代表取締役 市川 博史

都商事株式会社 代表取締役 市川 博史

代表取締役 市川 博史

都商事株式会社
設立 1989年
事業内容
  • 不動産賃貸業
  • 介護・介護予防事業
  • 損害保険代理店
  • 外食事業
会社HP http://www.miyako-corp.com/

三代目の跡取り息子として育ちつつも……証券マンに

当社の前身は、私の祖父が1958年に東京で始めた製紙会社でした。
私は長男で、幼い頃から“跡取り”と言われて育てられてきました。
会社の工場の敷地内に住まいがあり、従業員の方とも家族のように接していて、
自分でも、いずれ家業を継ぐことになるのだろうと思っていました。

大学時代は、「どうせ家業を継ぐなら、その前に自分が好きなことをやりたい」と思い、
あえて製紙業とは全く違う、東京の証券会社に入社。
金融業界で、マクロ的なものの見方や考え方を身につけたいという思いもありました。

法人への株式営業をしましたが、外資系ということもあり、実力主義の世界。
同じフロアに、年収1億円以上の人も何人かいました。
もし、私がトップセールスになったりすれば、
家業以外の道が開けるかもしれない、という思いもありましたが、
バブル崩壊もあり、なかなか難しい状況。
5年後、ぼちぼち家業を継ごうと思い、退職しました。

家業で社長に就任、外食事業に参入

12年間製紙業に従事後、製紙部門を営業権譲渡し、
不動産賃貸業、損害保険代理店を営む都商事に専従、2006年に社長に就任しました。

社長になり、何か新規事業を始めようと研究しているうちに、
しゃぶしゃぶ専門店『しゃぶ楽』を運営している、
アース リレ−ションとの出会いがありました。
私自身「食」に興味があると同時に、環境に配慮したオール電化の店舗設計や
「一人一鍋」の個鍋スタイルという差別化が図られたコンセプトに共感し、
外食事業に進出を決意。
2007年に、フランチャイズ1号店の『しゃぶ楽 浜松上島店』を開店しました。

外食というのは全く未知の業界でしたので、
管理の仕方なども分からず、戸惑う部分もありました。
しかし、“1号店”というのも魅力でしたし、全てが初めてのことばかりで、
大変というよりは新鮮に感じましたね。

介護の新分野“リハビリデイサービス”に進出

それからも、さらに新規事業のヒントを探し続けました。
私は、以前から介護事業に興味があり、定期的に介護施設を見学していました。
もちろん社会貢献できること、
そして、今後ビジネスとして成長する分野であると思ったからです。

ある日、知人から、「おもしろい介護の業態がある」と聞いて見学しに行ったのが、
『リハビリデイサービスnagomi』でした。
介護保険の中でも、“介護予防”という、新しい分野の施設です。

介護では、要介護者の日常生活に密着して生活の様々な局面で介助をしますが、
介護予防は、ご利用者の健康の「維持と改善」を目的とした事業です。
介護認定を受けている方に、以前のような生活ができるようになるためのお手伝い、
また生涯現役の応援をするという、“新しい価値”が心に響いて、
「これはやらないと後悔する」と思いました。
そして、2010年、
フランチャイズで『リハビリデイサービスnagomi 江戸川店』を立ち上げました。

介護の仕事は“3K”だといわれますが、
職員が働きやすいことも、リハビリデイサービスnagomiの新しいところです。
職員は完全週休2日制で、夏期冬期GW休暇もあります。
また、機能訓練に特化しており少人数体制でありながら、
職員の負担は比較的軽く、かなり働きやすいのが特徴です。
また、ご利用者が日に日に改善していく様子を実感したり、
「歩くのが楽になった」などの感謝の言葉をいただくと、
非常にやりがいがあり、心の満足度が高い仕事だと思います。

nagomiの提供するサービスの潜在需要は200万人といわれていますが、
施設の数は絶対的に不足しているのが現状です。
この新しい業態をさらに広めるために、
今後はスピード感を持って新店舗を立ち上げていきたいです。

“徳においては純真に 義務においては堅実に”

これは、私の娘が通っている中学校の校訓で、私が非常に気に入っている言葉です。
素直で純粋な心で、なすべきことは誠実に勇気を持って最後まで行う、といった意味です。

私は、社員に常々「正しいと思ったことは最後までやり抜こう」と言っているのですが、
まさにそのことを表す、素晴らしい言葉だと思っています。

自分自身を“商品”としてアピールしよう

証券マン時代は、株式という、形のないものを売るわけですから、
上司からは「株式営業ができれば、どこの業界でも、何でも売れる」と言われました。

当時はインターネットはなく、70社ほどあった証券会社は、どこも手数料は同じ。
その中で、自分にご発注いただくということは、自分を選んでもらうということです。
選んでもらうためには、自分自身を商品としてアピールしていくこと、
その裏側では、勉強してスキルを上げることが大事です。

自分を見つめ直して、自分の価値を高めてください。
就職するのは大変だと思いますが、就職がゴールではありません。
憧れの業界や会社のブランドも大切かもしれませんが、
最終的には自分の力で生きていくしかないのですから。