代表取締役 古荘 貴司

株式会社日本情報化農業研究所 代表取締役 古荘 貴司

代表取締役 古荘 貴司

株式会社日本情報化農業研究所
設立 2005年12月14日
事業内容
  • ソフトウェア開発ならびに関連サービス
  • 農業技術情報に関する調査研究
会社HP http://www.n-i-agroinformatics.com/

【学生時代】

中高一貫の男子校に通っていた私は、
毎年変化のない環境で過ごすことに悶々としていました。
それをなんとか打開しようと生徒会に入って他の学校の生徒会を集めて
勉強会を開催するなど学外に輪を広げようと試みたりしていました。

大学では昔から関心があった機械系の学部に進み、
部活ではフィギュアスケートをしていました。
理系だったので、周り同様なんとなくそれが当然のこととして、
大学院に進むことに決めました。
特に変わったことのない、ありきたりの学生生活でした。

【京大卒、そしてニートへ】

大学院では交通事故や交通渋滞の研究という
少し心理学寄りの研究をしていました。
大手自動車メーカーなどの推薦もありましたが、そういった会社では
研究テーマに近い興味のある仕事ができなさそうだったため、
経営コンサルティングの会社に内定をもらい、就職を決意しました。

ところが、もともとプレイヤー肌の私にコンサルタントという仕事は
どこかしっくりこないところがあったため内定をお断りし、
ちょうど知り合いが農業のビジネスを始めたのをきっかけに、
私もその事業に参画することにしました。

本当においしい野菜を知らない都会の小売店や飲食事業者に
よい野菜を流通させるのがその会社の目的でしたが、
まだ学生の新参者が何を言っても聞き入れてくれるところは少なく、
さらに収益性も低かったので、私は身を引くことに決めました。
その頃には卒業も決まっていたので、私はニートの道を余儀なくされたのです。

【起業のきっかけ】

それからしばらくは先輩から仕事をもらうなどして食いつなぎましたが、
この頃を思い返すと今でも胸が痛くなりますね。

半年後、このままではまずいと思い、学生時代の経験から
就職するより会社を興したほうが楽だと判断し、
農業技術コンサルの事業を始めました。

なかなか話を聞いてくれない既存農家ではなく新規就農者の支援に
早々に方針を転換し、技術開発という点では成果もでててきているのですが、
戸別補償政策など、我々のような者にとっては逆風の政策状況となってしまい、
現在は様子見を強いられています。
規制の厳しい業界でのビジネスの難しさですね。

【今後のビジョン】

以前の事業の失敗から、
目先の収益は仕事の選り好みをせず確保しなければならないと考え、
当初からWebシステムの受託開発も行なっていました。
しかし、これもやってみると農業と同様に
まだまだ非常に非効率なことが行なわれていることがわかったのです。

システムの品質にまったく寄与しない、
無駄なところに大きなコストが支払われている。
ユーザにとってはシステムが正常に動作することは当たり前であって
「使いやすさ」こそが大事なのに、使いやすさ向上の努力、
つまりはユーザインターフェイスの開発は一般的なフレームワークでは
開発フローの中心の位置を与えられていない。

IT畑の人間が農業の合理化を目指すというのに、
システム開発それ自体を合理化できていないのではダメだと感じ、
農業とは全く関係なく、Webシステム開発における実装フローの改善、
工数圧縮を可能とするCMS「SOY CMS」を開発しました。
現在はそれが事業展開の中心となっています。

2008年3月からオープンソースとして無料公開してきましたが、
Web制作事業者にとってはかなりの業務効率が図れる仕組みであり、
今では正確には把握していませんが数千〜数万のユーザーが利用しています。

今後はこの「SOY CMS」から派生するカスタマイズやサポート業務の拡大、
他社への技術供与、Webサービスの展開、海外での普及活動をしていくことで
さらなる発展を目指したいと思っています。

現在は社員もまだ5名ですが、
直近で10名程度の体制にはしたいと思っています。
2010年夏にはオフィスも移転予定です。