株式会社ワンダーラスト 代表取締役社長 堀江 健太郎


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代表取締役社長 堀江 健太郎

代表取締役社長 堀江 健太郎

設立 2013年6月
事業内容
会社HP http://www.wanderlust.co.jp/

経営コンサルタントの光と影

わたしは学生の頃はどちらかといえば安定志向で、
起業しようという意思はありませんでした。

就職活動をしているときに印象的だったのは、
丸の内や新橋といったオフィス街にいるサラリーマンが、
誰も彼もつまらなそうな顔をしているように見えたことです。
自分もこんなふうになるのは嫌だと思い、
これを自分の力で変えていきたいと考えるようになりました。

どうやったらサラリーマンの人たちが笑顔になれるのかを考えたとき、
彼らが働いている会社を良くする仕事をしたいと思うようになりました。
そこで、経営コンサルタントを志望するようになったのです。

就職活動の結果、希望通り外資系のコンサルティングファームに入社し、
経営コンサルタントとして活動していました。

しかし、新卒で入社した会社では3年ほど働いたとき、
振り返ってみると誰も笑顔にすることはできていないこと気付いたのです。

実際の経営コンサルタントの仕事は経営層の考えを現場に落とし込むため、
無理やり制度を作るなど、「嫌われ役」になることも多い仕事でした。
会社をよくしたい一心で一生懸命現状をヒアリングしようとするのですが、
現場の社員からは疎まれる存在であり、

自分の中で経営コンサルタントの意義を見出せなくなっていったのです。

旅先で人をつなぐ「カウチサーフィン」との出会い

経営コンサルタントを続けることに迷いを感じ始めていたころ、
facebookをはじめとしたSNSが流行するようになり、
それまでネットの世界に疎かった私も
少しずつネットビジネスに興味を持つようになりました。

特に関心を持ったのは「カウチサーフィン」という世界中で
ホームステイ・ホストのマッチングをするサービスです。
もともと旅行が好きだったので強く興味をひかれ
実際にこのサービスを利用して海外に出向き、
滞在先で泊めてもらうという経験もしました。

また、私は学生時代に世界平和について興味を持っており、
特に人種差別について勉強していた時期がありました。
私の友人には在日の外国人がいて、彼らは日本では何となく
なじみづらい存在だという事実がありました。
肌の色や言語の違いだけで差別を受けているという実態を知り、
この問題を何とかできないか、と漠然と考えていたのです。

「カウチサーフィン」に出会うまでは、
ネットに対しては怪しいイメージしか持っていませんでした。
しかし、実際に触れてみると、人の善意で成り立つサービスもたくさんあり、
思った以上にネットの世界はクリアなものだったということに驚きました。

やがて「カウチサーフィン」から出会ったネットビジネスと、
人種間差別の問題が自分の中でリンクし、このしくみを使って、
あらゆる社会問題を解決できるんじゃないかと考えたのです。

海外旅行を通じ偏見や恐怖を取り払いたい

そこで、知り合いをたどってあらゆる人に「カウチサーフィン」を広めていこうと、
海外旅行先での利用を促したり日本で海外旅行者を
自宅にホストする楽しさを伝えてきました。
しかし、その理念やコンセプトには共感は得られるものの、
全くといって良いほど実際に利用してくれる人はおりませんでした。

やはり、知らない人の家に行ったり、
知らない人を家に泊めるという行為に抵抗を持つ人が大半でした。
実際、海外旅行に行く人は世界中で年間10億人程度いるにも関わらず、
「カウチサーフィン」の利用者は年間数百万人に留まっており、
まだまだメジャーなサービスではないということに気付きました。

それならば、「カウチサーフィン」よりもっとハードルを低くしたサービスを
やろうと決意したのが、起業のきっかけです。

サービスを通じて、色々な人に会えること。海外旅行を通じて、
偏見や恐怖を取り払うことができること。このふたつを実現できるサービスを考え、
形となったのが写真をアップすることで旅の思い出を共有できる当社の「Compathy」です。

「Compathy」では現在、旅行記を共有できる「ログブック」
というサービスを展開しています。
旅先の写真を投稿すると、GPSを利用して付近のレストランの情報などが表示され、
ユーザーが表示された情報をタグ付けすることで、旅のルートが甦って表示される
仕組みになっています。

また、投稿した写真に対して「行ってみたい」というボタンがついており
それを押すことで「行ってみたいリスト」として情報が蓄積されていきます。

もっと多くの人々が旅先で交流できるようにするために

当社が今後力を入れていきたいと考えている事業は、
「海外旅行のプランニング」と「国境を越えたソーシャルネットワークの形成」です。

今までは、パック旅行を利用する旅行者が大半だったのですが、
LCCの普及により、個人でプランを組んで旅行をする人が増えています。

Compathyは、そういった方々が旅行の計画を立てる際のポータル、
プラットフォームになりたいと考えています。
ユーザーが滞在先やプランを「Compathy」に書き込むことで、
滞在先の現地人にそのユーザーの属性を公開し、それを見た現地のユーザーが、
お勧めの旅行先を教えてくれたり、食事のお誘いをしたりといった形で、
旅行の計画を軸にした現地の方がたとの出会いの「文脈」を作りたいと思っています。

しかし、いきなり知らない人と会うのに抵抗がある人がほとんどだと思いますので、
facebook上の情報を使い、「ユーザーの友達の友達」を紹介できるような
サービスを展開しようという計画があります。

1ユーザーあたりの平均の友達の数が200人と仮定すると、
友達の友達をたどれば4万人とつながれる計算になります友
達づたいなら、海外でも安心して会うことができる、という心理を利用し、
もっと多くの人が現地人と会うことを実現していきたいと考えています。

そのために、現在は「ログブック」を利用して観光地の情報集めの
準備を整えているところです。
この情報が一定数蓄積されれば、プランニングサービスを開始する予定です。

旅を通じて国境をなくす

当社のミッションは「旅を通じて国境をなくすこと」です。
一般的な「旅」とは、国内外の景色を見たり、おいしいものを食べたりということに
留まっているように思います。そこに「現地の人に会う」という要素を普及させていくことで、
人々が持っている先入観をなくしていけるのではないかと考えています。

私は、日本は島国という特性上、海外に対し免疫の少ない人が多いと考えており、
在日外国人たちも、その特性に対しストレスを感じることが多いようです。

そのため、当社は「国境をなくす」というミッションを
体現していけるような組織作りを目指しております。

当社に集まる社員やインターン生の多くは、単に海外旅行が好きというよりは、
「国境をなくす」というビジョンに共感し、海外旅行はそのひとつの手段として捉えています。
これまでに欧米やアジア諸国など、様々な国籍の留学生がインターン生として集まっております。

当社のビジョンに共感してくれる人は、仲間として積極的に受け入れたいと思います。
マーケティングや営業を学びたい、と考える人であっても、その成長速度というのは、
最終的に成し遂げたいことが明確にあるかどうかで大きく変わってきます。

自分の人生を通じて成し遂げたいことが見えている人は、本当に「強い」人だと思います。
世の中のあらゆることは「手段」に過ぎません。
むしろ当社に参画することも「手段」であると考えているくらいの人のほうが、
一緒に働いていて気持ちがいいと思っています。

広い世界を、見ろ。

個人的には、訪日観光客への「おもてなし文化」には批判的な姿勢を取っています。
なぜなら、それは観光客を「よそから来た人」として認識しているからこその行動で、
現地のことを深く知るうえでネックとなってしまうからです。
観光客に対してもっとフランクに接し、東京の「リアル」を
もっとよく知ってもらえるようになれればと思います。

当社は2015年以降、順次サービスを拡大していく予定で、
3年以内には完全なサービスインを目標としています。
また、5年後には「現地人と会える」というサービスも本格始動させたいと考えており、
2020年の東京五輪に合わせてサービス展開をしていければと思っています。

「観光客」というレッテルが外れてこそ、海外旅行はもっと面白くなります。
「国境をなくす」というビジョン実現のためにも、東京五輪のときには、
日本にもっと観光客に対してカジュアルに接することができる人が増えてほしい、
というのが私の願いです。

学生の皆さんには、今のうちにもっと広い世界を見てほしいと強く思っています。
広い世界を見ることで、自分が一生をかけて成し遂げたいことを見つけてほしいです。

自分自身、新卒のときはあまり考えもせずに入社してしまった、と反省しています。
早い段階で、自分のライフワークとも呼べることを見つけてください。
私は、今の仕事を自分の「ライフワーク」として、これからも邁進していきます。

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