代表取締役 坂本 幸蔵

株式会社リッチメディア 代表取締役 坂本 幸蔵

代表取締役 坂本 幸蔵

株式会社リッチメディア
設立 2010年6月10日
事業内容
  • WEB企画・制作、WEBプロモーション提案、スマートフォン領域
会社HP http://www.rich.co.jp/

起業の意志は母の言葉から

僕の母親の口癖というか、よく言ってくれていた言葉が、
「人生自分が思ったことはすべてやれ、後悔しないように生きろ。」
原点は、そこなのかもしれません。
僕は常に自分を高めたり、一生懸命になってないと楽しくないという性格なんです。
人と同じことや、通常イメージできる範囲内での成長ではなくて、
どうせなら大きい目標や自分がなりたい像を立てて、
そこから逆引きで自分を成長させていきたいんです。

ですから学生時代から、起業したいというよりも、
何かをやり遂げたいという気持ちは強くありましたね。
学生の時は就活応援団体を作ったり、アルバイトで雇われ店長をやったり……。
就職活動を始めたきっかけは、
その店長をやっていたのが飲食関係の現場でしたので、
将来、自分がそこでずっと働いていく姿がなかなかイメージできなかったからです。

実際に活動を始めて、株式会社サイバーエージェントの説明会に行ってみたら、
これがびっくり。2〜3歳しか違わない子会社の社長の言うこと、
やっているスケールが、想像したよりも、はるかにすごい。
だからこの企業に属して働いてみたいと、その時に決めました。
ただ最速で成長して20代の内に自分で会社をやろうとは決めていましたね。

入社後のスタートダッシュ

サイバーエージェントに入社した最初の1年目は、
関西で営業をやらせてもらいました。
マーケットの中では、自分の掲げている目標はかなり高かったので、
それなりの行動はできたと思っています。
実際は、どのタイミングでギアが入ったのかはわからない。
ただ、どこまで突っ走れるかと考えた時、
1年で全社でTOPになってやろうと思っていました。
入社半年経った頃には、この業界でナンバー1になってやるという気持ちでしたね。

成功に必要なことで、一番大きいのは目標設定能力だと僕は思っています。
営業マンにはいろんな能力が必要ですが、
1年目はスキルを磨くといっても限りがある。
だったら何が必要か。
それは自己管理をきっちりとして、
「いつ、誰が、どこで、何を、どのように」を明確にして、
サイクルを掴んで流れに乗れれば、必然的にうまくいくようになる。
1年目は、その成功のサイクルを、いち早く見つけることです。

僕の場合は、定量的なところでは、
受注の総額や目標に対して行動を決めていきました。
例えば受注が1000万必要で、1社の平均が200万とすれば、5社集めればいい。
そういったサイクルを、定量的に見つけられるようになったんです。
それと顧客思考というか、お客様思考で常にいることも大きかったと思いますね。
そういう、定量の部分と定性の部分を合わせ持っていたから、
相まって結果が出たのかもしれません。
定量の部分だけ持っていても、「なんだこいつ」と思われたら仕方ない。
いつもお客様のことを真剣に考えていたところも、一つの要因でもあると思います。

2年目で取締役に

2年目から、サイバーエージェントグループの
株式会社CAテクノロジーの立ち上げ時に取締役として東京に呼ばれ、
異動になりました。
正直、嬉しい気持ちが大きかったですね。不安は全くなかったです。
とにかくやってやろう、くらいに思ってました。
ただ大阪で1年間過ごしてきた中で、師承ともいえるマネージャーや、
関わってくれた人すべてに、
もっと恩返しをしたかったなと、来た当時は思っていました。
でもしばらくして、僕自身が成長することが恩返しなんだろうなと気づけて、
よりいっそう頑張らねば、と思うようになりました。

取締役になって、想定以上だったといいますか、「ここまでか!」と思ったのが、
教える立場の人が一生懸命やること、
愛情を持って育てることがものすごく大切だということ。
気持ちが通じれば、それに応るために必死で動いてくれることが実感できた。
僕は当時、7人の新入社員の教育を担当したのですが、
その7人には逆に感謝しているんです。
2年目の役員と6年目の社長の二人で立ち上げた会社でしたが、
その二人の思いに着いてきてくれて、行動で返してくれたことに。
思いや行動が人に伝播したら、パワーを生むことを、
改めて気づかせてくれた経験です。

うまくいかなかった部分に関しては、
マネジメントにおいての自分自身のスキルが、一つ一つ本当に足りなかった。
足りない部分はもちろん補おうと努力もしましたが、
それより意識していたのは、足りないならば、補ってくれる人にどう動いてもらうか、
どう一緒にやってもらうか、です。
こいつなら任せられるとか、こいつなら楽しいなとか、
どこかに特化したかたちで、
人が集って思い思いに働いてもらえるよう、
自分をマネジメントしないといけないと思ったんです。
全部のスキルを自分が持つのではなく、得意なものは得意な人にやってもらう。
ただ、やってもらうためには自分の器が大きくなくてはいけないので、
そこは強く意識しましたね。
だからその頃に、
「自分にはこういう部分が足りないから、力を貸して欲しい」
と口に出して言えるようになりました。
これは自分にとっても、大きい財産に繋ったかなと思います。

会社のスタートは

自信というか、会社をやれるとは、一切思ってはいなかったんです。
ただチャレンジしたい気持ちはあったので、タイミングはずっと考えていました。
でも恩義も仁義もあるから、ある程度のところまでは
みんなを連れていかないといけない。
そうでないと嘘になると思っていたので、時期は慎重に見極めました。
きっかけの一つには、当時の社長をCAの役員本体にまで上げられたこと。
もう一つは、売り上げベースを一番上のレベルまで持っていける目星がついたので、
ここでスピンアウトしようと感じて、会社を立ち上げました。

起業時は、マネジメントに必要な要素、ヒト・モノ・カネのすべてにおいて、
何もない状態。
決めて行動したというよりは、考えながら行動していたんでしょうね。
自分のモットーでもあるのですが、「やってみなければわからない」
と思っているので、
特に一人であれば自分だけの責任ですから、思いついたことは全て、
スピーディーに行動しました。

例えば知人にお金の融資をお願いしたり、私財を売り払ったりという資金の部分。
そして最初は売り物もないので、今までの伝手を頼ってお願いしたりとか……。
でも起業を人に伝えた時や、お願いに行った時は、
本当にありがたいことなんですけど、
「おまえらしいよ! やると思ってたよ!」という言葉を皆さんからいただいて。
ただ、今までの人に感謝しないといけないことは自分でも思っていましたが、
そのことを敢えて言ってくださるお客様であったり、周りの人もいたので、
感謝の気持ちを重要視する思いが強くなりましたし、
何事にも一生懸命、妥協することなくやろうという意志が強くなりました。

事業内容は常に広げて

実はまだ、方向性がかっちり見えているわけではないと自分では思っています。
というのも、今やっている事業は、既存のサービスのより特化したところを
強めていっている。
つまり戦略や戦術を活かして収益を立てているという感覚ですので、
自分もメンバーも、これから何を求めてやっていくのかは、
常にみんなと一緒に考えていきたいなと思っているからです。
現在手がける事業の中では、美容健康医療に関しての自社の媒体、
販売運営というところは引き続き伸ばしたいと思います。
この領域は1社買収してもいるので、特化して伸ばしてやっていきたいなと。
もう一つは、スマートフォンやソーシャルメディア、
webサービスのクラウド化などですね。
3期目である2012年末には上場を狙っているので、
本当に、直近でかたちにしないといけないので、
サービスリリースを今後どんどん展開していく予定です。

欲しい人材は決まっている

採用の基準は明確に4つ設けています。
最後までやりきる人、向上心のある人、真摯である人、
チーム成果を意識できる人。
この4つのマインドを持っている方であれば、
現段階でスキルがなくても入社いただいています。
逆にこのマインドがないとうまくいかないと思いますし、
うちの仕事はハードワークですから、
ハードだと捉えながらも自己を成長させたいという人でないと、厳しいと思います。
なぜかというと、若い時に自由度を広げて権限を与えていくので、
やはりそれなりの成長が必要となってくるからです。
この基準は変わらないですし、将来も変えないですね。

僕は、一生懸命で、失敗を恐れない人が世の中に出て欲しいと思っています。
今はどこか、失敗は自分の価値が下げるというような思考が
すごく強いように思いますが、失敗しないとわからないことの方が絶対に多い。

その失敗の経験を財産として今後に活かせばいいのに、
怒られることを嫌がったりする。
叱られたり怒られたりするのは必要なことだし、そこから何かを見い出して、
成長に繋げられると強くなるはずです。
だから僕は、そういう人が、リッチメディアにどんどん来て欲しいですね。