代表取締役社長 鈴木美加子

代表取締役社長 鈴木美加子

設立 2014年3月26日
事業内容
    • 人材育成に関わる事業
    • セミナーに関する事業
    • 翻訳・通訳に関する事業
    • 前各号に関する教材の企画・制作・販売
会社HP http://atglobe.jp

人生を変えたドイツでの体験

あれは20歳をむかえた時でした。
ハタチの女の子と言えば、成人式に振り袖を着ていくというのが、
今も昔も変わらない習慣の一つだと思います。
でも私には、そのためにお金をかけるよりも、もっとしてみたいことがありました。
「振り袖の代わりに、ドイツに行かせて」と親に頼んだのです。
これが人生を決定づける体験になるとは、この時は知るよしもありませんでした。

当時ドイツには商社マンの父が単身赴任をしており、
それで夏休みを利用して遊びに行きました。
ある時、現地の方と会社の人たちとその家族、総勢50人くらいのパーティが催されました。
当然私も参加したわけですが、その場で英語を話せなかったのは私だけでした。

これを契機に帰国後は猛勉強をし、英検1級も取得し、日本GEに就職しました。
外資系企業なので日常的に英語を使っていましたし、語学に対する自信もついていました。
しかし、ニューヨークでの出張で、再び挫折を味わうことになります。
本場の英語、特に東海岸の英語が聞き取れないのです。
あまりの悔しさに、宿泊先のホテルで涙を流しました。

悔しい気持ちを再び原動力として、帰国後はさらに勉強に励みました。
その後はモルガンスタンレーや日本DHLなどに転職し、
順調にキャリアアップしていきました。

社会の為に恩返しを!

そんな時、人生を見直す出来事が起こります。
それは両親の他界です。
これはもう、言葉には表わせないショックで、
しばらく空っぽになって、何も手につかないような状態でした。
人生の休息を取ろうと、向かったのがオーストラリアのメルボルンでした。

メルボルンはニューヨークほどではないにしろ、
世界中から移住者が集まっている国際的な都市であり、
多人種・多文化で、まさに人種のるつぼでした。
この多文化に、私は大変興味を惹かれました。
生活が充実し過ぎて、3ヶ月で帰る予定が1年半まで延びたのです。

就労ビザの許可がおりれば、本当は移住したかったくらい、気に入っていましたが、
結局許可がおりることはありませんでした。
滞在をしていく中で「やっぱり私の母国は日本なんだ」と、改めて祖国への想いを強くし、
その日本の為に何か恩返しができないかと考えた末、
グローバル人材を育て、世界へ輩出することだと思い至りました。

なぜその考えに至ったかというと、これからの日本を案じたためです。
オーストラリアのような天然資源に恵まれた国ではないし、
食料自給率も低いので、鎖国をしたくても不可能なわけです。
どうしても諸外国と関わっていくしか、発展していく道がないとすれば、
もっとグローバルに仕事ができる人材が、たくさん必要だと思いました。

楽しく仕事をしたい

仕事をする上で大切にしていることは、とにかく楽しく働くこと。
やりたいことをやること、今はつまらないと思えることでも、
どうにか楽しめないかと考えることでもあります。
この考え方はオーストラリアで学びました。

海外での基本的な考え方は、自己責任です。
自己責任・・・というと任されていて自由に働けてよさそう、と感じるかもしれませんが、
とても大変なことでもあるのです。 

私自身も新しい事業の立ち上げや、業務量の多さなど、大変だった記憶があります。
それでも、基本誰にも助けを求められませんから、
いかにメンタルとモチベーションを保ちながら、仕事ができるかが重要になります。

つまりは、長い距離を走るマラソンのようなものです。
短い距離を駆け抜ける瞬発力ではなく、マラソンを走りきるためには
情緒不安定ではいけないのです。
そこが楽しくという発想につながっているのです。

そしてもう一つ大切にしていることを挙げるとするならば、
ご縁を大事にしているということ。人脈の広さが私の強みです。
今でも海外との繋がりが深いのが、強みでもあります。

3年後に300人のグローバル人材を生み出す

メインの事業となっているのは、「世人塾」です。
世界で活躍する人材を育成するための塾です。
コンセプトは
「TOEIC600~800点の人材を、英語でロジカルに考えられて、
 発表・主張できる人材を育てる」
こと。

グローバル人材の必須条件は、3つ点あります。
第一に、ロジカルに考えられること。
理路整然と、いかに自分の考えを理論的に述べられるかという力を伸ばします。
第二にプレゼン能力です。
いくら英語が聞き取れても、大勢の前で臆せずに、
自分の意見を発表できなければ国際社会では通用しません。
世人塾では、毎回1分の英語スピーチをして、このプレゼン能力についても、磨きをかけていきます。
そして最後に大事なのは、自分の主張を明確に話せること、簡単に折れないことです。
日本語という言語はとても便利な言語で、表現も曖昧でも通じます。
しかし、一歩外に出てみるとイエス、ノーがはっきり主張できない人物は、
力がないと見なされてしまいます。
世人塾では、こうした日本人特有の弱点にも目を向け、補っていくようにしています。

世人塾の他には、マネジメント研修やチームビルディング、コミュニケーション力強化という
法人向け研修も行っています。
1万人以上を面接し、様々な業界を転職した経験が、ここで活きています。
点が線に繋がるとよく言いますが、
これまでの経験は全て無駄ではなかったなと、実感しています。

今後のビジョンとしては3年後までに300人のグローバル人材を輩出することです。
単なる英語学校にする気はありません。
私のこれまでの経験をすべて糧にして、
海外で活躍できる日本人を一人でも多く生み出すことを、使命だと思っています。

会社員を一度経験する

学生の皆さんにお伝えしたいことは、まずは会社員になった方がいいです。
独創力に優れ、若いうち内に起業して成功してしまう人もいますが、
いつか多くの人をマネジメントする立場になった時、壁にぶつかります。
どのように人を管理して
乗り越えていくかは、組織内で働いてみないと理解できないです。
他にも電話の応対の仕方であったり、
営業の仕方であったりというビジネスマナーを、
きちんと学ぶには会社員をやってみたほうがいいです。

常に自分の可能性を広げるように、視野を広くしてください。
私の知り合いに、とても腕のいい美容師さんがいます。
技術が確かなのでもちろん日本でも忙しいのですが、
なんとミャンマーなどの成長著しい国に技術指導にも行っており、
海外にも目を向けて、自分の可能性をさらに広げようとされています。
忙しい中、

週に1回、スカイプを使ってフィリピンの人に
英語を教えてもらい、自分の可能性を広げようとされています。 
職種に関係なく、自分次第で、活躍の場は海外に広がるという素晴らしい例です。

最近の学生は内向きだということをよく耳にします。
感性が鋭い時期に、母国を客観的に見ることができる海外での体験は、一生の財産です。
何事にも挑戦できるのも若者の特権だと思いますから、自ら可能性を狭めることなく、
どんどん色んなことにチャレンジしてほしいと思います。
皆さんの世代から、世界を股にかけて活躍する人材が、たくさん生まれることを切望します。