代表取締役社長 井内 良三

代表取締役社長 井内 良三

設立 1992年
事業内容
  • 教育ソフトの企画開発と販売
  • 「世界一実効ある教育システム」を目指して開発された『天神』は、
    子供が内発的動機付けによって、
    学び続け成長し続ける習慣と力を身につけさせます。

会社HP http://www.tao-st.co.jp/

漁師の家に生まれた文学少年

私は、1959年、徳島県小松島市にて5代続く漁師の家に長男として生まれました。
将来は漁師になり家を継ぐことを期待されていました。
しかし幼い頃から中国の歴史や文学やアインシュタインに興味を持っていた私は、
大学に入って大学教授になろうと思っていました。

父が提示した条件は次のようなものでした。

「おまえが大学に行きたいのはわかった。
 東大か京大のどちらか一つだけの受験なら許してやる!」

今思えば、父はこれで諦めると思ったのでしょう。

中学から陸上に没頭していた私は悩みました。
高校でも陸上をやりたい。
が、大学も行きたい。
でも塾に行く時間はない。
じゃあ、やったる!

そう考えた私は、普段の授業はコツコツと勉強、夕方からは陸上三昧の日々を送りました。

高校3年の12月、陸上の大会が終わり高校でのクラブ活動が終わりを告げました。
受験勉強らしきものをあまりしていなかった私は、陸上の大会が終わった翌日から
夜9時に寝て朝3時に起き、集中的に受験勉強をスタートさせました。
背水の陣の3ヶ月が効を奏し、無事に京都大学の文学部に入学することができました。

価値観を変えた重病の青年の笑顔

大学生活を送っていたある日、全治13ヶ月という
生死をさまようバイク事故にあってしまいました。
なんとか退院しましたが、交通事故の後遺症で腰痛を抱えてしまいます。
しばらくは我慢して生活していましたが、その後の人生を考えて
腰痛解消の手術を決意しました。

そして、入院した病院で、ある青年に出会います。
20歳のその青年は不治の病を抱えているにも関わらず、
お見舞いに来る人をいつも笑わせていました。

「不治の病なのに、なぜ彼はあんなに明るいのだろう」

腰痛でも絶望感を抱えていた私は、気になって仕方ありませんでした。
入院中にひたすら考え、結論を導きだしました。

「何をするかではなく、どう生きるか」
「成り得る最高の自分になることが重要だ」

彼は、全てを受け入れて、彼の今できることを精一杯していたのでした。

自己実現を目指して生きる

マズローの欲求段階説をご存知でしょうか。
人間の欲求を、生理的欲求、安全の欲求など5段階に分割した考えで、
最上位に定義されているのが「自己実現」です。
私は「自己実現」を「成り得る最高の自分になること」と定義しています。

入院中の青年は、その時の状況下で「成り得る最高の自分」になっていたのです。
このことに感銘を受けた私は、「彼のように輝く笑顔をたくさん見たい」という思いから
「多くの人の自己実現を支援したい」という思いを募らせていくようになりました。

多くの人に自己実現を。学ぶチカラを身に付ける教育を

自己実現を達成するためには何が必要なのか。
知識、思考力、情報、お金、人生を豊かにする要素はたくさんあると思います。
必要なものは人それぞれで違うでしょう。
その中でも共通するものは何か、考え抜いた末に
「最も必要なものは『学ぶチカラ』である」と結論付けました。
「学ぶチカラ」とは、自分を取り巻く全てのものを認め受け入れて、活かす「チカラ」です。

ヒトは、生涯学び続ける生き物です。
ですので、私は「学ぶチカラ」が人生を豊かにすると考えています。

「学ぶチカラ」の基礎は、子ども時代に養われます。
例えば、幼少期に勉強が嫌いになり、少しでも難しい問題にぶつかる度に
「考えること」を止めてしまったとします。
このような場合、考える習慣が身に付かないまま大人になるため、
状況を活かす方法が考えられず、拒否するか諦めるかになってしまいます。

子どもの時に、しっかりと「学ぶチカラ」を身に付けると、どのような状態でも
まずそれを受け入れて、今取り得る最善の行動を採ることができます。
これが「成り得る最高の自分になる」自己実現への道です。

お客様の立場で最高のものを求めるうち、独立・会社設立へ

私は、当時既に教育業界で教材を販売する仕事に就いていました。
「どうすればお客様に喜んでもらえる効果的な教材にできるか」を考え、
実現するため、教材開発・改善のお客様の要望を開発サイドに要請していました。
しかし、回答は、お客様の立場を代行する私にとっては不十分なものでした。

「自己実現を支援したい」
「子どもに本当の学力を与えてあげたい」

日に日に思いが募っていた私は、本当に効果があり必要とされる
教育システムの開発を目指して独立を決意しました。
これが株式会社タオ設立のきっかけでした。

子どもにとって楽しく効果のある教材にするため、研究に研究を重ねる日々

本当の学力とは何か。
どうすれば子どもは本当の学力を身に付けるのか。
3年間、日々考え続け、システムの中に、問題の中に工夫を加え続けました。
こうして出来上がったのが「天神」学習システムです。

「天神」を開発する中で今までの自分の人生、大学入試の為の勉強、
大学在学中の研究、交通事故にあったこと、青年に出会ったこと、
ドーマン博士の能力開発理論、モンテッソーリの幼児教育理論、
脳の役割と発達の解明、その他いろいろなものとの出会いが「天神」の中に
統合されていくのを感じ、「あぁ、そのための経験だったのか」と得心しました。

開発を始めてから18年が経った今も、「天神」にかける思いは変わりません。
これからも、私と同じ思いを持つ仲間の「自己実現への道」だと信じ、力を合わせて
「世界一実効ある学習システム」を目指し開発を続けています。