代表取締役 坂本 史郎

株式会社いいじゃんネット 代表取締役 坂本 史郎

代表取締役 坂本 史郎

株式会社いいじゃんネット
設立 2000年3月6日
事業内容
  • リモートアクセスサービスの企画/開発/販売をしています。
  • スマートフォンや携帯電話から社内の情報を利用する製品です。
  • docomo、au、SoftBankの3キャリアでの推奨製品になっています。
  • お客様は大手企業300社以上、しっかりとした社会感覚が身に付きます。
会社HP http://www.e-jan.co.jp/

大手企業ベンチャー推進制度を利用して起業

大学時代の私は、起業をほとんど考えていなかったと思います。
ただ、新しいことが好きで、?どこかで起業するだろうな?という想いを抱いているような学生でした。
大手総合化学企業に勤めMBAにまで留学させてもらった私は、
30代半ばにベンチャー推進制度が会社に作られることを聞きました。
これは通常の社内ベンチャー制度とは違い、
自分が出資し、すぐに経営者として退社・独立するというものです。
その会社からは必要に応じて出資や融資の援助が受けらます。
厳しい条件ですが、自分のビジネスを創出する実力を知りたかった私には、
ちょうど良いタイミングだと感じ、その会社の推進制度を利用して、
いいじゃんネットを作ったのです。
スタートは同じ世代の友人と私を含めた3人のIT素人でした。
今では、先端分野のスマートフォンや携帯電話を利用たサービスを提供しています。
優良なお客様が多数おり、
大手携帯電話キャリア各社が弊社サービスを推奨販売するような会社になっています。

会社を経営してしていく上で1番大変だったと思うこと

種がないところから物を作るのには、莫大なお金と時間が掛かります。
スタート時に用意したお金はなくなり、?売れるだろう?と思っていても、
?なかなか売れない?、?売れはじめた?のに?お金が足りない?というのが1番辛かった時期でした。
ほとんど無給で働いていましたね。
『CACHATTO』という製品は2003年に出来たのですが、売れ始めたのが2005年。
完成から2年、起業から考えると5年も掛かっているのです。
お金は大切です。振り返ると、その瞬間瞬間の選択肢を奇跡的にいい方を選びながらやってきています。
今では利益率がとても高いビジネスを安定して拡大しています。

会社の核[コア]を創り込む

会社のサイズを自分が決める。
私は最初、そのような考えを持っていました。
ところが実際にはお客様が決めるものなのです。
お客様が必要だと思い、納得したから商品を買ってくれるのです。
社会に価値のあるものが提供できれば、会社は大きくなっていく。
不要なものしか提供できないのであれば、会社は小さくなっていく。
サイズを自分で決められると思うのは傲慢な話です。
ビジネスを拡大するというのは、理知的な作業です。
根性で片付けられるものではありません。
拡大期には論理性、一貫性、コアの創り込み、こういったことが大切です。
辛い時期を乗り越える時は根性がいりますけどね。(笑)

新しい商材が生まれる基準

お客様に「それいいじゃん!」と言われ続けるのは難しいです。
トラブルを起こして「それちっとも良くないじゃん!」って怒られてしまうこともあります。
自分達の全てを注ぎ込む覚悟でなければできません。
ですから、その「いいじゃん」の声を方位磁石にしてれば、
自ずと2番目、3番目の製品ができてくるものだと思っています。
出来ないことに背伸びするのではなく、出来ることを徹底的に創り込むことです。

私の組織づくり

組織作りには、こだわりを持っています。
私自身の考えとしては理想組織を創り上げるとでも言いましょうか。
要は?1人1人が納得をしながら全力を出せる会社を作る?というのが1つの大きな目標です。
その方法をこの会社で確立したいと考えています。
これは変わらない?夢?なのです。
私は新入社員の頃から、各国の様々な習慣や環境の違いを見てきました。
その中で、?ハッピーに働く?とはどういうことなのかをずっと考えています。
私自身はどのような場所でもハッピーに働ける特異体質を持っていますが、
組織の誰もが、真面目に働いてハッピーでいられる環境を実現するのです。
これは私の永遠のテーマかもしれません。

理想組織

会社を私の理想とする組織にしていく上で、必ず会社に合わない、なじめない人が出てきます。
ただ、人は変わるものです。合わない人でも3年かけて変わってもらいます。かなりの根気が必要ですが。

そこで、根気良くお付き合いするためのツールを創りました。
1つは?朝メール?
早朝に各人から出てる日報を全て一つのメールに集めてコメントを入れるのです。
それを全員に対して返しています。これで風通しのいい組織の土壌ができます。
ここでのポイントは必ず皆が発言する場があり、見てもらっているということです。

もう1つは、2ヶ月に1度のペースで個人面談をやっています。
それは社内では?TMC?と呼んでいますが、
Tはtenでも、twentyでも、thirtyでも良いので?T minute conversation?
お酒を飲むのではなくて、?真面目に話そうよ?という場にしています。
実際にやっていると色々な問題が出て来ます。
言葉ででしか出てこないようなことも。

?朝メール?は2004年から始めました。
?TMC?は2006年からです。朝メールだけでは駄目だったのです。
両方やることにより、格段に社内の雰囲気が良くなりましたね。

学生へのメッセージ

学生のなかで、ひどく遠慮する人がたまにいますが、それは良くないと思います。
自分をきちんと主張しなくてはいけません。
また、この主張を勘違いして、自己主張になっている方も見受けられます。
自分をしっかり表現して、ただ、自分と異なる意見の人がいますので、
その方の意見も取り入れて考える。
それが、社会人にとって必要な「謙虚」という姿勢だと考えています。それを心掛けましょう。
見栄とか嘘はいらないですよ。見栄とか嘘は必ず剥げます。
だから正直に自分の出来ることを話しましょう。
自分の考えはしっかり持って、伝えて、同時に人からも学ぶのです。
その気持ちを持ち続けられれば、必ず伸びていく人になれると私は考えています。