代表取締役 荻原 亮介

プライムテック株式会社 代表取締役 荻原 亮介

代表取締役 荻原 亮介

プライムテック株式会社
設立 1988年4月2日
事業内容
  • ライフサイエンス分野高度先端研究機器・システムの輸入販売
  • 研究機器導入のコンサルティング
会社HP http://www.primetech.co.jp/

医師でも研究者でもなく、人々の健康と医療に貢献する仕事

人の役に立ちたい。
それも、好きな先端科学の分野で、実現したい。
株式会社プライムテックを立ち上げた1988年、
私の胸にあったのはその2つの想いだけでした。

プライムテックの主な事業は、ライフサイエンス分野における高度な世界最先端の
研究機器・システムの輸入販売です。
ライフサイエンス分野における最先端の研究者たちに、最良最善なソリューションを
最高の技術力をもって提供することによって、その研究者たちに効果的な成果創出を
実現していただくための支援を行い、結果、人々の健康と医療に貢献する。
それが私たちの仕事です。

と言っても、なかなかピンと来ないかもしれませんね(笑)
簡単に言えば、私たちの脅威となる病魔に打ち勝つ有効な新薬や
効果的治療方法を研究している研究者たちを、支援する仕事です。
たとえば自分の大切な人、愛する人が病に倒れたとき、何ができるでしょうか。
きっと私たちにできるのは、精神的な支えとなることくらいでしょう。
では医師ならば助けられるかというと、たとえば脳外科医が
心臓病を治すことはできないように、その専門性ゆえに限界がある。

しかし私たちの仕事には、人々の健康と医療に貢献するという意味において、
限界はありません。
病を治すための新しい薬の開発や新しい治療法の開拓、そのすべてに対して
貢献することができるのです。
一般の人々からは見えにくい仕事ですが、私たちはこれ以上なくストレートに、
人の役に立つ仕事をしているのです。

起業までの歩み

新卒で入った会社は150名規模の非上場会社で、そこで7年間、世界を舞台にした
心臓血管外科系の医療機器輸入販売の仕事を部門の立ち上げから経験しました。

その後、そこである上場会社にヘッドハンティングされ、新規事業として同様の
医療機器輸入販売を任され、3年間働きました。
しかし、新規事業自体は成功していましたが、そこでは社内での上層部の足の引っ張り合いや
経営者の市場を無視した進め方に疑問を持ちました(いわゆる“大企業病”)。
そんな中、「人の役に立ちたい」という自分の強い想いを実現させるのは
難しいと判断し、独立を決意し退社しました。

前の2社とも新規事業の立ち上げに携わっていたため、
会社を興すということに不安など、特別な意識はありませんでした。
当初は小規模の会社から創めようと考えていましたが、
2社目への転職のきっかけになってくれた方が有名な方で、
ベンチャーキャピタルなどに顔が利き、ちょうど定年退職をなされたこともあり、
その方に社長になって頂き資金を集め、資本金5000万円でスタートすることができました。
実質的な経営は創業時から私が行っていましたが、95年に正式に社長に就任し、
明確なミッション・ビジョンを基に、現在は社員42名、堅調に成長しています。

ビジネスで学べない、ただ一つのこと

ビジネスで必要なほとんどのこと、例えばマネジメントや
コミュニケーションなどの知識やスキルは、後でいくらでも学ぶことができます。

しかしビジネスにおいて唯一、学べないことがあります。
それは本当の意味での、真摯さや廉潔さです。
本当の意味での、というのは、他人の目のあるところでしか発揮されないものではなく、
鏡の中の自分と向き合ってなお揺るがない本質的な性質ということ。
簡単に言えば、誰も見ていないからといって街中にゴミを捨てるような人や、
今おかれた自分の境遇、能力を他人や社会のせいにする人
(多くの場合自分では気づいていない)では駄目ということです。

こうした人間の根本的な性質というのは、残念ながら幼少期・低学年で形成されていまい、
社会人になる20歳を過ぎてからでは動かしようがなく、学び取れるものではないのです。
そしてそれは、どんな人と働きたいかという質問に対しての答えでもあります。

真摯さや廉潔さがない人は、たとえベンチャーで成功し、
一時どんな大きな会社になったとしても、継続した成果創出は望めず
淘汰される運命にあります。
どんな欲望や野心、大志を持っていてもかまわない。
しかしながら根本にこの真摯さを持っていることが、ビジネスで成功する人の素質で
必須条件ではないかと思います。

人に感謝する気持ちが、情熱を生む

一日の自分の行動を、振り返ってみてください。
スイッチ一つで電気やガス、水道が使えるのはなぜでしょう。
飛行機や電車に安く乗れ、何時でもどこでも物が安く買えるのはなぜでしょうか。
それはそこに働く人々がいるからであり、人々を支える社会構造と社会全体で
コストをシェアしているからです。
このようにしてまわりの環境に意識を向けてみると、自分がいまなぜ健康で
清潔に安全に便利な生活を送れているのかがよく分かります。

支えてくれる誰かがいるからこそ、人は生きていける。
それに気が付けば、感謝の気持ちが生まれます。
さらに、平和な時代に、この国に生まれ、両親に今まで育ててもらったこと、
多くの人たちに支えられて生きていることに感謝すること。
そして素直に「有難うございます」と声に出して
他人に感謝できる姿勢を持つことが大切です。

そしてその気持ちは、その社会に対して何かを返したいという情熱となります。
だからこそ、どうして自分は生きていけるのか、生きているのかを、
常に考えていかなければいけない。
面接をしていて感じるのが、仕事において何を喜びとするかは、
だいたい3パターンに回答が分かれるということです。

まずひとつが、達成感。自分がたてた目標に対して努力をし、
それを乗り越えることに喜びを見出す人です。

次にあるのが、人に仕事の出来栄えをほめてもらって嬉しかったり、
人間関係におもしろさを感じる人。

そして三つ目が、人からの感謝されること。
自分の行為や提供したものが人に感謝されること、そこに喜びを感じられる人です。
どれも悪くはありませんが、正解は三つ目の、感謝を喜びと感じられる人だと私は思います。

さらに加えるなら、そこに無償の心があればベストです。
もしも正当な評価や感謝を受けられなくても、そこで腐らないこと。
時代が求めているのは、まさにそういう人間ではないでしょうか。

学生へのメッセージ

何のためにその会社を選択したのか、自分は社会に対して
何がしたいのかということについて、明確な考えを持って就活をしてください。

大企業であっても、出身大学の名前が採用の第一基準になることはありません。
それよりも、どれだけ明確に自分自身の考えを持ち、
それに対する情熱を心から語れるかどうかが重要です。

そして自分の情熱の在り処をみつけたのなら、
あとは臆することなく自分の考えを面接官にぶつけてください。
対象とする会社や職業も、外観のかっこよさや大きさで選ぶのではなく、
企業ミッション・ビジョンが明確であり、自分の目指す自己実現とマッチし、
その組織や仕事を通じて社会貢献が果たせるか、
そこに喜びを感じることができるかを基準にしてください。