株式会社ヴィリング 代表取締役 中村一彰


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代表取締役 中村一彰

代表取締役 中村一彰

設立 2012年10月
事業内容
    • アフタースクール(民間学童保育)運営
    • キャリア教育事業
会社HP http://www.viling.co.jp/

教育の現場で覚えた違和感

もともと私は教師志望で、大学でも教育学部に進学していたのですが、
卒業後には教師ではなく、一般企業への就職という道を選ぶことになりました。
それも不動産という、まったく想定していなかった業界の企業です。
どうして進路を変えることになったのか、
そのきっかけは、教育実習の際に感じた日本の教育のあり方への違和感でした。

実習期間中に、道徳の授業を担当する機会があったのですが、
その指導の方針として、自分で夢を叶えるチャンスをつかむよりも、
約束を守ることの大切さを教える、ということに重点が置かれていました。
この内容自体は、私も間違ってはいないと思います。
しかし、それをすべての子供に、画一的に教え込むことにはとても違和感を覚えました。

まだ学生だったので、自分なりに噛み砕いて教えたり、
それを1つの考えとして議論を広める技量もなかったのですが、
なにかこのカリキュラムに、「画一的な集団を作ろう」という意図を感じて、
それが強固なものとして迫ってきたのです。

歪みを感じたシステムの中で、それを媒介する教師という役割を
生涯の業とすることに抵抗感を覚えました。

ベンチャーへの転職、そして起業

そんな経緯で、周りの仲間がみんな教師になっていくなか、
私だけが民間企業への就職活動をすることになったのです。
しかし私自身もそれまで教師の進路を目標にしてきたので、
就活に関する知識や戦略はほとんどありませんでした。

とりあえず送られたカタログや今よりはるかに情報が少ない就職サイトの中から、
忙しくても自分の成長が早そうな会社を3社選びました。
出版社とシステム会社と不動産会社だったのですが、
その中から直感で1つ目の職場である不動産会社に決めました。

その会社では営業を担当していました。
人に恵まれ、会社に特別不満もなく、楽しく勤めていましたね。
しかし、3年経った頃から本格的に自分のキャリアについて考えるようになり、
このまま定年まで営業のスペシャリストとしてこの会社で働くよりは、
もっと仕事の幅を広げようという気持ちが自分のなかで強くなっていきます。
結果として、入社4年後に会社を辞め、転職しました。

転職先は、医療人材系のベンチャー企業。
ベンチャーを選んだのは、その方がいろいろな経験ができるだろう、と思ったからです。
この会社で、起業するまでの7年間を過ごしたのですが、
新規事業開発や人事など、期待どおり幅広い経験ができました。

50代になっても夢中になれる仕事を

30代になったら起業してみたいということは、
漠然とではありますが、かねがね思っていたんです。
仕事のなかで事業のヒントを見つけしだい、独立するつもりでした。
ところが、実際に30歳になってみると、
会社は東証一部に上場するまでになり仕事も充実し、家族もできて……
という周りの状況の中で、起業は頭から薄れていました。

一度も起業をチャレンジせずに人生を終えたら後悔しないか自問し、
60歳くらいになったときに30代を振り返ったら、
いくらでもリスクとってチャレンジできたな、と思えるんじゃないかと思い、
事業が決まっていない段階で、思い切って会社を辞めてしまったのです。

それから半年間は、思いつく様々な領域の企画を立てては、
形にしようとする模索の日々でした。
今思えば、利益うんぬんというよりも、自分が本当にやりたいことを探す期間でした。

私が会社を辞めた大きな理由に、
50代になってもイキイキと仕事をしていたいという思いがあります。
私個人の実感として、50歳や55歳になっても、
イキイキと仕事している人は極端に少ないと感じるんです。
歳を重ねると柔軟性が乏しくなったり、フットワークが鈍ったり、
若い力が台頭したりと、いろんな理由があると思います。
企業に所属し続けることはぜんぜん構わないと思いますが、
自分が生涯夢中になれる仕事を、自分で切り開きたいと考えました。

そういう風に考えたとき、さまざまな候補のなかから自然と定まったのが教育事業でした。

探究型学習で子供を伸ばす

現在運営しているアフタースクールの「レアレア学童スイッチスクール」は、
学童保育の機能を中心に据えて、教育活動を行っています。
学生時代に日本の教育に感じた違和感を受けて、
欧米の教育現場で用いられている「探究型学習」を取り入れたものになっています。
詰め込み式の教育ではなく、子供が夢中になって取り組む活動をとおして、
全人的な成長を促すものです。
公教育を変えることは難しいですが、放課後なら自由度高い活動ができます。
私対は、放課後を活用して教育の新しい常識を創って行く。
これが事業方針です。

アフタースクールは今後、都心部を中心に増やしていく予定です。
今は1校だけですが、2018年の段階で15校展開するのことを目標にしています。
それから、習い事のマーケットの中にも踏み込んでいきたいと思っているんです。
今は民間学童での教育の一環として、
プログラミング教室や探究型の教育プログラムをやっているわけですが、
今後はその部分に特化した習い事教室も作りたいという考えでいます。

それからもうひとつの大きな方針として、
財団法人を設立し、オルタナティブスクールを運営していくという計画があります。
株式会社の組織形態では、やりにくいことがあるんですね。
株式会社と財団法人の両方を活用して、互いに補いながら、
社会に求められる教育事業を展開していけたらなと思っています。

「子供が好き」以外の3つの基準

弊社はまだ設立して2年に満たない新しい会社です。
従業員も今のところスクールのスタッフが私を含め7人、
加えて財団設立担当が1人、という規模になっています。
保育の仕事なので、実際に保育士や教員免許を持っている人は歓迎ですが、
採用に当たっては3つのことを意識しました。

まずは弊社のビジョンや経営理念に共感してくれること。
それから誠実さと柔軟性がある人。

そしてもうひとつ、子供と一緒に過ごすスタッフとしてやってもらうわけですから、
子供に愛情を持って接することが必要になります。
しかしそのときに、単に「子供が好き」というだけでは仕事はうまくいきません。
子供たちの方からも親しまれるような人物でなければいけないんです。

そういう意味で、自然体で子供と触れ合えるか、それを子供達が受入れてくれるか、
ということをすごく重視しています。

採用選考のときに、実際に子供と接してもらっています。
なかには肩に力が入って、すごくハイテンションに接してしまう人もいました。
そうではなく、その人の自然なスタンスで子供とコミュニケーションできるか、
それに対して子供たちが親しみを持てるかということが重要です。
今後の採用の際にも、この3つを満たしていることが基本的な基準になると思います。

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