代表取締役会長 中野渡 利八郎

代表取締役会長 中野渡 利八郎

設立 1993年11月1日
事業内容
    • デザイン住宅・注文住宅
会社HP http://tokyogumi.co.jp/

最悪の上司に恵まれて

高校を卒業して1年半ぐらいは、
青森の田舎で父親の会社を継いだ兄の手伝いをしていました。
そこは土木が主力の会社だったため、
山奥でのダム関連の工事などが主でしたが、
私自身は、街中で家を建てる仕事のほうが好きでした。
小学生のときの夏休みの宿題で作った平屋の模型を
褒められたことを今でも覚えていますから、
もともと家を作ることは好きだったのでしょうね。

その後、紆余曲折を経て上京し、
偶然に大手ハウスメーカーへ入社してから20年間、
本当に楽しく、思いきり仕事をさせてもらいました。
しかし、47歳のときに最悪の上司に恵まれまして(笑)

どうしても反りが合わず、辞めたくて仕方がなくなって退職を決意。
その後起業したというのが経緯です。
世の中、何がきっかけになるのか分からないものです。

日本の街並みをもっと美しく

大手ハウスメーカー勤務時代、
幸運なことにヨーロッパやアメリカへ研修に行く機会が多くありました。
その綺麗な街並みを目の当たりにした私は、
なぜ日本の街並みはこんなにも汚いのか、と感じました。
そして、日本の街並みをもっと美しくしたいと思うのと同時に、
それを実現するための安くて良い方法があるのではないか、
と考えるようになりました。

そこで起業後は、以前、自身が世田谷エリアを担当していたこともあり、
まずは世田谷の街をきれいにしようと考えました。
日本では至る所に電柱が立っていますが、電柱は景観を損なう大きな要因となります。
本来ならば、ここの電柱は地中に潜らせたほうがいい、といった話になるべきところを、
改善しようとせず、人のせいにばかりしているから何もできない。
優秀な設計事務所というのは、そういうことは諦めなければやっていけなかったのが現状でした。

私は、日本の住宅建築はこのままではいけないとずっと思っていました。
決して諦めることなく、日本の街並みを世界に誇れる美しい街並みにするための、
安くて良い方法は必ずあるはず。
起業してから20年以上経った現在も、それを追及し続けています。

モデルハウスなし、営業なし。

東京組には、モデルハウスもなければ、いわゆる営業もいません。
外には出歩かず、東京組に来られたお客様を接客するのが基本です。
これはなかなかありえないことですよね。
元々大手ハウスメーカーに勤務していたときに、
世田谷の展示場が自分の管轄だったため、詳しくなりすっかり馴染んでいました。
また、世田谷で親友が不動産をやっていたこともり、
仕事を紹介してもらえたのが世田谷ではじめたきっかけでした。

そうやって仕事をくれる地元の不動産屋を大事に、
要望や値段にも可能な限り応えて、スピーディーに対応する。
そのようにこちらが応えていったら、また仕事をくれるのではないかと。
それを続けているだけなんです。
私は仕事を断るのが苦手で、頼まれると断れない性質なので、
仕事は予定の倍以上取ってくることもあり大変でした。
しかし、それでもお客様に満足してもらえているからこそ、
見捨てられることなく、続けられているのだと思います。

プロとしての提案を忘れない。

東京組の強みは、商品開発力です。
家を建てるには屋根材、壁材、構造材と様々な部品が必要になりますが、
世田谷・目黒のお客様のニーズに合った良いものをどこまで安くできるか。
そこに対してずっと努力してきました。

そして一番大事なのは、プロとしての提案を忘れないこと。
お客様が好むものが必ずしも最適とは限りませんので、
プロとして良いと思える材料は勧め続ける。そうするといつかお客様も分かってくれます。
そこは一貫して続けているところですね。

目指すは「1000棟」

20年もやれば、完工棟数、年間1000棟くらいは超えるのでは、
と思っていましたが、設立時から目指していた500棟にもなかなか到達しません。
最初の5年間は売上が倍々で伸びていって、それから毎年50棟ずつ増えていき、
この市場はなんていい市場なのかと思っていましたが、
やはりまだまだ実力不足ですね。

今までは設計事務所の計画で家を建ててきましたが、
中には現場を知らなすぎる設計事務所もあることから、
その設計事務所主導型のやり方を根底から覆す必要性を感じています。
今後はもっと工務店として、東京組として、提案型の家を作っていきたいと思っています。
10年後には、世田谷・目黒エリアで年間1000棟を目指します。

必要なのは、勇気と根気

普通の会社では営業が優秀であればみんながついて来ますが、
東京組では営業ではなく現場監督の存在がとても重要です。
家づくりの心臓部ともいえる仕事です。
ここで優秀な人が育てば、後は周りの人が全部できますからね。
現場監督の資質で一番大事なのは、簡単にいえば度胸。
先輩の職人たちに指示を出さなければならない場合もありますから、
そこで交渉していくためには勇気がなければできません。
下手でもいいので、怖気づくことなく、根気よく。
最近の学校や家庭教育は、そういったものから避ける傾向にあります。
しかし、一回自分でできると思えれば、自信さえ持つことができれば、
すべてで応用することができます。
異性を口説くときでさえ、使えますから(笑)。
職人たちと交渉できるまでになれれば大したものです。
これからの世代に必要なのは、勇気と根気ですね。