代表取締役 中里 新三郎

株式会社シンパティコ 代表取締役 中里 新三郎

代表取締役 中里 新三郎

株式会社シンパティコ
設立 1997年7月29日
事業内容
  • イギリス BISLEY社 ドイツ SYSTEM180社 共にスティールファニチャーの日本総代理店販売業務
会社HP http://www.bisley.co.jp/

独自のモノ・コトを見出したい

起業まで、起業してからも、時代の風に合わせて色々なことをしてきています。
根をしっかりと張っていますが、風になびく柳のような生き方ですね。

私がBEAMSに入社したのは20歳のとき。
当時のBEAMSの服は、いわゆる「外人かぶれ」な若者たちが、
欧米人の生活や文化そのものを想像しながら、自分の憧れと共に着ていました。
今よりもモノや情報の少ない時代だったので、
限られた情報で瞬時に時代を捉えていくことが楽しかった。

ところが情報産業が発達するに従い、
今まで人から人へと伝わっていた情報や文化がマスコミを通じて垂れ流されるようになり、
人と人との間で培われてきたものが壊されてしまった。
資本主義の煽動により、マスコミは一番ニーズの高い中流向けに情報を発信するようになり、
ブランドの価値観なども変化しました。

現在はそれも小康状態になり、30年ぶりに日本人に趣味の世界が戻ってきていると思います。
自分と向き合ったときに、趣味の世界は優しくしてくれるもの、という思いがあるので、
時代が良くなってきていることを確信しています。

細く長いストーリーを描いて

BEAMSを離れ、父の会社を手伝ったり他の仕事をしたりする中、
あるアパレル会社の役員さんに起業をすすめられました。

30歳のときにアパレル・コンサルティング会社「オフィスドライバー」を設立。
以後8年間同社を経営しました。
「シンパティコ」起業のきっかけは、windows95の発売。
PC時代に突入し、私自身もMacに惹かれて購入しました。
そこでMac用のデスクを探したのですが、日本にはちょうど良いものがない。
イタリア・ミラノの目抜き通りで見つけたのが「BISLEY」です。
初めて見た瞬間、体に電気が走りました。

37歳で「BISLEY」の本社があるイギリスへ渡航。
「問屋の力を借りた方がいいんじゃない?」などと言われることもありましたが、
初めはID?EやPACIFIC FURNITUREなどに売り、デパートへの出店は控えました。
私の中に「細く長いストーリー」があり、今はその時期ではないと思ったので。
結果、創業から半年で60件あまりの取材を受け、売り上げは飛躍的に伸びました。

ホビーの先導として

2008〜2010年の間は、個人のお客様を維持できても、法人のお客様が減少の傾向に。
そこで私の経営革新としてホビーを「BISLEY」に持ち込みました。

私は趣味でロードバイクに乗っているので、
そのホビーライダーたちのジャージを作ろうじゃないか!と思ったのです。
本格的なレースチームではなく、
大人の楽しみとしてロードバイクに乗っている私自身、
「着たいものがみつからない!」という思いを持っていましたので。

「bici」というブランド名は、イタリア語で「自転車」「チャリンコ」という意味です。
自転車の価値・位置づけが上がってきているなかで、
健康やエコ意識を持っている人たちを導きつつビジネスがしたい。
自分たちの商売をするだけの資本主義はカッコ悪い、
売るための説得力がないと私は思っています。

「個」を大切にし、自分と向き合う時代が戻ってきたのですから、
今後もそうした人々の趣味や楽しみに貢献していきたいですね。

学生へメッセージ

起業してからの話ですが、
ある夕方、ふと「自分のために働く幸せ」を感じました。
気を遣わず、自分のやりたいことを仕事にしている幸せですね。

今の時代は独立したり、起業するには良い時代なのではないかと思います。
例えば私は自転車が好きですから、
若い人に自転車の組み立て屋さんなどをやって欲しい。
そして、お客様の求める、スピードで提供していって欲しいですね。
この仕事に関して言えば、4畳半もあれば社長になれるかも知れない。

仲間同士で共有する価値観があれば、仕事を立ち上げられます。
方向性が間違っていないかどうか話し合うことで、
人と人が交わることで仕事に立体感が生じます。

何もないところから、ゼロからスタートするから、生粋。
感性に風通しを良くして、世の中のストーリーを作って欲しいです。
女性が強く、男性が草食系などと言われていますが、
女性だけに社会を任せず、同じジェネレーションで一緒にストーリーを作ってください。

社会の救済活動だと思って、人が笑うこと、喜ぶことをしてみる。
そんな仕事が社会貢献にも繋がると思います。