代表取締役社長 鈴木 明人

GMO SEOテクノロジー株式会社 代表取締役社長 鈴木 明人

代表取締役社長 鈴木 明人

GMO SEOテクノロジー株式会社
設立 2006年12月
事業内容
  • PC/モバイル向けSEO事業
  • WEB集客コンサルティング事業
  • PC/モバイル検索連動型広告支援
  • WEB/モバイル制作・システム開発事業
会社HP http://gmo-seo.jp/

大手自動車会社で働きながら、個人で貿易業も

大学時代は、将来は大きな会社に入って安定的に稼ぎたいと思っていました。
そこで、どの業界でも通用し、どの会社でも必要とされる、
ビジネスの根幹であるマーケティングの勉強をしようと考え、商学部に入りました。

1998年に大学を卒業して、大手自動車会社に入社。
自ら志望してマーケティング部に配属されました。
マーケティングはお金や物の流れを知り、お客様と接し、
プロモーションにも関与するという、
これから自分のステージが上がって行く中で欠かせない要素をすべて備えた
“おいしい”仕事だと思ったからです。

その頃から、会社勤めの傍ら、個人事業主として
常に2、3の仕事をしていました。
ヨーロッパから自動車やブランド品などを輸入販売する貿易の他、
WEB制作、ECなども手がけました。

夜や土日などの空いた時間にやって、時には会社の給料よりも収益が多かったことも。
しかし、それらはあくまで趣味の延長で、それで起業しようとは考えていませんでした。

先の見える人生はつまらない

僕は、親族の関係で、もともととある財閥系の会社に入ることが決まっていました。
クルマが好きなので系列の自動車会社に決めたのですが、
入ればすでに将来の安定した地位が約束されていました。

しかし、そうしてレールを引かれることに反発を覚えるようになりました。
課長で終わることはないけど、かといって社長になれるわけでもない。
そんなふうに先が見えてしまう自分の人生が、つまらなく思えてきたのです。

そして、入社して2年ほど経った頃から、
「独立したい」という思いが強くなっていきました。

何かしたい。でも何をしたらいいかわからない。
1週間に1本くらいのペースでビジネスモデルを考えては書き、
ノートがいっぱいになっても、まだ答えは見つかりません。

起業を志しつつ……二度の転職

そんな悶々とした日々を過ごし、入社5年目で、
「独立する」と言って会社を辞めました。
ちょうどその時、日産自動車からスカウトがきたのです。
それまでいた会社とは対照的に、逆境をはねのけて上がってきた会社を知り、
また、カルロス・ゴーンという人を知るよい機会だと思って入社することにしました。

日産では、キューブをはじめとするコンパクトカーのマーケティング戦略を担当。
ゴーン社長と接する機会もありました。
そして3年後、再び「独立する」と言って退職しました。

今度こそ起業しようと思いつつも、まだ踏み出せませんでした。
今まで、自動車業界だけで、しかも大会社にいた自分に、いったい何ができるんだろう。
独立すると言いながらも、やることが見つからないという葛藤から、
リクルートの採用試験を受けたところ、合格。
自動車業界での経験や知識が生かせることから、
『カーセンサー』を制作している部署に入りました。

リクルートに入社してからは、起業を視野に入れて動いていました。
プロモーション、アライアンスの仕事をし、自分からいろいろな会社に
コンタクトを取り、100社以上のWEB系の会社に足を運びました。
その時に知り合った方たちは、今も仕事でお付き合いが多いですね。

自分はいくらで売れるのか?

そして、約1年後にリクルートを退職。
2006年12月に、現在の会社の前身である、株式会社イノベックスを設立しました。
起業した瞬間は、どこにも所属せず、自分のお金で運営していくということで、
少し怖い気持ちもありました。
しかし、会社が失敗したとしても、必ずまた就職できるという自信がありましたから、
そんなに追い込まれた気持ちにはなりませんでした。
何よりも、5年以上も思い続けて、やっと独立できたのですから、
心折れることなくひたすら仕事に打ち込むことができました。

仕事の成果が全てダイレクトに自分に返ってきますので、やりがいがあります。
その半面、きちんと結果を出さないと次の仕事はありません。
仕事の成果=自分の値段です。
「自分はいくらで売れるのか」「お客様は自分にいくらの値段を付けてくれるのか」
という気持ちで突き進みました。

今後はSEOをはじめとするWEB集客の事業で、高い評価をいただけるようになりたいです。
SEO業界では、規模、知名度を含めまだまだ小さい会社ですが、
WEB業界で「GMO TECHのSEOっていいよね」という噂が
聞こえてくるようになったらうれしいですね。

座右の銘は「スピード」

1998年の新入社員として入社した時から心がけていることは「スピード」です。
締切のあるものは、必ず「期限より早く出して80%のクオリティ」にしています。
「期限通りに出して100%のクオリティ」は求めていません。
もちろん、「期限を過ぎて100%のクオリティ」は意味がありません。

社会人になってから、「遅い」と言われたことは一度もありません。
ただし、「100%を目指せ」と言われたことはありますが(笑)。

期限ギリギリまで仕事を抱えていることがストレスになってしまうので、
嫌なんですよね。
メールも、必ずその日のうちに処理します。
人を動かす仕事になればなるほど、自分でボールを持っていてはいけないと思います。
業務を滞らせてしまいますからね。
とにかく早く処理してボールを人に渡すこと。渡された方は大変かもしれませんが。

大きな会社では仕事の基礎を学べる

起業を目指す人も、まずはある程度規模の大きい会社に入るのがいいと思います。
ベンチャー企業のいいところは、若いうちから多くの仕事を任され、
幅広い業務を経験して、早く成長できることでしょう。
しかし、少人数の会社ですと、なかなか教育に手が回りません。

知識も技術も十分にあって即戦力として通用する方なら自分で成長していけるのですが、
何もできないけどベンチャースピリッツだけがあって、
入社してから教えてもらおうと思っている人だと、失敗します。

僕は自分で起業してよくわかったのですが、せっかく新卒採用をしても、
自分が外を飛び回っていてほとんど会社にいなかったので、
仕事を教えてあげる時間が持てないのです。
だから社員が育たず、創業当初は高離職率という
悲惨な結果を招いてしまったことも多々ありました。
今は、離職率の低い会社になっていると思います。

大きな会社は何かとシステムが備わっているので、じっくりと仕事を教えてもらえ、
物事を考える基礎の知識やスキルを身につけられる。
そして事業全体の素晴らしい部分を体感し、視野を広げることもできます。

僕自身の人生を振り返ってみても、大企業で経験を積み仕事の基礎となる知識を身につけて
「自分はこれでやっていける」という自信を持てるようになってから起業したのは
正解だったと思っています。