代表取締役社長 作山 若子

株式会社和み 代表取締役社長 作山 若子

代表取締役社長 作山 若子

株式会社和み
設立 2002年4月1日
事業内容
  • オーガニック・フェアトレードのハーブティー・紅茶・日本茶・中国茶・珈琲の企画・輸入・製造販売
会社HP http://www.nagomi-tea.co.jp/

【医者の夢を諦めて就職】

小さい頃は、医者になりたかったんです。
しかし、中2の時、父が脳梗塞で倒れました。
これをきっかけにその夢を断念、就職することにしました。
最初の就職先は、百貨店。
しかし、いざ入社してみると、男性社会と学歴社会が蔓延していて、
もっと自分の実力を正当に評価されたいという気持ちが日に日に強まっていきました。
結局、2年で退社。
その後、ユニマット(当時ユナイテッドスティール?)という国内最大手の外資系・飲料会社に転職しました。
ちなみに、自販機を日本で初めて設置したのがユニマットです。
アサヒやサントリーなど、コカコーラ以外の大手飲料メーカーとは取り引きがあるので、
社名をご存知の方もいるかもしれませんね。
この会社には、11年間勤めました。
私は、当初事務職として採用されたのですが、研修を終えると上司に営業をやるように勧められたんです。
最初は、右も左も分からず戸惑いましたが、ガムシャラに頑張った結果、1年目で何と全国9位をとることができました。
そして、その後も営業成績はトントン拍子に右肩上がりに。
年収も、年間で100万円ずつアップしていき、とても充実した毎日を過ごしていましたね。
営業の方は、最終的に2年連続1位をとることができました。
さらに、青森や秋田などで新規事業立ち上げに携わったり、東京にある営業推進本部に異動し管理職にもなりました。
国内にとどまらず、海外出張したこともあります。
ちなみに、この会社の中では、転勤と管理職を経験した初めての女性が私です。
本当にやりがいが見出せる仕事で、毎日が楽しかったですね。

【食品業界に対する不信感】

実は、飲料業界は偽装が多いんですよ。
成分がビタミンCと記載されていても、実はそれ酸化防止剤だったり、
静岡産としているやぶきた緑茶がほとんど中国産だったり、
紅茶に人体に害のある香料が入っていたり・・・数えればキリがないですね。
恥ずかしいことに、飲料業界では、正しい情報を開示することは悪だという傾向がありました。
働いている内に、この考えに疑問が出てくるようになり、出産後、飲料に対する不信感がピークに達しましたね。
というのも、母親が摂る全ての飲食物は、胎児にも母乳にも影響が出てくるんです。
たとえば、最近の子どもにアレルギーが多いのは、母親がカラダに悪いモノを摂取しているからなんですよ。
子どもを育てるようになって、改めて自分が口にする飲食物について真剣に考えるようになりました。
当時の年収も肩書きも満足いくものでしたが、
お客さんに自信をもって勧められるモノを自分で販売したいと思い、独立する道を選びました。

【飲料にかける情熱】

私は、自社ブランド「nagomi-NATULURE(なごみナチュルア)」を
様々な国の人の美容や健康に役立てたいと思っています。
お茶やコーヒーの生産国は貧しい国が多いので、彼らに恩返しをするという意味でも、
フェアトレードや子ども地球基金に寄付をするプログラムを作っていますよ。
また、当社は、業界初のとうもろこしでできたティーバッグを使っています。
普通なら、石油原料のナイロンティーバックを使っていますが、
当社は地球環境のことを考えた結果、これを発案したのです。
さらに、脳梗塞にかかったりコレステロールが高かったり、野菜嫌いだったりする人のために、
血液をサラサラにして、血管壁を強くするお茶もあるんですよ。
1杯のお茶で、人が健康を維持することができるんです。
それが、最終的に、社会の一員として働き貢献するという喜びにもつながるので、
私自身もとても嬉しく思っています。
現在、「nagomi-NATULURE(なごみナチュルア)」は新丸ビル内にありますが、
今後は北京、パリ、ニューヨークなどにも出店するつもりです。
目標に到達するまで、まだまだ先は長いですが頑張りますよ。

【和顔愛言(わがんあいご)】

私の座右の銘は「和顔愛言」です。
この言葉は、「様々な人にやわらかい笑顔で愛情をもって語る」という意味です。
実際、私自身、社員に対して和顔愛言を実行しています。
そして、毎日、朝礼で、社員の人間力を上げるべく、和顔愛言をベースにした様々な訓練を行なっています。
というのも、人間力を身につけるには、情熱×考え方×行動の方程式が成り立つんですよ。
この3つがあれば、人生は自分の思い通りにいくものです。
それらを身に付けるためには、まずは訓練が必要だと思いましてね。
けど、私、社員には全然優しくないですよ。
むしろ、怖いと思われているでしょう (笑)。
泣いてしまう社員もいるほどですから・・・。
ただ、叱るときも、ただ感情をぶつけて怒るのではなく、決して愛情を忘れません。
和顔愛言の精神があれば、社員にどんなにキツいことを言っても、大丈夫だと思っています。
実際、当社に新卒入社してくるコたちも、3年目まではすごく大変そうです。
責任が重く幅広い仕事をどんどんやらされる上に、私からの叱咤激励が飛べばなおさらでしょう。
けど、入社3年目になると「この会社に入ってよかった」という声を聞くことができます。
当社はこの頃になると、自分で1つの仕事に対して意思決定できる権限が与えられ、
社員自身も、以前と比べて人間力がアップしています。
彼ら(彼女たち)を見ると、「叱咤激励しても愛情がしっかり伝わってよかった」と喜ばしく思います。

【主体的に動いて人間関係を大切にして欲しい】

学生には、今の人間関係を大切にして欲しいと思っています。
アルバイトやインターンなどで、どんどん社会人と交流を持って、主体的に動いてください。
学生でいる時は、生活は親が支えてくれるし、時間もたっぷりあるし、失敗も許されるので、
自分に合った職種や会社を研究する絶好のチャンスの時期でもあります。
そういえば、私、大学生向けに講演もしているんですよ。
その際「普段何を食べていますか?」とか
「社員同士は会話をせず、メールで用件を伝えているのですか?」などの質問が出ることがあります。
テレビや漫画から現実の会社や社長をイメージしているのでしょうね。
まだ社会に出ていないので仕方がないのかもしれませんが、ちょっと視野が狭いなと思ってしまいます(苦笑)。
そのイメージを払拭するためにも、自分から色んな情報を集めてみてください。
それから、適職の見つけ方について聞かれることも多いのですが、
それは自分の長所や短所を箇条書きにして、その後、友達に同じ質問をぶつけてみるといいですよ。
そうすると、たとえば、自分自身は「おしゃべりが好きだ」と思っていても、
周りから見ると「一方的に自分の話をしているだけの人」「相手の話を聞くのが上手い人」
などと客観的な意見を通して、自分を知ることができるからです。
さらに、自分が楽しめることを箇条書きにしてみましょう。
そこから、思い立ったら即行動は営業タイプ、
調べるのが好きな人は研究や開発タイプなど、適職を分類することができますよ。

長くなってしまいましたが、貴重な学生時代を無にせず、色んなことにチャレンジして、
その中から自分の適性を見極めていってくださいね。