代表取締役 石井 久明

有限会社モン・クリエイティブ 代表取締役 石井 久明

代表取締役 石井 久明

有限会社モン・クリエイティブ
設立 1990年7月
事業内容
  • WEBサイトの構築・コンテンツの企画・制作
  • ユーザーインターフェイス、フロントエンド開発
  • 広告宣伝全般の企画・制作
会社HP http://www.mon-cre.co.jp/

落書きから始まった

アルバイト先で暇を持て余して
描いていた落書きを見た人から、
「デザイン学校に行ったら?」
と助言をもらった、
それがデザインを学び始めるきっかけです。

私が若かった時分、まだデザイン学校というのは
それほどメジャーではありませんでしたから、
自分の進路としても考えていませんでした。
しかし、とりあえずもらってきたパンフレットを見て、
商業デザインに興味を持ち始めた自分がいました。

自分の手が武器になる

実際学校に入ってみると、
デザインをする前に覚えるべきことや、
習得すべき技術の多さに驚きました。
その一つ一つが新鮮でもありましたが。

デザインとは何か、という以前の問題ですね。
例えば当時はパソコンもないので、
すべて手書きでした。
そうすると、一本の線の端から端まで
同じ太さで引くのも技が要る。
コピーを入れるにしても、
いくつもの字体を自分の手で書かなくてはいけない。

それができなければ、デザインができない。
しかし、そんな地道な作業を重ねていく程に、
デザインは良くなっていくのです。

一枚の紙が商品になる

自分が手を加えることで、一枚の紙が商品になる、
というのが面白かったです。

それを生み出すために日々、
様々なモノをよく観察して
刺激を受けるようにしていました。
電車に乗っていれば広告を見るし、
新聞や雑誌を見ていてもそう、
テレビを見ていればCMのなかにヒントがないか、
そうやっていつも色々なモノを
興味の対象にしていました。

ときには、気に入ったポスターを
何とか手に入れることを考えて、
駅員さんに広告の掲載期限が終わったら
もらえるように交渉したりもしました。

興味を持つということは、
頭の引出しにしまえるヒントを
多く得られることに繋がります。
好きか嫌いかではなく、興味を持つようにすれば
客観的な視野が養われます。

そしてフリーへ

デザインプロダクションでの会社勤めを辞め、
そこからフリーで仕事を始めました。

フリーで仕事をするにあたって大事にしたのが、
信用を築くこと。
デザインの仕事というのは、形のないものを
作り、売ることだと思っています。
だから、やはり形として見えない信用が
大事にされるのです。

一回目の仕事は赤字も覚悟、休日も返上して、
自分の満足のいく仕事をしようとやっていました。
また、時間を守るのも大事ですね。
たくさん仕事をいただいていたときは、
寝ないで仕事を続けた時期もありました。

起業、インターネットとの出会い

そのようにして、
フリーでの仕事が軌道に乗り、
仕事の量が増加してきたことに伴い、
モン・クリエイティブを立ち上げました。

もともとは様々なデザインの仕事を手掛けていましたが、
現在はインターネット関連の仕事が大半を占めています。

私がインターネットと出会ったのは、
会社を立ち上げてから6年ほどしてからですね。

初めてホームページを見たときには、唖然としました。
ただ単純に、文字と写真が並んでいるだけの、
味気ない空間がそこには広がっていたのです。

もっとデザインされた表現はできないものなのか?
そう思ってHTMLに興味を持ったのがきっかけで、
この世界にのめり込んでいきましたね。

Htmlだけでは表現に限界があると気づいて、
画像を駆使したページデザインでHPを作ったところ、
それが好評で、会社の仕事は一気にHPにシフトしていきました。

新しいものに挑戦する姿勢 「やってみます」が合言葉

FLASHソフトとの出会いも大きかったです。
私は新しいモノ好きですので、
すぐに買って、自社のホームページをまずFLASHで作ってみました。
すると、これを見たお客様からお仕事をいただくことも増え、
当時注目されだしたFLASHが「できます」
と当たり前に答えることができたのは、
強みでしたね。

時には技術的に難しいという要望も勿論ありましたが、
絶対できないという確信がない限り、
可能性がありそうだと感じたら、迷わず、
「やってみます」と答えました。
新しいモノに取り組むことは楽しいし、
可能性を探っていくことは、やはり大事です。
そのことは、技術的な面でも大切にしていきたいですね。

昔からの仕事も、新しい風を吹き込んで

同じようなことを繰り返していると、確実にマンネリ化してきます。
しかし、これからも、今の延長上で仕事をしていきたいですね。
以前からいただいているお仕事も、
新しい発想と技術を対応させて、延長させていきたいです。

また、仕事にはそこから枝分かれした新たな仕事がつながっています。
そこにも興味を馳せ、日々開拓する姿勢を忘れたくはありません。

何かに特化するのではなく、
さまざまな仕事をこなせるようでありたいですね。

純粋にやってみたいな、と思うことを追求し、
直接クライアントと取引しています。
自分のやりたいこと、スタッフのやりたいことを、
これからもとことん追求していくつもりです。

最近はiphoneやipadのアプリにも興味があり、
実際に購入して触って、日々研究しています。

他にもスタッフから、新しい技術やソフトの情報を得れば、
どんどんそれを仕事に生かしていきたいと思いますね。
そのように、いつも新鮮な気持ちで、
熱身をもって仕事をしたいと思っているのです。

プロだから

会社として仕事を請け負っていても、
やはり時間的に厳しいこと、
技術的に難しいことは相変わらずあります。
しかし私はそこで、
「これは大変なんですよ」
という交渉だけは絶対にしたくない。

だって、大変だからこそ、
プロと見込んで私たちにお仕事をくれるのだから。
それを、「大変なんですよ」と返すのは無意味です。
大変さを表に出すことすら、
してはいけないと思っています。

自分はプロだから。
それを常々忘れてはいけないと思いますね。

手を動かし、注意深く、可能性を探る

この仕事は、可能性を探り続けることがテーマだと思っています。
そのために、視点や思考を変えること、
そしてそのためには一度まとめたものを壊すことは、とても重要で、
勇気がいることです。

壊すということは、一度否定してみるということです。
一本の線の太さや色、形状など、そこにもデザインが存在しています。
「これでいいのか?」と否定してみることで、さらに試行錯誤が始まる。
それが、私の言う「壊す」ということです。
「何かが違う…」と感じたら、思い切って天地や左右を反転してみるくらいの
ことをやってもいいでしょう。
途中まで作ってしまったものを「壊す」、
その手間を厭わないことが、
一番の解決への近道ですし、新しい発想が生まれると思います。
またその経験は蓄積され、勘が働くようにもなります。

また、考え方を、人から学ぶことも大事ですね。
ちょっとしたことですが、
他の人の仕事をちょっとのぞいて見ることも意外と大事です。
自分には関係のない仕事であっても、
思わぬヒントが見つかることもあります。
雑談的なコミュニケーションも大切にしてください。

自分の経験は勿論、人から刺激を受けることも大事ですね。

テーマカラー

最近のテーマカラーは、シンプルに白と黒ですね。
色の多い仕事をしているのですが、
そんな中でシンプルな美しさに気付きます。

座右の銘

中学校を卒業する際、
恩師から贈られた言葉です。
「行き詰ったその奥に、更に道あり」

アイデアに詰まったとき、
今でもその言葉を思い浮かべます。

今、諦めたらそれで終わりなんだ、
行き詰っても、まだ何かあるはずだ!
と、考えるようにしています。
実際、そうやって諦めないことで、
良い作品が生まれることが多いです。

就職活動が厳しいこのご時世ですが、
学生の皆さんにも、この言葉を贈りたいです。

また、会社に就職して
淡々とした日々に疑問を持った新入社員の皆さんにも、
この先に、何かがあるはずだ、と考えていただきたい。

行き詰っても、視線を変えてみる、思考を変えてみることで、
同じモノでも全く違って見えることは意外と多いはずです。