代表取締役社長 吉村 公孝

株式会社サイバーコネクション 代表取締役社長 吉村 公孝

代表取締役社長 吉村 公孝

株式会社サイバーコネクション
設立 2000年7月19日
事業内容
  • 移動体通信基地局の置局・設計・施工
  • 移動体通信システムの設備・回線設計、現地調整試験、エリア調査・解析、設備保守、その他
  • 通信機器・端末の設計・開発・評価試験
  • ネットワークの設計・構築・保守・その他
  • エンジニアリング業務全般の業務支援・人材派遣
  • パソコン修理事業
会社HP http://www.cyber-co.com/

やりたいことが分からず、就職しても転職のことばかり考える日々

大学時代は、アルバイトやサークル活動、遊びに精を出していました。
大学4年生を目前にして就職活動を始めようとした時、
初めて自分の将来について真剣に考えました。
しかし、自分が何をやりたいのか、どんな業界でどんな仕事をすればいいのか、
将来のイメージが全くわきません。

ただ、漠然と「自分はずっとサラリーマンでいることはないだろな」ということだけは感じていました。
当時から、いつかは自分でビジネスをやりたいと思っていたのです。

とはいっても、何がやりたいか分からないので、とりあえず収入を得るために就職。
大学で工学部だったため、通信関連の事業部に配属されました。

就職はしたものの、入社した時から、もう転職のことばかり考えていました。
社会人にならないと社会のことは分からないので、
就職してから、自分が一生を賭けられるような業界を探そうと思っていたのです。

当時は、電力会社向けの、独自の通信設備の監視・管理をする
データベースを作る仕事を担当しました。
一日中、部屋にこもってコンピュータに向かう日々。
「社会勉強がしたくて就職したのに、これでは他の業界のことも分からない」と、
仕事のモチベーションも上がらず、鬱々と過ごしていました。

通信・IT業界の発展を確信、「この業界で独立しよう」と決意

私が就職した1995年は、Windows95が発売され、パソコンが一般に普及し始めた頃。
また、携帯電話が庶民の手に渡り始めた時期でもありました。
私がいた会社でも携帯電話関連の事業を始め、
自分でも携帯電話を使い始めたら、非常に便利だと思いました。

それまで、通信やITに全く興味がなかった私ですが、今後の業界の発展を確信。
「将来、この業界で独立しよう」と決意してからは、
嫌で嫌でしょうがなった仕事が、急に楽しくなりました。
そして、通信分野を幅広く勉強し始めました。

私のように「自分が何をやりたいのか分からない」という人は多いでしょう。
でも、今すぐ決めようとあせることはありません。
私のように、社会人になってからやりたいことが見つかる人はたくさんいます。
大学生で、まだ世の中のことを全然知らないのに、
自分の命を賭けるようなものなんて見つからなくて当然なのです。

入社2年目で起業。4年後には再びゼロからの起業

入社2年目の夏、携帯電話の部門にいた同期社員から誘われ、一緒に独立して会社を設立。
携帯電話の通信ネットワークの仕事を始めました。
当時、携帯電話業界はバブル期を迎えていて、
私たちのような未熟な者でも、始めたらいくらでも仕事が来るような状態でした。

事業は順調でしたが、4年間ほど経った頃、社長が2人いて、
お互いに依存し合っているような状態に違和感を覚えるように。
今後の成長のためには、それぞれが独立して
自分の責任において経営しないといけないと考えました。

そこで、相手に会社を譲り、私は今の会社を起こしました。
前の会社と取引先がかぶらないよう、仁義を守るために、
地元の広島で、裸一貫からの再スタートでした。

2000年当時には、業界がかなり落ち着いていて、昔ほど簡単に仕事がくる状態ではありませんでした。
業界ではかなり後発の方だったこともあり、予想以上に苦戦しましたね。

安定を捨て、新たなチャレンジを求めて一人で東京進出

3年ほど経つと事業は安定し、4年目頃には、片田舎の中小企業の社長の座に胡坐をかいていました。

安定に満足すると、今度は飽きがきて、次の目標も見失い、悶々と過ごすように。
この先、会社をどうするのかと悩んだ結果、
「今の業界でもっと影響力の大きな会社にしてやろう」と決意。

そう思い立つと、いてもたってもいられなくなり、
広島の会社は社員に任せて、一人で東京に出ることに。
またしても、ゼロからの出発です。

飽き性なので、新しいことがやりたいんですよね。
どうしても、安定した日々に甘んじていることができないのです。

全国展開と急成長の裏には大量採用が招いた苦悩も

東京では、携帯電話会社や機器メーカーなど多くの企業と取引をするうちに、
信用と実績を築くことができました。

東京進出から1年ほど経った頃、ある取引先から
「東京と広島以外の地方はできないのか」と言われたことをきっかけに、
全国各地に支店を出すことに。
2007年〜08年の間に、一気に増やしました。

全国展開するにあたり、とにかく人を集めようと、1年で100人以上の大量採用をしました。
しかし、気がつくと、会社の理念も文化も全く浸透していない集団になってしまいました。
その失敗から、やはり、ベンチャーは会社の理念に共感してくれる熱い人を採用し、
育てなければいけないと痛感。
そのためには新卒が必要だと気付き、2007年から新卒採用を開始しました。

新卒入社して3年くらいで実績を作った社員は、4年目くらいからは希望の仕事に就かせる方針です。
生え抜きの社員が、当社の重要なポジションで活躍してくれることを期待しています。

経営者に必要な資質とは

経営者に必要なのは、
自分のやりたいことや実現したいものを、絶対に形にできる能力だと思います。
それを達成できないことには気が済まないようなコミット力が、創業社長には絶対に必要です。
それがないと、会社はつぶれます。

カリスマ経営者のような完成された思考はいりません。
それは後からついてくるものです。

初めは「金持ちになりたい」といった目標でもいいので、
自分が「これだ」と決めたことを、他人や環境、景気のせいにするのではなく、
絶対にやり抜く力が大切です。

でも、それだけではうまくいきません。
ビジネスには、自分のためだけでなく、お客様や誰かのためにという利他的な考えが大事です。
自分だけでなく、相手もよくなるような考え方も必要だと思います。

「この会社のためなら頑張れる」と思える会社を選ぼう

昔も今も、会社に入ることが目的で就活をしている人が多いですよね。
しかし、大事なのは「自分の人生をどうしたいか」ということ。
そこの逆算から企業選びをした方がいいと思います。

不景気だから安定を求めて大企業志向になることは否定しませんが、
大企業ならなんでもいいというわけではありません。
就職は結婚とよく似ています。
結婚相手が、美人なら誰でもいいというわけではないのと同じです。
働く会社も結婚相手も、人生の大半を一緒に過ごす大切なパートナーですから、
どう働きたいか、どんな人生にしたいかを軸にした方がいいと思います。

仕事内容や給料などの待遇は、いくらでも変わる可能性があります。
「この会社のためなら頑張れる」と思える会社に入ったら、
人事異動で仕事が変わっても受け入れられるし、
給料があまり上がらなくても、「じゃあもっと頑張ろう」と思えるでしょう。
給料を増やすのは自分次第です。

一方、社風は会社の文化なので、そうそう変わることはありません。
価値観の合う、好きだと思える会社を選んでください。
中小企業は、いくらでも人材を募集していますよ。