代表取締役 三橋 平典
設立 | 2005年5月 |
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事業内容 |
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会社HP | http://www.camanchaca.jp/index.html |
水産関係で海外で仕事がしたい
大学から水産学部に進学をしました。
特に船乗りになりたいという考えは持ち合わせておりませんでしたが、
昔から海外に行きたいという思いがあり、当時はアフリカに漁業指導に
行きたいとも考えていました。
と言うのも、私が子供の頃は、海外はまだまだ遠い存在。
高校時代、水産関係の仕事で海外で活躍している私たちの先輩が、
先生に送ったというハガキを見せてもらうたびに、自分も頑張って、
海外からこんな風に先生にハガキを出してみたいと憧れたものでした。
私が大学生の時は、ちょうど大阪万博の時代。
当時、三重県の水産大学生だった私は、三重から万博まで送迎するバスの
添乗員などもして、インド館、ドイツ館などによくいきました。
またアフリカのタンザニア館にも行くことがありました。
余談ですが、タンザニアにはタンガニーカ湖という湖があり、
湖にも関わらず、日本の伊勢湾と同じ深度。当時注目されていた
“バッチ網”という漁法があって非常に注目されているものを目の辺りにしました。
“バッチ網”が気になった私はもっと勉強したいと強く思うようになり、
自らお願いをし、漁業組合の組合長の家に泊まらせてもらいながら、
実習の勉強をさせてもらうこともしました。
そして、自分なりに大学の教科の中にはない水産の勉強も
積み上げていきました。
卒業後は水産系一部上場商社へ
大学卒業後は、水産系の商社に入社をしました。
メーカーに近い商社で魚の輸出入で非常に忙しい会社でした。
特に私の直属の上司は輸出関係で忙しく、私は入社したてにも関わらず
完全に放っておかれるという事態。ろくに仕事を覚えてもいないうちに
外国語の水産等カタログを渡され、“翻訳してオファーしろ!”です。
ただ、ある程度の指針を与えてくれる上司で、今思えば、
自主性の尊重をしてくれていたのかもしれません。
そして、人間、任されると出来るものです(笑)
わからないなりにも自分の力で考え、結果を上司に報告し、
そこでダメ出しをもらい、その繰り返しをすることで、私は着実に
力をつけていくことが出来ました。
また、その上司は常に“自分で買ったものは自分の目で検品してこい”
ということを口にし、大事なことを教えてくれていました。
水産物は、例えばテレビや車などとは違い、“鮮度”という重要な問題があります。
その時々によって内容物のクオリティがまるで違うので、私は自分の目で、
その都度確認をしていきました。
そして、そのような中で育ったことにより、私はより正しく見極める目というものを
持つことができるようになっていきました。
転職先の会社では、サーモン輸入1万トン
働いていた商社では、急にアラスカ等に出張する機会も多々ありました。
ただ、水産学部出身の人間というのは、一生懸命な人間が多く、
現地に行くと、肉体労働と申しますか、自ら魚をさばいたり、体を動かし、
働いてしまう性分です。
結果、その部分で会社にいいように使われているという感が正直ありました。
自分たちは良いものを買ったり、良いものを作りに行っているのであって、
決して労働力で現地に出向いているわけではないと疑問を感じ、
“自分はここに何をしに来ているのだろう”と考えることも多くなりました。
そのような中、あの多忙だった直属の上司が、築地に会社を
たちあげることになり、商社を辞めることに。
私は声を掛けられ、その上司に付いていくことを決めました。
上司が起業したその会社は、その後大きく成長。
サーモンの輸入で申し上げると、当時日本全国のサーモン輸入が10万トンの時、
私たちの会社は1万トンの輸入を手掛けていました。
「サーモンを10切れ食べたら、1切れは、自分が輸入しているんだぞ」
などと同級生によく冗談を言ったものでした(笑)
その後、内部事情により人事が分裂。私は貿易部に所属していましたが、
貿易部は専務に付いていく形となり、再び新しい会社へ転職することになりました。
その会社は後に、スタッフ70名程で350億の売上を出す会社になり、
最終的に私はそこで常務という役職につくことになりました。
社名“カマンチャカ”はチリ先住民の言葉
現在のわが社の事業内容は南米チリの漁業会社の製品を
日本及びアジア圏に販売、メインは漁業ですが、
養殖場で養殖したサーモン、貝類の販売はもちろんのこと
約40隻ある自社船にて獲った新鮮な魚をフィッシュミールにし、販売もしています。
また現在では、輸入を考えているお客様のサポートなど業務は多岐に渡っています。
アメリカ市場はアメリカに、ヨーロッパ市場はデンマークに、そしてアジア市場に
関しましては日本と、各々販売会社を置き、新鮮な良いものを提供している今日です。
今後の展望としましては、活気ある中国市場、韓国、台湾に続き、更にインドにも
目を向けて、事業を展開していきたいと考えています。
また私はずっとインポーターとして海外に出向く機会も多く、
そのおかげで、水産系企業のオーナーと友達になったり、
仕事だけでなく“人”という部分でも関係を築いていくことが出来ました。
特にサーモン関係でお世話になったアラスカで2番目に大きいと言われる
オーナーの会社の商品は、私が常務をしていた会社では大きく扱わせて
頂いていたのですが、カマンチャカを設立後も、アジア圏の販売会社を
やらないかという話を直々に頂き、
業務提携を結んで非常に良好な関係を構築させて頂いています。
求める人物像、学生へのメッセージ
わが社の求める人物像に関しましては、一言で申し上げると
“スケベで素直”とでも申しましょうか…(笑)
お客様、仕事、何に対しても興味を持ち、新しいことに対して
好奇心を持つ方、そして間違ったことをしても、意固地にならないで、
素直に軌道修正できる方など。
昔から“朝令暮改”という言葉もありますが、素早く改めることは
大事なことだと思います。
学生さんへ申し上げたいことに関しましては、履歴書の書き方や
面接のレッスンなど受験対策をすることも大事とは思いますが、
先ずはその前に、自分を磨いて欲しいということです。
今、勉強していること、興味のあること、おもしろいと思うことを大切にし、
一生懸命取り組んで、自分の“知識”を増やして欲しいと思いますね。
私は大学時代、学校の勉強はあまり出来はよくありませんでしたが、
学校の勉強の他に、プラスαの自主的な活動をし、その部分を評価
して下さった先生に就職先を紹介頂きました。やりたいことを懸命にやって、
どこかで光っていれば、運を引き込むこともできるのかもしれません。
これだけ厳しい時代で大変だと思いますが、若いうちは広く興味を持ち、
自分を生き生きとさせて、何にでもチャレンジして欲しいと思います。
求める人材像とは
我が社が一番重要視するのは、人格や性格といった部分です。
例え仕事ができても、それだけだと、その人はいつかどこかで頭打ちになってしまうと思うんです。
当然仕事でも成長してもらいたいですが、プライベートでも大きくなることを目指して欲しい。
先ほども申し上げましたが、我々は「信頼」という言葉を重要視していて、
そしてその次に「Exciting challenge&Growth」、挑戦して成長するという言葉を大事にしているんです。
この言葉は、仕事にでも会社にでもなく、実は個人に向けた言葉なんですね。
ですから仕事・プライベートをひっくるめた個人として成長し続ける人と、一緒に歩んでいきたいですね。
就活生へのアドバイス
最近の若い人たちを見て思うのは、みんな頭もよくて
、やれって言われたことはきっちりするけど、
必要以上にやらないというか、余計なことはやらないという印象があります。
それこそ、パッションが足りないんです。
個人の考えもあるし、会社に求める条件もあるのでしょうが、
例え給料が下がっても行きたい会社に転職するとか、
安くてもこの会社に入りたいという人も、やっぱり中にはいるんです。
だから大学生の間からそういった意気込みでいられたら、
きっと就職活動もうまくいくんじゃないでしょうか。
昔より厳しい状況ではあるのでしょうが、
アピールの方法はいくらでもありますよね。
例えば自分のチラシみたいなのを作ったりとか。
チラシじゃなくてもいいのですが、自分を売り込むツールですね。
目立つ必要はないと思いますが、何が得意で何がやりたいかを、
自分に向き合って見極めている人は、
就職活動をしていくうえでも有利だと思いますし、
そういう人はどんどん頑張って欲しいと思います。