野が狭いですし情報もないですから、
「これは違うな」と思いながら結局大学までテニスを続けました。

そんな時、たまたま起業に関する本を読んだんです。
自分の中で電撃が走りましたね。
「これだ!これなら世界一になれる!」と直感的に思いました。

それが2005年の4月で、大学3年生の時。
それで、まあたまたま東京大学という優秀な人材が集まる場所にいたものですから、
一人でやるよりは―と起業サークルTNKというものを立ち上げたんです。

活動していく中で一つの転機となったのが、コンテストで優勝したこと。
ドリームゲートという起業家を支援している団体が学生向けに開催しているコンテストで、
勝ち上がった学生は起業家のカバン持ちが出来るというものだったんですけど、
それで優勝して、ホリエモン(ライブドア元社長堀江貴文氏)のカバン持ちをさせて頂きました。
それがいろいろテレビで取り上げられまして、僕自身もサークルも結構有名になったんです。
その勢いで、2005年の12月に会社を設立しました。

勉強になった下積み期間

ただ、そのまま成功出来るほど世間は甘くありませんでした。
そもそも、何をしていいのかが分からなかったんです、仕事経験がないものですから。
そんな状況で半年がたった頃、サークルの主要メンバーだった4人が一斉に辞めてしまいました。
志を共にした創業メンバーがいなくなってしまい、とても辛かったですね。

でも、そんな中で、現在の副社長だけが残ってくれました。
そこで、改めて今自分達が出来ることをやろうということで、塾を立ち上げたんです。
これが2006年の8月で、この時が事実上の創業ですね。
チラシ配りから始めたんですけど、ブランドも実績もない状況じゃなかなか生徒が集まらない。
それでも来てくれた生徒にはものすごい熱意を持って授業して、口コミで少しずつ生徒を増やしました。

この時期に関して思うことは、いい意味で挫折が出来たなということです。
本質がいかに大事かということや、そもそも仕事とはこういうものだということをこの時期に学びました。
そしてそれが今の堅実な自分に結びついているなという気がします。

世界で最もたくさんの人を幸せにする仕組みつくりに向けて

塾を立ち上げて2年ほどしたら、安定してきました。
業績も着実に伸びていて、僕がタッチする必要もなくなってきたので、
塾は副社長に任せて、僕は元々の目標である「世界で一番凄いと言われること」、
具体的には「世界で最もたくさんの人を幸せにする仕組みをつくって凄いと言われること」に向けて、
IT系のビジネスを始めました。

当時は技術も経験もありませんでしたが、やるって決めたんだからやろうということで、
まずホームページ制作の仕事を頂いてしまったんです。
他に人がいるわけでもなし、僕がやるしかないので、本を買って来て一から
HTMLやスタイルシートを覚えて作りました。それで何とか納品出来たんです。
そんな仕事を幾つか重ねて、ホームページはだいたい分かったから次はプログラミングだということで、
またとりあえず仕事を受注。
本を買って来て一から覚えて、必死で書いて何とか動くものを納品して、ということを繰り返しました。

そして1年半ほど前に、技術も溜まったし人も増えたので、もっと戦略的にいこう、
中長期に伸びる市場かつ勝てるところで勝負しようとなって、スマートフォンを選んだんです。
今は、その中でも特に伸びる市場ということで、3Dのソーシャルゲームに軸を置いています。

スマートフォンの可能性

そもそもどうしてスマートフォンを選んだのかというと、最終的にものすごく巨大な市場になるからです。
日本の携帯電話、いわゆるガラケーという巨大市場からは、
ドワンゴやインデックスといった1000億円企業が誕生しました。
今後それと同じようなことが世界規模で起きるのは、間違いなくスマートフォンだろうと思います。
2015年には11億台が普及すると予想されていて、ガラケーの1億台と比べれば11倍の市場規模、
そんなにすごいスピードで膨れ上がる巨大市場はほとんどありません。

しかも、Androidは基本的にはオープンソースなので、
発展途上国ではAndroidのOSを使った安価な端末が出回っている。
つまり、これからボリュームゾーンになってくる発展途上国も相手にビジネスが出来るわけです。
これはもう絶好のチャンスなんです。

当社は、1年半前というかなりいいタイミングで参入出来ました。
iPhoneは普及し始めていたけど、企業が資本投下して参入するほどではないという、
早すぎず遅すぎず、適切なタイミングです。

今では相当いろんな企業がスマートフォンに参入してきていますけどね。
当社の人材や事業内容、技術を照らし合わせて考えると、これは絶対いけると考えています。

3Dのソーシャルゲーム

スマートフォンはすごい、でもじゃあ具体的にスマートフォンの何をやるのかというと、
やっぱりまず娯楽系だと思うんです。
家みたいな重要性は高いけど単価も高いものって、お客様が成約するまで時間がかかっちゃうじゃないですか。
でもゲームみたいな感性に訴えかけるものって、「これ楽しいからやってみなよ」というかんじで広がっていきやすい。
伸びが速いんですね。
なので、まずはそこから入っていくということを選択肢として選びました。

その中でも、他社との差別化のために注目したのが3Dです。
日本ではスマートフォンで3Dの技術力を持っている会社はほとんどありませんが、
海外ではUnityというゲームエンジンがスマートフォン会社にかなり普及してるんですよ。
オープンソースに近いもので、すごく気軽かつ手軽に出来ます。
日本の企業ではまだ全然使われていないんですけどね、
こういったものを使ってポンと面白いものを出せるのは、当社みたいな若くて学習意欲の高い会社だからこそ。

PC向けのソーシャルゲームからの移植だと、大企業にやはり一日の長があります。
でも、その点スマートフォン向けの3Dのソーシャルゲームはまだまだ未開拓なので、しばらくはそこを攻めて行きます。

今後の展望、夢に向かって

ただ、中期的にはこれで良くても、長期的には難しいんです。
かつてファミコンやプレステが出た後に登場したスクウェアやエニックスといった
サードパーティの大手ゲームメーカーが、どういう末路を辿ったか。
ドラゴンクエストやファイナルファンタジーというものすごいキラーコンテンツを持っていても、
結局は合併せざるを得なかったんです。
勝ち残っているのは、任天堂やコナミといったプラットフォーマー。
だから、やっぱりプラットフォーマーにならないと駄目だということ。

それと、「世界で最もたくさんの人を幸せにする仕組みを作る」というのが僕の一番の目標。
そのためには生活のインフラを作らないといけないと思っています。
最終的には映画『マトリックス』の仮想現実みたいな世界を作りたいんです。
もちろん映画みたいな恐い仮想現実じゃなくて、人種とか関係なく、皆がより幸福になるような仮想現実です。
そこでは、バーチャルなんですけど、触ったり食べたり、リアルと同じようなことが出来ます。
リアルと並ぶ世界ですね。
さらに、念じるだけで空を飛べるというような、リアルを超えることも出来ます。
これが最終的な目標ですね。
そこに至るにはめちゃくちゃ資本も技術もいると思うんですけど、
3Dの技術はきっとそこに繋がっていきます。

こんな組織を作っていきたい

一言で言えば、漫画の『ONE PIECE』です。
世の中には営業系の会社、メーカー系の会社、いろいろあると思うんですけど、当社はメーカー系です。
で、そういうメーカー系の会社には、やっぱり『ONE PIECE』みたいなのが最適な組織なんです。

つまりは、チームプレーなんですよね。
皆それぞれ個性や強みがあって、それを持ち寄って議論したりしながら、
理念や価値観を共有して、団結して一つの目標に向かって頑張る。
部活っぽいですけど、こういう組織の方が当社には都合がいいと思っています。
人を増やそうと思って中途採用を積極的にしていた時期もあったんですけど、
一緒に部活みたいにやってくれる人でないと雰囲気も悪くなるし、結局効率が悪かった。
それなら、やっぱりインターンから入ってもらって、方向性が一致しているとか、
楽しいとか思ってくれた人と一緒にやる方が良いですね。

今はもう本当に人数を絞って少数精鋭でやってます。
社員じゃなくて、仲間という感じです。

学生へのメッセージ

学生の方に伝えたいのは、まずはアグレッシブさを大事にしてほしいということ。
経験や技術がなくても、熱さと若さと勢いがあれば結構いけちゃうもんなんです。
だから差別化だとかいろいろ頭で考えるよりは、まずアグレッシブにやってください。

あとはブランドより本質を見極めてほしいということ。
ブランドだけあっても、それは沈みいく船ということも多いです。
歴史を顧みれば、今人気のある超大企業も、昔はベンチャーだったわけですよ。
そういったことを照らし合わせて考えて、どこに入るべきか決めてほしいと思います。
日本、もしくは世界の新市場の経済を担っていくところはどこか、ちゃんと見極めて、入ってください。
企業社員になるなら、そうあってほしいと思います。