辰巳出版株式会社 代表取締役社長 廣瀬 和二


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代表取締役社長 廣瀬 和二

代表取締役社長 廣瀬 和二

設立 1967年11月
事業内容
    • 雑誌・書籍・ムック・コミックス・ビデオ・CD-ROMの出版発行
会社HP http://www.tg-net.co.jp/

世襲ではなく

弊社を立ち上げたのは、他でもない私の父。
一見、私の立場は世襲して手に入れたものであるように見えるかもしれません。
しかし、実は私自身にその様な気は全くなかったのです。

というのも、そもそも父親自身世襲というものを嫌っていて、
私達兄弟にやりたい事やれと言っていました。
私はその言葉通りホテルマンという、今とは全く違う業種で働いていました。

体の自由が利かなくなった父を助ける為、
ちょうどホテルマンを辞めていた私は、運転手として辰巳出版へ入社しました。
運転手として従事していたある時、会社は営業が足りないという問題にぶつかります。
営業職に候補として挙げられた数人。
その中に私も入っていたんですね。
ここから営業としての仕事が始まる事となります。

営業先では、当然社長の息子という目で見られ、
意地の悪い接し方をされたこともあります。
楽して後を継ぐとでも思われたのでしょうか。
しかし、その当時、私には跡を継ぐなんて考えはなく、
時間と共にその誤解も解けていく事となります。
逆に、その事を公言しない方が良いなんて事も言われましたね(笑)

考える力

しかし、世襲という形を嫌っていたのに結果的に
社長という立場に私はつく事となります。
様々な要因があるのですが、社歴も20年を超え環境も変化し、
周りからの後押しなども決め手となりました。

そして社長になった今、この会社や出版業界には、
変化が求められていると感じています。
その為には、社員が自ら考える力を持つ事が何よりも必要なのです。
今の業界を見ると、言いたい事を言わない、遠慮の精神が認められます。
誰かが駄目な事をしていても、自分に関係が無ければ何も言わないなどの
無関心な人が見受けれられます。
それは、問題から目をそらし考える事の放棄ではないでしょうか。
昔を思い返すと、その様な事はありませんでした。

何度もぶつかりあいながらも、お互いに協力し問題解決を
するといった感覚を私はよく覚えています。
決して昔が素晴らしいということではなく、今の時代には素晴らしいことも沢山あります。
要は、良い所だけ原点回帰しようというのです。
その為に必要なことは、風通しの良い社風。

私が今考えていることは、若い社員や新人が意識改革をして、
自ら会社に変化を起こし会社を良くしていきたいと思う気持ちや形に他なりません。
ここにも考えるという事が求められています。

風通しの良い会社

会社を変えていくには、私が声を大きくするだけでは駄目なのです。
会社を変えるのは人であり、その人を変えるのはコミュニケーションに他なりません。
少人数の会社ならば良いのですが、100人を超す社員に
社長という立場にある私がすべて接していく事は難しい。
その中で望まれるのは上の意識を変えて下に伝えるという形なのですが、
歴史のある会社にはそれも難しい。
となれば、新人や若い社員が自ら回りに変化をもたらし、
会社を変えていこうと思う気持ちが求められます。

若い社員が自分で考え、心から変えたいという思いを実現することにより
新しい風を送り込みたいと考えています。しかし、無責任に任せる事はしません。
私自身、いつでも話を聞き、気軽に接することのできる社長であるように常に心がけています。
その結果、悩みを持った社員の相談を受ける事も少なくありません。
悩みを受けて、私が上から言葉を発してしまう事は簡単でしょう。

しかし、本当に必要なのはその社員が自分の力で回りを変化させ、会社を変える事。
その為に必要な手助けを私はしていきたいです。
話しやすい環境を整えた結果、本当にちょっとした事で
相談をされるのは悩みどころですが(笑)

一つには絞らない

基本的に受注産業ではないこの業界は、自分たちのアイディアや知恵を用いる事で、
大きく活躍することが可能な場所です。
超大手の出版社ばかりが100万部を売るわけではなく、知恵や発想をもってすれば、
規模の小さい場所でもその結果は得られるのです。

この様な特色をもつ出版業界では、
一つの事に絞って業務とする会社も少なくはありません。
絵本なら絵本、雑誌なら雑誌、という形の事です。
そんな中、弊社はあえて一つに絞らない事を強みとしています。
雑誌、書籍など様々なジャンルを自由な発想で考え、
様々な読者の方に読んでいただける環境があり、
それを生かしてほしいという考えのもとにあるのです。

テレビを見ているときに、電車の中づり広告を見ているときに、
これならいけるという発想が得られたのならば、それを存分に生かしてほしい。
その為の、一つに絞らない環境も弊社にはあるのです。

当然、体系化されていない企画を進める時、多くの時間がかかってしまいます。
しかし、その様な弱みを補い、なおプラスとなるメリットがそこにはあります。
一つに絞らずに多種多様な挑戦を。
それは弊社の描く強みに他ならないのです。

夢を叶えられる環境

先程、社長として話しやすい存在である必要についてはお話ししましたが、
これは、上司部下という組織の一部を切り取っても同じこと。
上司に部下が良い意味で気兼ねなく質問できる環境を大切にしたいのです。
例えば、上司が部下の様子を見て「今日は調子が悪いな」と心配する。
これは、普通の事でしょう。

極端な話、この逆が問題なく起こる環境であってもいいのです。
つまり、部下が「今日、調子悪そうですね」なんて言える会社ですね。
しかし、その発言は文句であってはいけません。
文句ではなく意見を言える環境である必要があるでしょう。
これを、もっと仕事に即して言えば、
部下が遠慮なく企画を上司に持ち込める環境と言い換える事が出来ます。
遠慮をするというまどろっこしさをなくし、発言することが出来る環境。
そのような組織にしていきたいと考えています。

また弊社は、社員が本当にやりたい事を叶えらる場でもありたいと考えています。
弊社でやりたい事が見つからないのであれば極端な話、
他の場で夢をかなえられるのならば起業でも引き抜きでも構いません。
大手を振って送り出す事も考えるでしょう。
先述した社の強みと併せて、社員の目標達成へと導いていきたいですね。

本が好き+α

下から変わる形は既にお話したとおりですが
まず何よりも、この業界で必要なのは本が好きであること。
これなしに続けることは難しいと思います。
しかし、それだけでもいけない。
必要なのは+α。
繰り返し話した通り、考える力、思考力というものに他なりません。

働いていく上で必要なのは真摯さ、常識力、そして謙虚さ。
実はこの三つは全て考える事を基本としています。
これらを見てみると、全て相手がいて成り立つ能力となっている事がお分かりかと思います。
相手を見るという事は、相手について考える事に他なりません。
その上で生まれるものがこの三つの要素なのでしょう。
出版社は、いわばものづくりの場。
その様な場所では、結局のところ誰かがやろうという事が求められます。
その先頭を切る存在には、間違いなく考える力が身についているのでしょう。
本が好き、そして自分の考える事を、先頭にたって進めていける+αをもった人。
この様な人と共に仕事をしていきたいと願っています。

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