代表取締役CEO 鴨志田 律治

株式会社アイタック 代表取締役CEO 鴨志田 律治

代表取締役CEO 鴨志田 律治

株式会社アイタック
設立 2007年1月17日
事業内容
  • オンラインゲームに特化した広告代理事業
  • インターネットメディア企画・運営事業
  • インターネットシステム開発・運営事業
  • 新しい広告モデルの企画・運営事業
会社HP https://www.itac-c.jp/company

プロレーサーを目指し、アルバイトとオートバイレースに打ち込んだ日

高校卒業後は、建築の専門学校に入学。
しかし、勉強よりもオートバイに夢中でした。
卒業生の9割以上が就職する中、私はオートバイのレーサーを目指して、
卒業後は運送屋などで働きながらバイクレースに打ち込んでいました。
プロレーサーとして食っていきたい、3年間はとにかく頑張ろうと、
年間15戦くらい参戦していました。

そのうちにオートレースという職業の存在を知り、
毎週空き地で専用のトレーニングを毎週1年間行い、
あの元SMAPの森くんと同時期にレーサーの試験を受けました。
500〜600人が受けて、合格者は20人くらいという難関で、私は不合格。
初めての挫折でした。

営業センスを活かして訪問販売や携帯電話キャンペーンで活躍

それなら次は、アメリカで主流のレースに挑戦したいと思い、
アメリカに行くために、外国にコネクションのある会社に勤めたいと考えて、
23歳の時に外資系の会社に就職。
法人や商店を1日200軒くらい飛び込みで訪問し、
30kmくらい歩き回って、雑貨を売りました。
フルコミッションだったので、初めて「自分でお金を稼ぐ」というおもしろみを実感しました。

最終的には社長になれるということでしたが、一年間勤めてそれは難しいと感じて退職。
営業経験を活かして、携帯電話のキャンペーン会社でアルバイトをしました。
当時は携帯電話が普及し始めた頃で、華やかでおもしろそうだと思ったのです。
営業成績がよかったので社員になり、東京エリアのマネージャーにもなりました。

個人事業主として携帯電話を販売。有限会社を設立

そして、独立する先輩社員と一緒に退職し、その先輩から携帯電話を仕入れて、
個人事業主として携帯電話の販売を始めました。
当時は、会社規模ではなかなか携帯電話の契約が取れなくなっていましたが、
自分でやればもっと取れる、もっともうかるのではないかと感じていたのです。
そして、東北でキャンペーンを始めたところ、多数の契約が取れました。

当時は家もなく、ワゴン車に寝泊まりしながら、朝、サーフィンをして、
シャワーを浴びて、スーツに着替えて営業に行くという生活でした。
事務所も持たずフリーランスでやっていたのですが、
当時の取引先の方が「お金は稼いでいても将来はどうするんだ」と言って、
仙台のJフォンショップの運営を私に任せてくれることに。
それで、26歳の時、有限会社を設立することができました。

私の場合、起業を目指していたわけではなく、流れで起業に至ったという感じです。
しかし、「チャレンジしてみよう」という気持ちは常に強く持っていました。
失敗してもどんどんチャレンジし、そうして動いていると、
いろいろな話が舞い込んできたのです。

店も社員も用意してもらった状態で会社を始めさせてもらい、
3年ほど経つと、仙台で下位の売上だったショップだったのが
上位までもっていくことができました。
携帯電話の契約数がどんどん減っている時期に、伸ばすことができたのです。

しかし、当時の携帯電話はau、ドコモ、ボーダフォンの3つしかない中、
キャリアの力の違いは歴然としていて、限界を感じました。
それで会社を辞めることにしたのですが、1年間、きっちり引継ぎをして、
今までのノウハウを社員に全て渡して退職しました。

辞意を告げた後の1年間、私にはチャンスはないのです。
ノウハウをすべて出し切り自分がいなくてもかわらない状態にするための
引き継ぐ1年間は精神的にとても大変でしたが、
引継ぎをしっかりやったことによって筋を通したと思っています。
そのおかげで、店を任せてくださった方とは今でも親交がありますから。

インターネットの会社で新規事業部のマネージャーを経て独立

そして東京に戻り、前にいた携帯電話のキャンペーン会社の同僚の誘いで、
2005年にインターネットの会社に入社。
インターネット事業部を経て、新規事業の立ち上げに手を挙げて
ペーパーコールという電話での成果報酬事業部のマネージャーになりました。

その後、1年10ヵ月勤めたのちに「自分でビジネスをやりたい」と独立を決意。
同僚と、取引先のあったシステム会社の部長と3人で会社を設立しました。

しかし、前準備も計画もなく、とりあえず独立したので、
最初は何もやることがありません。
私は「自分で何かやってみたい」という性分で、計画よりは勢いで突き進むタイプです。
そして、動き出してから見えない部分が見えてくるので、
その中で対応していくというスタンスなのです。

やりたいことが漠然としている学生さんも多いと思いますが、
はじめはそれでいいと思います
とにかく動き出して、経験値を積むしかないのです。
学生さんにはアグレッシブでいてほしいですね。
若いうちは、失敗は買ってでもチャレンジした方がいいのです。
それは、若ければ若いほどいいと思います。

人に喜んでもらえるよう、いろいろなことにチャレンジし支援したい

現在は、オンラインゲームに特化した広告事業を行っています。
今後は、会社としていろいろなことにチャレンジしていきたいです。

4期目に入り、ゲーム分野でのシェアが高くなってきているので、
今後はさらにクライアントに喜んでいただけるサービスを展開することを目指しています。
そして、今持っているノウハウを、ソーシャル系、mixiアプリなど、
広い範囲に使っていきたいですね。
今よりさらに踏み込んだ効果測定システムも作っているところです。

また、いろいろな人を支援したいと考えています。
2010年3月から、カメラマンと組んで、
iPadからオートバイの写真集を出そうと計画しています。
カメラマンは、売れっ子はごく一部で、あまりお金にならない仕事です。
だから、何か力になりたいのです。

報酬という形も嬉しいですが、人が喜んでくれるのが仕事をしていて楽しい瞬間ですね。

自分でチャレンジできるのがベンチャー

ベンチャー企業では、いろいろなことにチャレンジしているところが多いです。
やる気があって手を挙げれば、それを関わることができます。

最初から自分のお金でビジネスを始めるのは大変ですが、
まず会社の資産を使って実行してみて、結果を振り返って、
もっとよくしようというプロセスは、会社員であっても、独立してからでもできます。

勇気を持ってチャレンジして、「できる」「できない」は世の中が判断してくれるもの。
失敗も含めて受け止めて、前に進みましょう。

社長に必要なのは“気力”と“創造力”

社長をするために大切なのは、気力。
経営は、絶対に思い通りにいかないのですから。

そして、物事を創造できることも大切です。
遊びでも、与えられたメニュー通りに遊ぶのではなく、
自分で新しいゲームを考えてみるなど、学生のうちからできることはたくさんあります。
そういうことを常日頃から経験し、自分で創造して形にしていくのです。

考える、アクションする、結果が出る、その結果に対して修正していく、
そうして、物事を自分で考えることができる人が、どんどん成長して結果を残すのです。

就職活動でも、新卒は他者との差を出しにくいと思いますが、
「突拍子もないことをやってやろう」くらいの気持ちで臨んだ方がいいですね。

就職できなければしなくてもいい

しかし、世の中、就職が全てではありません。
就職できなければしなくてもいいと思います。
ちなみに私もしていません。

就活に必死になっている人は、一般的なレールにとらわれているのではないでしょうか。
でも、世界一周旅行をしてもいいし、アルバイトでもいいし、
したいことをすればいいのです。
悲観的になる必要はありません。

就職に関して、親からのプレッシャーもあるかもしれませんが、親の世代とは違います。
かつては履歴書が重視されましたが、
今後は「できるやつがすごい」という時代になっていきます。
学歴で勝負せず、学歴を捨てるくらいの気持ちでやればいいのです。

どんなことをしていてもスキルは上がるものです。
就職できなくても、アルバイトをしながら自分のやりたいことをして、
「そこをひたすらきわめる」という気持ちでやっていれば、
社員になれることもあります。
アルバイトだろうが派遣社員だろうが、「できる人」は会社がほっときませんから。