代表取締役 兼子 栄治
設立 | 2002年(創業1998年) |
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事業内容 |
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会社HP | http://www.8gco.com/ |
【第1章 〜起業の目覚め〜】 『大学4年間は自分探しの4年間』
高校、大学と、とにかく私はバスケ一本の青春時代を過ごしてきました。
無論、大学卒業後もそのまま企業でも入って、一生サラリーマン生活を
送るものとばかり思っていました。
でも、どこかその将来に中途半端さを感じていたのも事実です。
そんな私の将来設計を大きく変えたのが、当時アルバイトとして働いていた飲食店でした。
もともとカフェやバー、クラブといった人が集まるところが好きだった私は、
どうせやるならとアルバイト先に飲食店を選びました。
そこでは接客からお酒や料理の作り方までありとあらゆることを学ばせてもらい、
さらに給与やまかないまでもらえる。
飲食に興味を持っていた私にとっては最高の環境でした。
そうこうしているうちに次第に飲食業への想いは強まり、
20歳、大学2年生にして中退。
3年後に自分のお店を持つことを胸に、まずは元手となる1,000万円を
3年間の間に貯めることを決意しました。
私は大学を卒業することに何の意味も感じていませんでした。
卒業することが目的なのではなく、大学4年間は自分探しの4年間だと思っていましたから、
それが見つかったのならすぐにでも辞めて、
その夢に向かって一歩踏み出すことの方が大事だと思うからです。
【第2章 〜1号店オープン〜】 『自分が貯めたお金でお店を創る喜び』
3年間という期限と1,000万円という目標が定まった私は、
少しでも早く実現させるために、大学中退後、即刻行動に移しました。
まずは収入が良いという理由で鳶職をはじめ、夜の空いた時間を使って
水商売の仕事を掛け持ちしました。
最初はお金目的で始めたこの二つの仕事も、
結果的には起業する上でとても重要なことを学ばせてもらいました。
鳶職でお世話になった親方からは極限の力仕事という環境の下、
一度限界を感じてあきらめようとした時でも、気の持ち方一つで
その限界を超えられるということ。
一流の方々が通う夜の高級クラブでは、
一流の接客に求められるスピード感ときめ細やかなおもてなしを学びました。
もともと一つのことに没頭しやすいタイプだったのか、
気が付いたら3年で3,000万円という、予定の3倍ものお金を集めることができました。
いよいよ第1号店となるダイニングカフェ『8b』をオープン。
3年間、汗水たらして一生懸命働き、その自分が貯めたお金で
お店を創る喜びと言ったら、もう言葉では言い表せないほど。
お店に最後の荷物を運ぶために車で移動中、
その喜びと不安で目から涙が止まらなかったのを今でも鮮明に憶えています。
【第3章 〜成功と挫折〜】 『僕の原点は、飲食店』
1号店があった堀江にはアメリカ村が近いにも関わらず、昔からの家具の問屋街の流れを受けて、
当時『8b』以外に若者向けのカフェは存在しませんでした。
さらにそれまで培った人脈を活かし、『8b』はわりと早く軌道に乗り始めました。
その1年半後に、その後大ブームとなったアジアンダイニングを2号店として出店し、
有名デザイナーと手掛けたそのインテリアが雑誌やTVでも話題を呼び、
毎日行列ができるほどのお店に成長しました。
とんとん拍子で拡大していく事業と並行して、若くして富と名声を手に入れた私は
まるで王様にでもなったかのように、自分は何でもできると誤信していました。
そのツケが3号店を出店した後に訪れます。
競合店も多く現れ始めたその頃、出店したばかりの3号店は
どんどん業績悪化に見舞われました。
他店舗にもそのシワ寄せがいくのを恐れた私はその穴埋めとして副業も始めましたが
パートナーに裏切られ廃業。
その後を追うかのように3号店も閉店を余儀なくされました。
その頃の私はとにかく悩みました。
このまま飲食業を続けるべきか、他のビジネスに転換するべきか、
1ヶ月程ほとんど眠れずに、悩み続けました。
悩んで悩んだ結果出た答えが、
「僕の原点は、飲食店や」
ということだったのです。
何のために苦労してまで起業したのか、何がしたくて起業を志したのか。
それは全て飲食業という最も人を喜ばせることのできる事業を自分で創りたかったから。
最終的にはそこに行きついたのです。
それからはとにかくがむしゃらに既存店に情熱を注ぎました。
【第4章 〜今後の展望〜】 『飲食業=好きなものの寄せ集め』
既存の2店舗に集中した甲斐あってか、会社の業績も回復の兆しを見せ、
その後イタリアンレストラン、スイーツ、ブライダルレストランと、
次々に新しい業態のお店も出店し、ますます勢いを増していきました。
もしただ飲食業を営みたいだけであればこのまま数店舗を運営する
個人オーナーでもよかったのですが、あくまで店舗運営は通過点でしかなく、
飲食を通してもっと多くの人々に喜ばれたいという想いが強かった私は
オリジナルケーキ(スウィーツ)の販売をスタートさせました。
今後は神戸に作った自社工場も稼働させ、
メーカーとしても企画・開発に力を入れていきたいと思っています。
ただ、今後売るものが変わっても、食を通じて人々を幸せにしたいという想いは
決して変わりません。
私にとって飲食業とは好きなものの寄せ集めだと思っています。
大好きな料理、お酒、大好きなインテリア、家具、
そしてそこに集まる大好きな人々。
中でも私が最も大事にしているのは、そこで働く仲間、スタッフです。
スタッフに喜んでもらうことが、お客様の満足へつながると信じてやみません。
ですから、今後もスタッフが幸せに、楽しく働ける環境を維持し、
一人でも多くの人々に飲食の素晴らしさを伝えていきたいと考えています。