株式会社ジーンクエスト 代表取締役 高橋 祥子


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代表取締役 高橋 祥子

代表取締役 高橋 祥子

設立 2013年06月20日
事業内容
    • 遺伝子解析サービス
会社HP https://genequest.jp/

より良い遺伝子研究のために

私は現在も大学の博士課程に在籍し、研究を続けています。
もともと起業したいというよりも、
ずっと大学に残って遺伝子の研究をしていくつもりでいました。
昨年同じ研究室の先輩である齋藤とこの会社を作ったのは、
ひとりで研究して成果をあげるよりも、データをより大規模に集め、
研究が加速するような仕組みを創りたかったからです。

弊社のサービスは、遺伝子研究の成果を元に提供されるわけですが、
このときサービスと研究とは相互に影響しあう関係にあります。
つまり、お客様に参加していただくことで新たにデータが蓄積され、
それによって研究が進み、サービスも更新される、
というサイクルになっているのです。

現在の科学で、遺伝子について分かっていることは本当にごく一部に過ぎません。
この研究が進まないと、遺伝子への人々の認識が止まってしまいます。
どんどんデータを集積し、新しい知見を加速しつつ出していく、
そういうサイクルを確立しないと、ゲノムという有用な情報を使っていけないのです。
そういう危機感があったため、会社を作り、このサイクルをスタートさせました。
もちろん、素直に遺伝子とその利用への探究心が
強くあったためということもありますが。

研究に軸を置いた独自の遺伝子解析サービス

もともと同じビジネスモデルによる会社がアメリカにあるのですが、
弊社サービスはそれを日本に初めて導入したものです。
アメリカのシステムを日本に持ち込み、独自に改良させていくことには、
サービス上でも研究上でも非常に大きな意義があります。

それはアメリカの人々と我々日本人とでは、
遺伝子情報が全く異なっているからです。
そもそも、遺伝子は人種によって全部違っています。
体格や肌の色、髪の色といった外見からして、相違点はいくらでもありますが、
その違いは全部遺伝子から作られているものです。
当然、外見には現れない体質や、病気への罹りやすさ等の要素についても違うわけで、
そこでアメリカでのシステムをそのまま持ってきても、
日本人にとって有用なサービスを作ることはできないんです。
そのためにも、弊社では主に日本人やアジア人向けのサービスを提供しています。

直近ではDeNAさんも同じようなサービスをはじめられましたし、
これから日本でもこういった遺伝子解析サービスは増えてくるでしょう。
現段階でも、遺伝子検査を行っている会社はいくつかあるのですが、
そのほとんどが、たとえばダイエット等、
ひとつの目的に関する遺伝子を1、2調べて、
そこに対してサプリメントを提供していくようなモデルをとっています。
そのような他社さんでは、もともと研究を目的としていないので、
そのレベルでの遺伝子解析利用にとどまっているわけです。

これに対して、我々はゲノムという遺伝子の全データを解析してしまいます。
お金や手間がかかる作業ではあるのですが、
研究に軸を置いた活動を進めていく上で、必要なこだわりだと考えています。

もともとこの遺伝子解析サービスという一点だけのビジネスを
しようとは考えていなくて、データを解析して何ができるかとか、
データを活用してその先にどんなビジネスに利用できるか、
というようなデータビジネスを行っていく計画でいるんです。
だから、まずは膨大なデータを集めることが一番大事で、
そこから多様なソリューションにつなげていくということが事業上の狙いになります。

解析によって得られる情報とは

お客様は、遺伝子解析を受けることによって、
潜在的な病気のリスクと体質について、ゲノムから知ることができます。
病気のリスクでいうと、たとえばどういうタイプのガンになりやすいのか、
糖尿病や高血圧になりやすいかなりにくいか、といったこと。
それから体質については、アルコールに対する耐性から、
血圧の傾向、乳酸値の上がりやすさといった一般的な健康診断の項目まで調べられます。

現段階でデータとして提示できるのは200項目ほどです。
そしてここが弊社のサービスの大きな強みなのですが、
先ほど述べたとおり遺伝子の全データを採取していますので、
今は何に関係しているのか分かっていない遺伝子についても追って報告できるんですね。

遺伝子は世界中の研究機関で日々研究されていますので、
今日分からなかったことも明日になれば分かっている、という可能性があります。
世界からの新しい分析結果をどんどんキャッチし、蓄積していくことによって、
こういう新しい項目が分かりましたということを
逐一お知らせしていくことができるわけです。
遺伝子データは一生変わることがありません。
だから一度検査を受けていただくだけで、
一生の間サービスを受けることができるんです。

身近なところでいうと化粧品なども、
人によって合う合わないということはすごくありますよね。
そういう項目についても解析を通じて分かってくると思います。
いずれは理解が体に関するあらゆる部分に及ぶことになるので、
そのときに弊社の膨大なデータが役立つことは間違いないでしょう。

認知度向上とプラットフォーム化が目標

長期的なビジョンとしては、データを更に集めて研究を続けていくこと。
これがもちろんありますが、一方でお客様に対しても、
もっと付加価値のあるサービスを提供していくつもりです。
そしてそのためには、何よりユーザーを増やさなければいけない。
だから、遺伝子解析サービスを社会に認知させていくことが
現在の一番の課題ですね。

実感としては、昨年と今年では認知度がかなり変わってきていると思います。
昨年のニュースで、女優のアンジェリーナ・ジョリーが
遺伝子検査をして、乳がんのリスクが高いということで
乳房を切除したというものがありました。
そのニュースがあってから、だいぶ遺伝子検査というサービスへの注目度が高まりました。
業界自体もすごく注目されていて、各メディアからの問い合わせも頻繁にいただきます。
今後は他社さんとも提携しつつ、
業界全体で遺伝子検査の重要性を広めていければと考えているところです。

将来的にサービスが普及し、100万人単位のユーザーを獲得した暁には、
自分の遺伝子情報を自分で知っていることが当たり前の世界になっているはずです。
そこで弊社が集めた膨大なデータがすごく役立つと思っています。
その段階に達した頃には、全員に同じサービスを当てはめるだけはダメで、
個人個人に合わせたヘルスケアを考える必要が出てくると思うのですが、
それを提供するためには、弊社の細部にわたる遺伝子情報が不可欠だからです。

そういう意味でも、この業界がそういう質的充実を目指す段階に移行したときに、
プラットフォームのような存在になっていたい、というのは大きな目標ですね。
さまざまな機関が連携・協力するハブとなるような組織を目指したいし、
まずはブレーンとなるような研究者を集めていきたいですね。

学生へのメッセージ

私自身も学生ですので、大上段からアドバイスはできないのですが、
ひとつ言えるのはどんどん挑戦してみるべきだということです。
挑戦したくても、リスクを考えて踏み切れないという人は沢山いると思うんですが、
何十年後かの自分の気持ちを想像してみると、
「そんな昔のこと、大したことなかったな」と思っているはずなんです。

私自身も、何か挑戦するときにはいつも自分と状況を客観視して考えます。
そうやって考えると、何でも挑戦できる気がするからです。
今までの自分の経験を振り返ってみても、怖いと思っていたことが
実際にやってみれば大丈夫だったという場合が多くありました。
だから、何にでも挑戦してみるべきだと思いますよ。

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