代表取締役 渡辺 良朗

株式会社マングース  代表取締役 渡辺 良朗

代表取締役 渡辺 良朗

株式会社マングース
設立 2001/3/1
事業内容
  • マグネット製品及び関連製品の製造・販売
  • 市場調査、ネット販売等のコンサルティング
会社HP http://www.mongoos.co.jp/index.html

「自分は将来会社にはいない気がする…、」:会社って、なんだろう。

サラリーマン時代、35歳くらいの時でしょうか、
漠然と、「自分は将来会社にはいないかもしれない…、」と思ったのです。

当時は外資系の企業で働いていましたが、
会社という組織の中ではどうしても上の人間の言うとおりに仕事をした人が優遇される、
という現状があると感じました。
奇抜なこと、珍しいことをする人間は、花形としてもてはやされるものの出世できない。

自分色を出したい、他人がやっていないことに取り組みたい、
そんな気持ちが強かった私は、閉塞感を感じずにはいられませんでした。
将来会社にいないかもしれない、という感覚もこうした体験から生じたのでしょう。
次第に「会社」への疑問が膨らみます。
自分が違和感を持っている会社とは何だろう…。どのような仕組みで動いているのだろう…。
そこで仕事の傍ら、会社に関する知識全般が身につく「中小企業診断士」の資格取得に向けた勉強をはじめました。
同じ受験学校ではたくさんの友人ができ、毎回の講義のあとは例によって飲み会です。
実際の会社での経営に関すること、財務や人事に関することなど話は尽きませんでした。

会社とは何か。今まで漠然としていたものが、すこしづつ自分の頭の中に描けるようになってきました。

起業を決意(中小企業診断士になるために…?)

1999年、私が48歳の時、転機が訪れます。会社の事情で早期退職をすることになったのです。

これをきっかけに「中小企業診断士」になるための猛勉強をし、1年後に資格取得を果たしました。
診断士として働く道が開けました。

しかし、資格を取得したのは良いものの、すぐに診断士として働くことに抵抗を感じたのです。

「中小企業診断士」とは、中小企業の経営や業務についてアドバイスを行う人を指します。
私はサラリーマンとして働いていた経験はありますが、実際に経営に携わった経験はありません。
経営したこともない人間が経営に関するアドバイスを行って、果たして信頼されるのだろうか…。
いや、やはり経験値は必要だろう。
そんな思いから、まずは自分で会社を経営してみようと考えました。

「マグネットのマングース」設立

さて、どんな事業に取りかかろうか。

書店でビジネス本をぱらぱらとめくっていると、
冷蔵庫に貼りつけるかわいいマグネットの販売で事業を成功させた起業家の例を見つけました。
動物や食べ物、あるいはキッチングッズのミニチュアのマグネットです。
海外の例ですが、マグネットの単価は安く、在庫を置く場所も取らず、
そして周囲に競合があまりいないことで手軽に創業できそうなのです。

これだ、と思いました。

診断士になるための訓練として、まずはこの事業で会社を造ってみよう。
2001年、有限会社マングースを設立しました。
当時はインターネットが普及しはじめた時期でしたので、それを狙ってインターネットでの販売をし、
大きな競合他社も無かったため、売上を伸ばしてゆきました。

事業は一見順調そのものです。
しかし、いざ売れ始めると客単価が低く、発送とメールでの顧客対応に意外に手間がかかる事を考えると、
このビジネスで事業を拡大するのは困難な事が分かってきました。

ものづくり精神が湧きあがり…、マングースを本気で。

「広告用マグネット10万個の問合せ…?!」
ある日、広告用マグネットの問い合わせが舞い込みました。
それまでは動物の形など、玩具用のマグネットしか販売していませんでしたが、広告用のものの依頼が来たのです。
例えば病院や歯科などで配られる、連絡先電話番号や住所などが書かれたマグネットのことです。
ひとつ50円で10万個の依頼。 そんなビジネスがある事を知りました。

マグネットとは言え、10万個は多い。
そして企業の宣伝ツールとなるとお客様からのご要望も多く出ます。
例えば、いつまでも宣伝効果を発揮するために耐久性が欲しい、色あせないようにしてほしい、
水にぬれてもはがれないようにして欲しい…。
お客様とのやりとりを繰り返し、より良い製品づくりのために試行錯誤を重ねました。

そんな試行錯誤を繰り返す中で突然、自分が子供の頃の事を想い出しました。
そういえば、自分はものを造ることが大好きな子どもだったな。
よくラジコン飛行機や船や楽器を造って、動かしてははしゃいでいたな…。
自分が本当に好きだったことはものづくりだ。
当初、中小企業診断士になるための訓練としてはじめた会社でしたが、
ものづくりへのこだわりが増し、マングースの中核事業である製造業に本気で取り組もうと決意しました。

最初に取り組んだのはどうやって作るかです。広告用マグネットの製造方法については何の経験も知識もありませんでしたから全くの試行錯誤です。
最初はマグネットにいきなりインクジェットプリントをしましたが、磁力線の影響でインクがマグネットの上で勝手に移動してしまいました。
連日夜11時頃まで土日も関係なく半年ほど試作しては製法を変えて、また試作しては材料を変えるといった事を繰り返しました。
疲れを感じるひまもありません。

この試行錯誤が、結果として弊社オリジナルで他社に差別化できる製品の開発につながりました。
その後、一般的な製造方法も勉強して作り始めましたが、やはり弊社オリジナルの製品に人気があってご注文いただく製品の95%は自社開発のものです。
さらに、お客様の言うとおりに生産するだけでなく、色味や形で気付く点があればアドバイスをし、
納期を早くして小回りのきく対応をすることを心がけることで、他社との差別化を図っています。
マグネットのマングースは、お客様に安心感を約束しているのです。

ちなみに、弊社の名称をマグネットをイメージするマングースとし、
あえて社名にマグネットの文字を入れませんでした。
理由は、将来、マグネットから発展して他のビジネスに参入する際にマグネットの文字が無い方が良いからです。
シナジーという言葉があります。経営の相乗効果という意味です。
現在のビジネスを通して得られ確認されたいくつかの強みを新たなビジネスに生かしたいと思っています。

テーマカラー

「赤よりのピンク」
シャツなどで身につけていると元気が出る色です。
外資系の企業で働いていた時、アメリカ人のビジネスマンにこんな色を着た社員が多く、
その影響も受けたのかも知れません。
それに、この色のシャツ、着ていると「似合う!」って言ってもらえるんですよ。

座右の銘

「事実」
ウソでコミュニケーションしても、それはコミュニケーションとは言えません。
事実と事実をぶつけあわせるからこそ、真実が生まれるコミュニケーションができます。

就活生へメッセージ

ご理解してらっしゃる方も多いかとは思いますが、利益目的だけで会社を動かしている経営者は少ないのです。
夢や周囲の人のために働いている方がほとんどだと思います。
そして、そんな使命感があるからこそ組織としてチームとして会社を続けることができるのです。

ぜひ、夢を持って自分の就職先を探してください。
あなたは子供の頃、何が好きでしたか。一度、ゆっくりと想いだしてみてください。
就職先を決めるヒントがあるかもしれません。

もし、模型飛行機などの工作が好きだったら、ぜひ弊社にエントリーしてください。