代表取締役社長 古谷 彰男

株式会社ウェブマネー 代表取締役社長 古谷 彰男

代表取締役社長 古谷 彰男

株式会社ウェブマネー
設立 1988年3月
事業内容
  • 電子マネーWebMoneyの発行・販売
  • WebMoneyを利用した電子決済サービスの提供
会社HP http://www.webmoney.co.jp/

創業について:インターネット世界の価値創造

弊社で発行している電子マネー「WebMoney」は、
インターネット上で「かんたん・安全・便利」にお支払いができる電子決済サービスです。
まず、なぜ弊社はこの事業をはじめたのか、
「WebMoney」にはどんな意義があるのかについてお話しします。

「WebMoney」の販売を開始したのは今から10年前の1999年。
この時期に電子マネーの販売を開始した、ということに大きなポイントがあります。

当時は国内でインターネットが利用されはじめて、
ほんの数年で、まだまだインターネットそのものが目新しい時でした。

みなさまはインターネットライフが日常ではなかった当時の衝撃、
環境の変化を、想像できるでしょうか。
それ以前は、書籍、雑誌、新聞など情報は、お金で買うことが当たり前でした。
そこにインターネットが登場したのです。
いつでも、無料で、あらゆる情報を手に入れることができる環境。
無限とも感じられるほどに広がる情報網。

とても便利で、都合の良い道具だと感じることができたはずです。

個人個人が必要な時に、必要なだけの情報を利用できるのです。
そこには、はじめからとても満足のいくしくみがありました。

せっかく無料なのだから、利用する際に、
わざわざ金銭的なやりとりをする意味は感じられなかったでしょう。
無料のほうがいい、そう言われればうなずく方は多かったはずです。

しかし、弊社はここにビジネスを仕掛けたのです。

例えばオンラインゲームに課金制度をつくるということ。
例えば様々なコンテンツに価格をつけるということ。

そうすることで、より大きな価値が生み出されるはず。
よりおもしろいゲームが、より楽しい遊びがきっと生まれる。
個人で好き好きに情報を利用していた、
そうするだけの世界に、経済圏が生まれたら。
インターネットは、きっと豊かな産業を生み出すはずなのです。

そうした期待を、いえ、確信を持ちながら、「デジタルコンテンツの課金」という概念に挑みました。

はじめは、市場ゼロからの出発ですから、赤字。赤字続き。
7年間という長い期間続いた赤字は、将来への投資だと捉えていました。
けれども新しい価値を生み出せる確信がありましたね。

そして、今は電子マネーが「あって当たり前」の時代です。

オンラインゲームの成長と伴に、「WebMoney」は欠かせない存在となりました。
当初はデジタルコンテンツサービスのお支払いにクレジットカードが使えなかったので、
ゲームに価値をつけ、お金を払うしくみを担うのはWebMoneyでした。
私たちが電子マネーのしくみを普及させたことは、
よりおもしろいコンテンツが生まれるきっかけとなりました。
新しい、価値ある産業が生まれるきっかけを、私たちは創造したのです。
豊かで、多くの人々の楽しみを生み出すインフラ整備を、やり遂げたという自負があります。

ウェブマネーは、単なる電子マネー事業運営の会社ではなく、
インターネットの新しい価値と世界を創造する会社です。
そして今この瞬間も、無限の可能性があるこの世界を押し広めるのが、ウェブマネーなのです。

座右の銘

・結果が出ないとき、どういう自分でいられるか。
 決してあきらめない姿勢が、
 何かを生み出すきっかけをつくる。(イチロー)

・芸術家のように、仕事をしろ。

納得する作品ができるまで時間をかけ続ける芸術家のように、
努力を惜しまず、目指すものが見出せるまでやり続けること。
この姿勢が、新しい価値観(自分なりのものの見方)の
創出につながるのだと思います。

どんな人材がこれから必要か

・自分自身でやりたいことを持ち、なおかつ問題解決型の人。

まず、「夢」を持っていること。
そして、「夢」のために課題を克服すること。
課題は問題というかたちで降り注ぎます。

簡単な例で言うと、
「期限が迫っているのに、夏休みの宿題が終わっていない!!」など。
課題をどう「解決」するかを考え、着実に「解決」していくこと。

そして「実現」すること。
ここまでできる人は素敵だと思います。
なぜなら、何かを「実現」しなければ、
仕事の意義は見出せないと思うからです。

ビジネス×アート:両者を融合するという哲学

私の哲学を、ひとつお話しさせてください。

何かを普及させること、新しい価値を生みだすこと。
人々がより豊かになる何かを創造するということ。
どのようにすれば、このような新しい産業を生み出せると思いますか。

私がひとつ確信していることは、ビジネスに「アートの世界」の考え方を織り交ぜる、ということです。
「アート」とは、イラストや作品のだけを指すことではありません。
「アート」という言葉には「秩序」という意味もあります。
すなわち「独自のルール」をつくるということ。
新しい世界の秩序を生み出し、それが多くの人の心に響き、
愛されるための道すじをつくることなのです。

例えば、みなさん、ゴッホの絵をご覧になったことはあるでしょうか。
ぐるぐる、派手な色。当時の誰も生み出したことの無かった奇抜な作品ですね。
他の誰かでは描けない、とても価値のあるものだと思います。
しかし、この絵は、当時は全く売れなかった。なぜだと思いますか。
私は、その芸術家をしっかりと「プロデュースをする人」がいなかったからだと思います。
多くの人たちが価値を見出すためのコミュニケーション、支持してくれる協力者が少なかった。
独創的なものはそれを演出する人がいてはじめて「価値」が理解されるものだと、私は考えています。

もうひとつ、例をあげてみましょう。
大手テレビ通販の番組。とても魅力的に商品を紹介し、うまく演出していると思います。
商品自体は、実は他のお店でも手に入るものですよね。
価格も、他のお店で購入した方が安い場合も往々にしてあります。
けれども、宣伝を聞いていると買いたくなってしまう。
見ている人にとってとても価値あるものだと納得できる。
それは、彼らが価値あるものを導くルールを生み出したからなのです。
プロデュース(演出)によって、多くの人が価値を見出す、新しい道を示したからなのです。

つまり、大切なのはモノの価値を実感し、信じられる、新しいルールをつくること。
それを使う人々がいっそう幸せになれる道を見つけること。
弊社で言えば、インターネット上に、「課金のしくみ」を生み出したこと。

「ビジネス」に、至上の価値を生む出すために努力を惜しまない「アート」の考え方を
取り入れることで、より豊かな世界が広がると、そう信じています。

今後の目標:次に創造したいのは、「楽しさ」という価値

ウェブマネーはインターネット上に「課金のしくみ」を創りだしました。
それによって、インターネットコンテンツ産業という、新しい価値を生みだすことができたのです。

弊社が次に生み出したい価値。それは、「楽しさ」。
ウェブマネー流「人生の楽しみ方」を生み出すこと。そのためにはじめたプロジェクトが、
「ONLINE GAME messe.」。サイトを立ち上げ、さらに今年の12月13日にはオンラインゲームファンが楽しめる展示会イベントを開催します。

ファンが集まり、多くの仲間と出会ってゲームの楽しさを共感してもらってはどうか。
日本全国のファンが集まり、わくわく感をプロデュースできないか。
新しい遊びの道を、新たなかたちで根付かせてようと思っています。

「アート」の世界観で、価値は無限に拡げられる。
「楽しさ」という価値の創造に挑戦し続けています。