代表取締役社長 桃井 隆良

ルネサンスアカデミー株式会社 代表取締役社長 桃井 隆良

ルネサンスアカデミー株式会社 代表取締役社長 桃井 隆良

ルネサンスアカデミー株式会社
設立 2006年1月19日
事業内容
  • 通信単位制高校 ルネサンス高等学校の運営
会社HP http://www.r-ac.jp/

株式会社+インターネットを使った通信制高等学校

今の会社を立ち上げる前は、親会社であるソフトバンクに出向して、
Yahoo! BBの営業を担当していました。
その事業が一段落し、グループ会社のブロードメディアに戻ってきてから
「何か新しいことをやりたい」と思うようになりました。
そこで、いろいろなビジネスを探していた時に、インターネットを使った
通信教育をしている高校があるということを知ったのです。

以前は、学校教育法によって、国や地方公共団体、学校法人以外は
学校を作ることができませんでした。
しかし、当時の小泉内閣が、株式会社も学校を作って
経済を活性化させようということで、教育特区制度ができました。

ゆとり教育などの影響で教育が停滞していたという背景もあります。
これによって「株式会社」「インターネットを使った通信教育」「高校」という
イメージができあがり、2006年にルネサンス高等学校を設立しました。

夢に向かって好きなことをしながら勉強できる場に

僕は、新しい学び方を作りたいんです。
今の学校教育の問題は、みんなが同じことをしていることだと思います。
教科書も、ほとんどが学習指導要領に基づいて作られていますから、
どれも同じような内容。
同じ所で同じことをしている人ばかりでは、日本は活性化しないでしょう。

この学校の良いところは、単に高校卒業単位が取得できるだけでなく、
時間や場所を選ばないので、自分のやりたいことをしながら勉強できるということです。
Wスクールも可能ですから、美容学校に行きながら高卒資格を取るために
入学する生徒もいます。
タレントの卵や、プロテニスプレーヤーを目指して昼間はテニスの練習に
打ち込んでいる生徒、海外にバレエ留学しながら日本の高卒資格を
取りたいというバレリーナもいます。

有名クラブを経営するオーナーママが、店が軌道に乗ったので
新しい事業を始めたい、そのために高卒資格を取りたいと言って、
ベンツを駆ってスクーリングにやって来たことも。
また300人の社員を抱える会社の経営者で、家庭の事情で高校進学できなかったけど、
海外への事業展開のために必要を感じたから、という方もいました。

僕は、そんな夢や、みんなが好きなことをするのを応援したいんです。
単に高卒資格を取るためだけなら、この学校を作らなかったかもしれませんね。

勉強嫌いをなくしたい

とはいえ、1300名いる生徒の70%は不登校・中退の子どもです。
今、日本の学校の多くは、生徒のやる気をなくさせ、
勉強嫌いを作り出しています。
そんな子たちに勉強の楽しさを教えてあげ、
やる気を持ってもらうことが当校の目的です。

人をやる気にさせるほど難しいことはありません。
特に、不登校・中退の子には、極度な勉強嫌い、学校嫌いの子が多いですから、
勉強に目を向けさせるのはなかなか大変です。
でも、理科が大嫌いだったけど、当校のスクーリングで理科の実験をして
楽しかったので好きになり、勉強するようになったという子もいます。

そうしてやる気を出して、何か一つでも人生の目的を持ってほしいんです。
自分なりの目的があれば、頑張れるはず。
元気をなくしている子を元気にさせて、感動できる人生を送ってほしいですね。

そして、生徒たちには、なるべくなら大学に進学してほしいです。
日本ではまだまだ学歴が重視されていて、高校を卒業していることは
もちろん大学を卒業していないと本当に就職が難しいからです。
僕は学歴にはこだわらない方なのですが、それが現実。
学生時代よりも社会人になってからの期間の方がずっと長いのですから、
学校よりも就職が大事です。
学校は、社会に出てからよりよい人生を送るための準備をする場だと思います。

通信教育の海外展開で日本を元気に

今、2校目となるルネサンス国際高校を、2011年4月開校に向けて準備中です。
また、来年からはインターネット留学も始める予定です。
外国人が、海外にいながら日本の高校の卒業資格を取れるようにします。

もちろん日本語で授業をしますから、日本語を話せる人が増えますし、
日本の情報を発信することによって、国際理解にもつながります。
そうすると、日本に観光や留学、仕事で来る外国人が増えて、
国内が活性化するに違いありません。

今の日本は全体的に内向きで元気がないですが、
そうやって世界の中で再び日本の地位を高めていきたいです。
そしていつか、「日本語を国連公用語にする」というのも僕の夢です。

“人が好き”な教員に集まってほしい

採用する教員は、いい意味でテンションの高い人が理想です。
クール過ぎても、逆に熱血過ぎても、生徒はついてきませんからね。
また、心身ともに元気で、その結果として明るい人。
そして、楽しいことを人と共有できる人。

それらの根底にあるのは「人に喜んでもらおう」という気持ちです。
人間が好きでないと教育の仕事はできませんからね。

何もしないでいることは大失敗

僕は、これまでに数え切れないほどの新規事業を立ち上げてきました。
きちんと勉強して、調査して、事業計画書を作って実行するのですが、
1回だって計画通りにできたことはありません。
しかし、よい挫折経験は必要です。目標があれば、必ず立ち直れるはずですから。

失敗しない秘訣は「何もしないこと」です。
でも、何もしないこと自体がすでに大失敗なんですよね。
小さな挑戦、小さな失敗を積み重ねていってください。

そして、未来を楽観的に考えましょう。
入社試験に落ちたって死ぬわけではありませんから。

“職道楽”になろう

「知るは好むに如かず 好むは楽しむに如かず」
これは、中国の古い言葉です。
仕事を知っているだけではなく、好きにならなければいけない。
仕事を好きなだけではなく、楽しまなければいけない。

僕は、今はやっと「好む」のレベルまできました。
まだ「楽しむ」までは達していませんが。

楽しめるレベルの人だと、どんなに体が疲れていても仕事をすると元気になるんですよね。
そういう状態の人を何人か知っていますが、
彼らが揃って言うのは「俺を殺すのは簡単だ。仕事させなければいいだけ」

創業者というのは、たいてい「職業の道楽家」なんです。
そうなることが、人生で成功する秘訣なのかもしれませんね。