代表取締役社長 山崎 啓三

株式会社ディア 代表取締役社長 山崎 啓三

代表取締役社長 山崎 啓三

株式会社ディア
設立 1984年2月
事業内容
  • 婦人服、毛皮、靴、バックの販売
  • 店舗の設計、企画、施工
会社HP http://www.dear-corp.com/index.html

下積み15年、その後ワゴン一台で独立

自分の小売専門店を持つというのが、大学時代からずっと夢でした。
その為にはまず自分に専門知識がないといけないと思い、大学卒業後15年程アパレルの小売り専門店で販売員として働きました。
仕入れから販売まで自分一人でできるようになるまでの力をつける事ができたので、独立することを決心。
販売力には自信があったので、高田の馬場の駅前でワゴン一つでセーターを売り始めたんです。
1年程立ったとき、知人から池袋のマルイで小さいショップをやらないかと誘われ
「屋根があるなら何処でもやります!」と即決しました。
ようやく自分の店を持つことができるようになったんです。

自由が丘での店舗出店

自由が丘に店を出したのは、偶然でした。
たまたま駅前の土地が空いていて、そこで店をやれたら良いなぁとは思っていたんですが、
お金がとにかくかかるので諦めてたんです。
しかし先輩が会社の上司にかけあってくれて融資を受ける事ができ、
自由が丘の駅前という超一等地に第一号店を開く事ができました。30年程前の事です。
大人っぽいエレガンスをコンセプトとした洋服の専門店です。
自由が丘のお客様は富裕層が多く、物を見る目を持っているので良い品質の物をきちんと提供できれば売れるんですよ。
そういった意味で良い物を追求する専門店を出すのに適している土地だと感じています。
今では自由が丘に3店舗かまえるまでになりました。

専門店だからこそ、職人としての自覚が必要

専門店というのは、売っている物が上質である事も大切ですが、
一番大切なのはスタッフが専門家の集団であるという事です。
ただのアルバイトの店員とは全く違います。
専門知識を持ち、お客様に適切なアドバイスができないといけないんです。
そのためには職人としての自覚を持ち、そのための努力が大切になってきます。
日本では職人や技術者というのは給料も安く人気もありませんが、
私が仕入れでよく行くイタリアでは、職人でも企業のサラリーマンでも地位は一緒です。
技術者が尊敬される文化があるのです。
日本ではそういう文化はないし、技術者の地位は低いと言えるのが残念です。

欲しい人材像

第一に、とにかく洋服の仕事が好きな人。
職人としての腕を磨く為にはとにかく修行が必要です。
それには自分の好きな事でないと、頑張り続けるのは難しいと思います。
第二に、美しく見せるために小さな工夫ができる人です。
洋服というのはちょっと組み合わせを変えたり、小物をつけただけで受ける印象が全然違うんです。
それがうまくできるようになるためには、普段から「美しく見せるにはどうしたら良いのか」というのを意識する必要があります。
例えばお弁当を作る時でもきれいな配置にするにはどうしたら良いかとか、そういった細部にこだわる事が大切。
そういったこだわりを持てる人じゃないと向いていないと思います。

今後のビジョン

これからも洋服の専門店として、高感度、高品質の物を提供し続けていきたいです。
店舗数を増やすのを目的としてはいません。
何の店でもそうですが、最初専門店としてスタートしても全国展開してしまうと、
どうしても最初持っていた専門性は薄まってしまうものなんです。
なぜなら、売っている物は一緒でもそれを売っているスタッフが専門家としてのレベルが低いからです。
本当の専門家を育成するのにはとても時間がかかりますが、
それでもスタッフみんなが洋服の専門家として、自信を持ってお客様に良い物を提供し続けられる専門店であり続けたいです。

学生へのメッセージ

どんな時代でも乗り切るために必要な事は一つです。
それは、自分自身に力をつけること。簡単な事です。
安定を求めたり、周囲の環境を責めたりするのではなくまずは自分自身に力をつける努力をしましょう。
頼れるのは自分なんですから。