代表取締役社長 佐藤 湖友

株式会社アイベックス 代表取締役社長 佐藤 湖友

代表取締役社長 佐藤 湖友

株式会社アイベックス
設立 平成16年12月20日
事業内容
  • 1.不動産の売買、賃貸借及び管理
  • 2.不動産コンサルティング業務
  • 3.損害保険代理店業務
  • 4.生命保険の募集に関する業務
  • 5.労働者派遣業務
  • 6.その他
会社HP http://www.ibex.co.jp/

出会いは偶然に

地方の大学に通っていた大学生時代はごくごく普通の生徒で、起業に対する意識はありませんでした。
家があまり裕福では無かったのでアルバイトに明け暮れる毎日でしたし、4年生になって
就職活動が始まっても、特に何がやりたいというのを考えていなかった。
今の業界に入ったのも当時は本当に偶然でした。
最初はあるコネクションがあって地方の銀行の就職試験を受けたのですが、
いいところまでいって落ちてしまって。急遽探して当てたのが不動産業だったわけです。

不動産業は営業職ですが、思いがけず入ったので全く身が入らず当然成績も伸びない。
入社した当時、同じ支店にいた30数名の同期の中で私がビリから3番目くらいでしたかね。
仕事が終わると寮に帰って航空大学のパンフレットを見て、
「入り直すとしたら、今度はここを受けようかな。」ということばかり考えていました。
別にパイロットになりたかったわけではないんですよね、
とにかく仕事に情熱が持てなかったので空想にふけってしまっていたんですね。

そんなどうしようもない自分を変えるきっかけになったのが、会社で送り迎えを専門にする運転手さんでした。
上司とは違って普通のおじいさん的存在の方だったので気兼ねなく話せるのでしょうね。
夜遅くまで営業して送ってもらったときに、私は辛いとか弱音を吐いたんでしょうね。
そしたらいきなり、誰も通らないような山奥で降ろされまして。
「お前みたいなくだらない人間は初めてだ。お金を稼ぐことがどれだけ大変なことか、
 一回くらい一生懸命やってみてから言ったらどうだ。」と、どなられまして・・・。

それから私は営業を真剣にやってみようと思いましたね。
自分は何を目指しているのか、何が目標なんだろうか、今の仕事が本当に自分に合うかは
分からないけれどとりあえず自分はどこまで営業を出来るのかやってみようというふうに。
そしたらその半年後はトップになりまして。そのときからですね、仕事に打ち込むようになったのは。
そうして圧倒的に変わったのは、仕事に対する考え方ですね。
上司に褒められようとか、認められようとするのではなく、
自分がどれだけ出来るかというところに発想がいきました。
誰のためではなく、自分のために成績を上げたいと。
結果が出ることで自分の視界が、仕事がどんどん広がり面白くなっていって。
営業というのは自分の考え方次第で世界が変わるということを、23歳という若いときに
体に目一杯注入されましたね。

自分探しの旅

そうして自分というものを確立した私は、より自分を試せる場所を求めて転職を繰り返していきます。
最初は、同じ不動産業の小さい会社への転職。
もっと広い意味でその会社経営の一角に携わるような仕事がしたかったので、
自分も一緒に成長していくという意味でもあえて小さい会社を選びました。
そこでは営業のトップとして、社員数が20数人だったのを数100人になるまで3年程働きました。
その後は新興デベロッパーに転職しナンバー2として5年程働きました。
しかし、あくまで営業部の責任者という仕事を任されていたに過ぎず、
経営の方向を決めるような立場でありませんでしたから、もっともっと自分は
経営に携わる仕事がしたいと思っていました。
そのころからですかね、社長や経営者になりたいと明確な意識を持ち始めたのは。

そして起業に

転職の経験を経た私が横浜でひとりで立ち上げたのが今のアイベックスなんです。
当初はセルカという法人名で不動産営業マンの派遣など、色々な事業を手掛けていたのですが、
東京で不動産販売の会社を経営している先輩からお声をかけて頂いて、その会社から
仕入れ部門を独立させて今の時代のニーズにあった物件の仕入れ、「ミレニアム・レジデンス」
というテーマを掲げてよいものを安くお客様に提供する仕入れをやろうと、
セルカより社名を変更して再スタートしたのが今のアイベックスなのです。
2年前に再スタートした若い会社ですが、外資との提携もあり、日本全国で
事実上事業が継続不可能な会社の物件をより安いコストで買い取りまして、
マーケットでは売りやすい値段で売るという独自の戦略を立てて活動しております。
きちんとした基準を持って全国を網羅するというのは当社だけではないかと
自信を持っております。

独自の視点

わたしたちはリーマンショック後のスタートだったので、非常に辛い経済環境の中
生き抜くためのキーワードは、「仕入れて売るまでのスピード」だと考えました。
今のマーケットプライスを外さない、もし来年景気が悪くなっても損をすることのないような
ビジネスモデルに変えること。
銀行の融資に頼りすぎないように、外資との提携などいろいろな形で資金フローを立ち上げました。
この銀行に左右されないという考え方は今までの経験があってこそのものだと思っています。
また、原価主義ではないというところも重要です。
土地の値段、建物を発注して建てる値段、広告やその他販管費がいくらだから
売価がこれになる、というような考え方ではなくて、お客様がこのエリアで
この広さならこの値段で買って頂けるだろうというような、マーケット価格から
逆算した仕入れ価格でなくてはなりません。
簡単なようですが、これは従来のデベロッパーでは実現できないことなのではないでしょうか。
ですからわたしたちはマーケット主義を貫く会社であるべきだと思っています。

独自の制度

当社では3ヶ月に一度個人面談を行っております。
面談といっても、社員が経営者に対して自分の3ヶ月間の実績を発表する場ということですね。
自分の目標というものがあって、その3ヶ月間での達成率はどうだったのか、
また次の3ヶ月はどういうふうなことをやるのかということを発表してもらいます。
それによって次の四半期の年俸を決める仕組みです。これは営業マンにも仕入れ
担当者にも総務や経理の社員にも全社員に適用している制度で、基本的に、
目標を達成すれば年俸は上がっていきますし、だめなら落ちます。
ようは3ヶ月に一度の評価制度を設けているということです。
社員は常に会社にどう貢献するか、全員が目標をもって仕事をしていなければならない。
ベテランであるとか、新入社員であるとか関係ないですよね。
目の前にある目標を追いかけ続けるということ。
常に成長する企業というのは、こういうところからだと思います。

学生へのアドバイス

近道を選んではいけない、ということですね。
実際は、近いと思うものが遠い道であり、遠いとおもうものが
近い道だったりするわけです。
仕事というのは一生懸命やらないと面白くない、中途半端は面白くないですよね。
そんな一生懸命になれる、自分に合う仕事を探した方が良い。
たとえその仕事が大変なことでも、人間大概のことはできるのです。
本当に努力すれば、最後にはきっと誰かが手を差し伸べてくれるものです。
2、3年働いただけではわからないと思いますが、逃げないで頑張ってやっていると、
どういうことか、ひょこっと誰かしら助けてくれる人が現れるものなんです。
人生何回かはあっと驚くような展開があったり、予想外に好転したりする。
そのためには、苦しい時期に、無我夢中で手足をばたつかせることです。
苦しみ抜いたうえに、その手足が相手にひっかかることがあるのです。
諦めたらそこで終わりです。
他力本願とは違うそういうことが成功というものに繋がると思います。