代表取締役社長 サンチョン・リー

イー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパン株式会社 代表取締役社長 サンチョン・リー

代表取締役社長 サンチョン・リー

イー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパン株式会社
設立 1965年
事業内容
  • 語学教育や、研修旅行のプログラムを中心とした16の事業と非営利事業を提供している世界最大級の私立教育機関
会社HP http://www.efjapan.co.jp/

【社長とは異次元の世界でした】

私はスウェーデンの工業大学を出て、ネットワーク関連会社に就職し、
新規のネットワーク関連会社のたち上げ等、ビジネスのスタートアップを
経験しました。

スウェーデン大手家具メーカーの日本支社立ち上げに伴い日本に来ました。
その後、現在のEFの社長職のオファーがあったのです。
マネージャーとして積んできた経験があるので、正直簡単に考えていました。
しかし社長とは私が考えていたものとはまったくの別物だったのです。

大勢の社員をまとめるというのは想像以上に難しく、
また前社長が26年守ってきた会社を私が受け継いでいくというのは
周りからの視線も意識しました。
家ではもう毎日逃げたい思いでいっぱいでした。
それでも会社の文化や経営を変えるために私が選ばれたわけで、
絶対に負けたくなかった。

現在会社がうまくいくようになったのは、そういった時期を乗り越えて
やりたいことができているからです。
日本の慣習を破って新しいことを取り入れるのは
「日本はこうだからできない」とか、実際色々言われました。
でもやってみればかなりできるんですよ。

今のEFは私自身も社員も皆がアントレプレナーシップ(=起業家精神)を
大事にしている。今はここで働くのがすごく楽しいですね。

【最近の若者に欠如しているもの】

私が一番大事にしているのはアントレプレナーシップやオーナーシップです。
毎日社員に言っているのは
「何をするにも、自分の会社を経営する気持ちでやって下さい」
ということ。

自分の家なら、イスを壁にぶつけて傷つけてしまったらすごく慌てますよね。
でも会社になるとあまり気にならない、それでは困るんです。

その代わり社員には自分の会社のようにやりたいことをやらせています。
10個挑戦して1個成功すればいい。私はその気持ちが大事だと思います。
良くも悪くも今の若い人たちは正直で、つまらなければ辞めてしまいますから、
社員が働きながら夢を持ち続けていてくれている事が大事ですね。

私が会社を経営する上での信念は社員を大切にすることだけです。
アイディアを殺してしまうようなことは絶対にしたくないですね。

【海外に出るのに必要なのはお金でも語学力でもなく・・・ただ一つの勇気】

最近の日本に感じているのは、元気がないということ。
子供の頃から毎年頻繁に日本に遊びに来ていて、当時高度成長期だった日本は
本当にイキイキしていました。

私の祖母は60年前に日本に来てビジネスを始めたのですが、
韓国料理店等数々のビジネスをたちあげて、92歳になった今でも
元気に現役で働いています。

しかし最も元気があってほしい最近の若者に会うと、
何故こんなに勢いがないのかなと思ってしまいます。
目的が見えていない人が非常に多いと感じます。

毎年何千人もの学生を海外に送りだしていますが、
せっかく自分に大金を投資して実現した留学なのに、
ダラダラと過ごしてしまう人も中にはいるんです。

留学することが目的なのではなく、
戻ってきてどうなりたいのかが重要なのです。

【個人の気持ちが会社を変える】

本文1日本人口1億3000万に対して、スウェーデンは人口が約900万人です。
しかしスウェーデンにはグローバルな企業が多数存在します。

決定的な違いが外への志向なのです。
基本的にスウェーデンでは国内市場が小さいので、外国へ目を向けなければなりません。
さらに外国に進出するコストは日本の企業に比べて非常に安いのです。

今や日本に数多く店舗展開しているスウェーデンの大手企業でも、
たち上げはたった一人でした。これは特別な事例ではありません。
外国に新たな市場を開拓する時には日本のように最初からたくさんの社員を
送ったりはせずに、一人で頑張ってもらうのです。

しかもベテランだけではなく新卒2〜3年目の若者にも手を挙げれば
そのチャンスが回ってきます。
そういったハングリー精神を持った若者が日本には少ない気がします。
海外でも通用するために英語を勉強して下さいということではなく、
大事なのは英語力よりやるしかないという勇気ある行動です。

現在、当社でもそれを踏まえた上でグローバルインターンシップ等の仕組みを
色々と考えています。

【ハングリーであれ!】

イニシアティブを取ることも大事ですが、リスクを取って成功させる
勇気を持つ社員がいたら、社長としてこんなに嬉しいことはありません。

「社長が辞めたら、自分が社長になります!」くらいの勢いをもつことです。
自分の会社だと思ってオーナーシップを持って動いてもらえるのは、
皆さんが思っている以上に先輩や上司は本当に嬉しいのです。

そういう人物がいたら私は絶対雇いたいと思います。
若い人にもっとハングリー精神を持ってほしいですね。