代表取締役 前田 竜徳
設立 | 2009年11月6日 |
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事業内容 |
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会社HP | http://www.huseec.com/ |
倒産会社のケーススタディ
私が就活をしていた時期は就職氷河期がちょうど終わるぐらいの頃で、
売り手市場でも買い手市場でもない微妙な時期でした。
同年代の友人たちは、ITを中心とした新興企業か、メガバンクや大手商社など
就職ランキングで上位を占める大企業かという2極化した流れがありました。
しかし私自身は、どちらもいまいちピンとこなかった…。
大学では経営学を専攻していたこともあって経営コンサルタントに憧れがあり、
同時に「自分の飯ぐらい自分で稼げるようになろう」という起業志向も持っていました。
大学で経営学を学んだり、就職活動をしているうちに、
「つぶれる会社ってどうなるんだろう」「どういう会社がつぶれるんだろう」
という疑問が浮かんできたのです。
倒産した会社の社長のその後の人生や、従業員や取引先は実際にどうなっていくのだろうと。
倒産や自己破産という言葉や関連する法律は大学で学べても、
現実のレベルはさっぱり想像が付きませんでした。
そこで、就職するにあたって、とにかくダメになる会社を自分の目で
たくさん見れる環境に身を投じようと考えたのです。
格好よく言えば、ケーススタディというやつですね。
それが出来る業界を模索する中で出会ったのが、ノンバンクという業界でした。
新興企業でもなければ人気のある業界でもない。
ただ、自分が起業するまでのキャリアとしてはピッタリだと考えたのです。
昨日の上司は明日の部下
そうして入社した会社は、まさにガツガツの営業会社でした。
入社式の翌日にはテレアポ200本という感じで、
とにかく営業成績を上げたものが出世するという世界。
先月上司だった人が今月は部下になっているということも珍しくありませんでした。
これは社会人になってから分かった自己発見ですが、
そういう競争社会は嫌いではなかったですね。
辞めていく人間も多く厳しい環境でしたが、その中で
ノルマ達成の楽しさやメンタル面の強さは身に付いたと思います。
しかし同期270名の中でトップ10以内位の成績を残すようになると、
今度はチームとしてノルマを達成しなければならないポジションが見えてくる。
これではより多くのケーススタディを得るという当初の狙いから離れてしまいますし、
マネジメントスキルや組織運営を学ぶなら
この会社ではないのではないかという思いもあって退社を決意しました。
その後、大学時代の恩師の紹介で、業績改善が急務な中小企業へ転職。
事業再生を中心に、営業・人事・財務・総務・店舗統括・新事業の立ち上げ…
さまざまなことを経験させていただきました。
何役もこなす必要があるため、「休む暇なし」。そのような状態でした。
その後に念願の独立。
それが25歳の時でした。
25歳独身、特記すべきキャリアなし
しかし、目を引くキャリアも飛び抜けたスキルも、
潤沢な資金もない25歳の私の手元には何のビジネスモデルもなかった。
でも逆に、今後の人生を考えた時、25歳独身で今以上にリスクのない時期は
今後ないだろうとも思ったのです。
そこで、「何が出来るか分からないけれど、とにかくやれるだけやってみよう」と考え、
日々出会う方たちに、今の自分ができる最大限の「価値」を提供し続けたのです。
独立して2年間は個人事業主として活動していましたが、
まず始めたのが企業再生と資金調達をメインとした仕事でした。
その中でも最初に多く頂いた仕事というのは、完全成功報酬型の契約をさせていただき、
会社の事業計画書を作って銀行に交渉し、調達額の何%かを頂くというものでした。
成功しないとお客様に迷惑をかけますし、自分の収益にもつながらないので
とにかく必死に取り組みました。
そのようにして、目の前のお客様のためを思いガムシャラに取り組む。
そのように取り組んでいると、自然と人が人を紹介してくださり、
次々に仕事を頂けるようになりました。
その後増えたのが赤字会社の再生でした。赤字会社を紹介して頂き、
「何カ月間でこれだけの利益を出しませんか。それが達成した場合のみ報酬をください。」
というもの。
そうして複数の会社にもぐり込み、経営陣と話し合いながら数字を創り
会社を立て直していく仕事をしました。
場合によっては私が先端に立って営業もしましたし、
朝6時から駅前でビラ配りなんてこともしていました。
そうして企業の業績を上げるために試行錯誤していくうちに、
徐々に自分がやっていることが教育ビジネスなのではないかと思うようになったのです。
会社の事業改善のために行っていた従業員への指導が、
彼らのキャリアアップにつながっていくのを何度も目の当たりにしたのです。
それ自体、私にとっても大きな喜びを感じる時でもありました。
そこで、人材育成や採用支援を手掛ける会社をやっていこうと、
独立して2年後に法人化という選択をしたのです。
それまで人事畑でキャリアを創ってきたわけではなかったのですが、
動機を大切にしながら、それまで培ってきたスキルや経験を軸に
事業展開することに迷いはありませんでした。
目の前にいるただ一人のために
私は、ただ事業を拡大するというよりは、目の前にいるたった一人のお客様にでも
深くかかわっていきたいという想いを強く持っています。
売上や利益はもちろん大切ですが、
誰もやっていないような密度の濃いサービスを提供していきたいと考えています。
例えば当社が法人・個人問わず行っている通信講座は、毎月一回決められた日に
教材が届くのではなく、ひとつ目の問題が終わったらそれを提出してもらい、
回答と次の問題を送る「ステップ学習」という制度を導入しています。
これによって手つかずの教材が溜まっていくというありがちな事態を防ぎ、
自分自身の速度とモチベーションに応じて学習を進めることができます。
利益のみを追求するなら受講者の進度を無視して送りっぱなしにした方が
いいわけですから、当然こうしたシステムを行なっているところはあまりありません。
しかし高い理念を掲げながら、提供するものがチープでは意味がない。
私たちは「この国の若者を本質的に有能な人材に育て上げる」という
強い信念のもと、目の前の一人ひとりを大切にしていきたいと考えているのです。
生涯学習
生まれもった才能なんていうものは、自分にはそれほどないと思っています。
ですから確実に一歩一歩人生を突き進んでいきたいという意味で、
私は「生涯学習」を座右の銘に掲げています。
精神論かもしれませんが、いつまでたっても努力を怠らない姿勢というのは
非常に大切だと考えています。
社内でも1週間に一度ミーティングで、この1週間に仕事面でやるべきこと、
その他に行う勉強や読む本などについて発表することにしていて、例えば
「この資格を取るために、今週はテキストの何ページから何ページまでをやります」
といったようにして、翌週のミーティングで各自その達成状況を確認し合うのです。
仕事とは別にこうした勉強を続けるのは大変なことですが、
こうした毎日の努力が10年後20年後のキャリアを創っていのだと信じています。
売れる人材になるには
私が学生によく言っているのが、「売れる人材になれ」ということ。
売れる人材とはつまり、市場価値の高い人材ということです。
今自分が勤めている会社がどういう状態になっても、自分自身で食っていける、
もしくは他の会社から自然に声が掛かるような人間にならなくては、
これからの社会で生き抜いていくことはできません。
そのためにすべきことが語学とITと経営学(簿記会計)を習得することだと考えています。
今後、日本経済がどのようになろうと、その3つが不必要になることは絶対にありません。
逆にその3つのうちどれかが欠けていると、市場価値としては下がってしまう。
時間的余裕があり、社会人としての入り口に立つ学生のうちに、
まずはその3つをクリアして、その次に自分自身の目指すべき目標を定め、
そのために必要なスキルを学んでいくことが最適なキャリア形成のルートではないでしょうか。