代表取締役 高崎 義一

キズナジャパン株式会社 代表取締役 高崎 義一

代表取締役 高崎 義一

キズナジャパン株式会社
設立 1995年6月
事業内容
  • 労務管理(勤怠管理、給与計算、給与振込)ソリューション
会社HP http://www.kizuna.co.jp/

無謀にも20歳で飲食店を始める。素人が飲食店主へ

高校卒業後、大阪の建築会社で2年間勤めました。
その会社で取引のあった家具店の隣りにあった飲食店が移転し、
そこが空いたので何かしないかと誘われたのがきっかけで、
20歳から10年間、居酒屋を経営しました。
料理もできない、全く素人の私がです。

店を始めたものの、売り上げはちっともあがりません。
借金を払うために、昼間は餃子の王将でアルバイト、
夜は自分の店で朝の3時まで働く生活を2年ほど続けました。

家賃を8ヵ月間払えず、電気や水道を止められたこともありましたが、
「逃げたら親に迷惑がかかる」と思い2年間1日も休まずに働きました。
夜中の12時過ぎになると、近所のスナックのママさんたちが、
一人で朝まで頑張っている僕を自分の息子のように思って同情してくれ、
よくお客さん連れてきてくれました。
本当にありがたかった。

そのうち料理も多少できるようになり、5年かかって300万円の借金もかえしました。
わずか8坪カウンター12席の店でしたが
30歳までの5年で6000万円を貯めることもできました。
その資金で兵庫県西宮市でモスバーガーのフランチャイズを始めました。
その理由は、個人事業主から脱皮して会社の社長になりたかったのです。

多店舗経営をしたいと30歳でモスバーガーを始める。店主から外食産業の社長へ

業界の人しか知らないことですが
アルバイトさんの時給を10円上げると年間に1万円くらいアルバイトさんの収入が増え
その代わりお店の利益は1万円減ります。
時給1000円に対して時給10円は1%になりますよね。
アルバイトさんの平均月収が8万円と仮定すると年収は、約96万円です。
その1%なら約1万円でしょう。

例えば約18万人のクルーが働くマクドナルドさんなら
1万円×18万人なので利益が18億円も減りますよね。
アルバイトさんが決められたシフトの時間より
タイムレコーダーを打つ時間が超えたりします。
お店では日常茶飯事の事です。
16時〜22時までのシフトなのに22時15分とかに打刻があったりします。
このたったの15分のオーバーが時給に換算すると4%の押し上げになるんですよ。
時給1000円なら1040円払うのと同じなんですね。
1%で1万円なので4%なら4万円でしょう4倍のインパクトになるんです。
マクドナルドさんなら72億円も利益が減るわけです。

僕がモスバーガーを経営しているとき、
2号店を出店したので店長にお店を任せることにしました。
そしたらその店長が何の根拠も無く勝手にアルバイトさんの時給を上げるんです。
それもいっきに50円とか100円
店長に聞くと「がんばっているから」「やめられたらこまるから」というわけです。
また、予定時間を超えて働くのは日常茶飯事で閉店作業時間が深夜割増になるのに
ダラダラと予定時間を超えてしまいます。
これでは利益どころか赤字になってしまい経営どころではなくなってしまいます。

多店舗化の難しさを痛感、同じ悩みを持つモスバーガーのオーナー達が
お金を出し合ってお店に行かなくても勤務状況を把握できる勤怠管理システムを
販売目的ではなく自分達のためにつくったのです。
まさかそれで飯を食うとはその時、考えもしませんでした。

阪神大震災で全店舗被災37歳、経営危機に外食産業からIT産業へ

阪神大震災で経営していた全店舗が半壊、
復旧に多額の費用が発生、借入金も倍増しかも売上が半減、経営危機に陥りました。

そのとき、このソフトを販売することを思いついたんです。
販売先は、顔見知りのモスバーガーのオーナーさんでした。
被災者であることや同じ仲間であることから
ほとんどのオーナーさんが買ってくれました。
本当にうれしくて有り難かった。
そのときにつくった会社なのでキズナジャパンと命名したのです。

人と人の信頼の絆で生まれた会社で色々な方々の応援や支援がありました。
いつかはお返しができるようがんばろうと決意をしたのを
今でも昨日のように覚えています。

飲食業界のノウハウを生かしたIT事業者になり世間を驚かせたい。

日本で初めて人件費を毎日リアルタイムに集計でき
予定シフトと勤務実績の差がグラフィカルにみれるシステムをASP型でつくりました。
ワークシェアリングが可能なシステムだという事が評価され
後にソフト化大賞を受賞しました。

また、日本で初めてFeliCaというICカード技術を使った
インターネット型タイムレコーダーもつくりました。
FeliCaは、SUICAやPASUMO、EDY、おサイフケータイに入っているICチップのことです。
後に当社のシステムをベースにし僕が命名した「インターネットタイムレコーダー」を
あのソニーがASPサービスとして事業化をしています。

恩返しの気持ちを忘れない志の高い経営者になりたい。

2008年頃、社会問題化していたネットカフェ難民、
テレビ報道を見て自分の働いた賃金を取りに行くのに交通費を使い、
しかも事務所の営業時間に間に合わないともらえない。

なんとかならないものかと考え自分で振込操作を行い
近所のコンビニのATMで365日24時間引出せるシステムを考え
ジャパンネット銀行と楽天銀行に交渉、日本で初めて実現しました。

会社が勤務承認すると同時に給与計算を行い振込ができる状態になります。
通常、振込の作業は経理担当者が行いますが
その操作をシステムが行うようにし従業員は、
その操作を行うための支持ボタンを携帯電話のWEB画面で押すだけに・・
押した瞬間に振込が実行され近くのATMですぐに降ろせます。

そのシステムの開発費に1億円も使いました。
元が取れないからやめろと周囲から散々言われたのですが
たまには恩返ししたいと思って「my給」が生まれました。

どうせやるならNO1になりたい。

労務管理システムの利用人数で世界NO1になりたいです。
当然、国内でもNO1になります。
当面の目標として3年後に国内の利用者数100万人を目指しています。
ちなみに現在、約12万人の方が使っていてこの業界では現在、国内2位です。
こんな大きな目標を掲げて本当にできるのかと失笑されることがあります。
でも、やれる自信があります。

その理由は、企業を経営するのに絶対必要なシステムは、会計と給与だと思います。
給与計算業務に必要な機能を安価に使いやすく提供すれば
必ず使い続けてもらえると信じています。
使い続けてもらうためには、
機能はもちろんサポートやアフターフォローが大事になります。
当社は、営業した人、開発した人、サポートを手伝った人、
つまり当サービスが世界NO1になるために汗をかいた人に
その人が死ぬまで売上の一部を年金として払い続ける「キズナ制度」を導入しています。
自分が獲得したお客様がこのサービスを使い続ける間、
死ぬまでずっと年金として払い続ける制度です。
当然、開発者も管理部門の人も含まれます。

例えば100万人の利用者ができれば月額利用料500円、
毎月5億円の売上の8%、4000万円が原資になります。
200人のOBがいたら1人20万円の年金が支給され、
ヘルプデスクやサポートの仕事には定年はありません一生働けます。

当社が営業委託した会社にも解約がない限り数十%の営業手数料を払い続けます。
特定な人、つまり創業者や大株主だけが莫大な富を得るとか
常に増収増益を続けないといけないという会社にしたくありません。
適正な販売価格で適正な利益を確保し適正な配分を行い
会社の存在意義や目的達成に貢献した人、がんばった人が
それなりに報われる「きずな制度」をつくりました。

私利私欲があまりないので、よく「変わった人だね」と言われます。(笑)
こんな会社があってもいいでしょう。ネ
志の高い仕事をしたいんだと熱く語ると
面接にきた人のほとんどが入社したいと言われます。
全員、雇うわけにはいかないので
パソコンスキルのテストや人事の面接はしっかりとやっています。

「会社のためとか社長のためではなく、自分の人生の目的を達成するために
うちの会社が必要だったら利用していいよ」と必ずいう事にしています。
そんなことを言うと益々やる気になっちゃうんですよね。(笑)