ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社 代表取締役 中石真一路


LINEで送る
Pocket

代表取締役 中石真一路

代表取締役 中石真一路

設立 2012年4月6日
事業内容
    • 聴こえ支援機器の設計・開発・販売
    • 各種店舗、建築物及び室内空間のサウンドデザイン企画制作並びにコンサルティング業務
    • スマートフォンアプリケーション設計・開発
会社HP http://u-s-d.co.jp

まずは「任せてもらえる」部下になる

2012年4月に設立したユニバーサル・サウンドデザイン株式会社は、
より良い「聴こえ」の環境をつくりたいとの思いから父とともに設立した
音響機器の製造販売を手がける会社です。

学生時代は、「人の上にたつことができる人間になる」という目標はありましたが、
「社長になろう」というイメージを具体的には思っていませんでした。
ただ、三国志や戦国関連の書物を学生時代に読んだことで、
劉備玄徳と関羽、張飛のように自分にはない能力をもつ2人のメンバーが現れて、
「これだ!」と思う製品やコンセプトに出会えたら起業をしてみたい!という考えはありました。

しかし、若い時にいろん仕事を任せてもらって身につけていかないと
後から大変になるという認識はあったので、
まずは会社に入って、「上司に任せてもらえる」部下になって
25歳までに人の上に立てるように頑張ろうと決めていました。
しかし、なかなかそううまくは行かないんですけどね(笑)

熊本にある専門学校の建築科を卒業後、施工管理に従事し現場監督も務めましたが、
一つのことだけでなく、いろんなビジネスの仕組みや異なる枠組みを知りたくなって、
その後、夜中に居酒屋でアルバイトをしながら東京デジタルハリウッドに入学し、
まったく経験はないものの、webディレクターの仕事に就くことが叶いました。
その後も大手webサイトなどの市場調査やサービス開発、プロジェクトマネージャーなどを経験し
200以上のウェブサイトの立ち上げに携わりました。

父のおかげで見つけた「一生かけてやりたいこと」

ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社の事業の中心は、
健聴者と難聴者のコミュニケーションを支援するための音響機器の製造・販売になります。
すでに2つの商品があり、ひとつはクリアネスラインアレイスピーカー「SONORITY F804」
もうひとつが、昨年12月に発売を開始した
コミュニケーションサポートシステム「COMUOON」(コミューン)です。

聴こえを支援する機器開発のきっかけは、
前職のEMIミュージック・ジャパン(現ユニバーサルミュージック)での
慶応義塾大学の教授のちょっとした一言でした。
当時、遠くまで音が届くスピーカーをベースに、何かビジネスはできないか検討していました。
そうしたなか、教授から「難聴者の方が試聴し聴こえやすいと言っていた」と聞いたのです。

しかし、残念ながら事業化の夢は実現できませんでした。
私としてはなかなか諦めることができず、
仲間とともに「NPO法人 ユニバーサル・サウンドデザイン」を設立、
「スピーカーによる難聴者支援の研究が本格的にスタート」しました。
最初は「なぜ聞こえる人が難聴者のために」などと言われることも多かったのですが
研究が2年目を迎えたときから協力してくれる方が増えていきました。
約100名におよぶ検証を重ね、
ついに2013年12月にCOMUOONの製品化が実現しました。

製品化を行う上でたくさんのハードルがありましたが、
「一生かけてやりたい仕事」であると自分が感じるようになってから
たくさんの方に応援をいただきました。
本当に感謝しています。

話者側にもできる“聴こえ”の支援方法

COMUOONは、5月14日〜17日に行われた第115回日本耳鼻咽喉科学会・総会で、
九州大学病院耳鼻咽喉科の先生による往診時の効果が発表されたことで注目を集めています。

障害者手帳を持っている聴覚障害者の数は約45万人。
手帳をもっていない難聴者数は実際の対その20倍以上いると言われています。
難聴と聞くと高齢者の問題と思いがちですが、そうではありません。
NPOでの講演の後に「誰にも話していませんが実は難聴なんです」と言ってくる若い子や、
就活などのストレスが原因で難聴になる人もいます。

補聴器の技術の向上はめざましく、装着して聴こえが改善した方がいるにも関わらず、
日本の難聴者の補聴器使用率は欧米に比べて低い。
その原因は、視覚障害に比べて自覚症状がなかったり、
補聴器に対して間違ったイメージをもっていたり、
難聴に関する情報が少ないことなどが挙げられます。

「コミュニケーション・サポートシステム COMUOON」は、
難聴者だけでなく、「話をする側でもできる聴こえの改善方法がないか?」と
発想を根本から変えることで生まれた製品です。
ぜひこの記事をみていただいているみなさんにも聴こえについて興味をもっていただけると嬉しいです。

モノづくりではなくホンモノづくりを

「聴こえ」の改善システム COMUOON

COMUOONは、スピーカー、デジタルアンプ、マイクアンプと
専用マイクが一体になった卓上型会話支援システムです。
話し手が付属のマイクを使い語りかけることで、
“聴こえ”を改善し、コミュニケーションをサポートすることができます。
たくさんの難聴者の方に協力してもらって研究を重ね、
本当に必要とされるものをつくろうとこだわってきました。

「ものづくり」は、ごまかしのない「ホンモノ」でなければなりません。
本物とは、ここでは難聴の人との会話の支援に本当に役立つかどうか。
誰かの役に立つことを喜びと感じるか?であると感じています。

もう一つこだわっているのは当社の製品は「消費」されるものではなく「賞費」されるものです。
「費やして消えていく製品ではなく」「費やしていくなかで誉め称えられていく製品」COMUOONは、
発売後もたくさんの方々からニーズをくみ取り、さらに進化する予定です。
「みなさんに愛されるモノづくり」にずっとこだわっていく会社でありたいと思っています。

世界の難聴者の笑顔を少しでも増やしたい

世界の難聴者数は2015年までに5億人まで増えると言われています。
今求められている日本のニーズに着実に応えていきながら、製品を熟成させて
将来的には海外でも聴こえに困っている人の力になりたいですね。

聴覚障害は聴力特性も個人差が非常に大きく、
体調でも変化するのでなかなか周りに理解されないなという問題があります。
聴覚障害について健聴者にきちんとした理解を進めていくことも重要です。
一般の人の「聴こえに関する意識」を変えていくために、各地での講演活動も行っています。

メガネをかけている人をみなさん「難視者」と呼ばないですよね?
視力も個人差があり様々ですが、なぜか耳となると特別になってしまいます。
それは聴こえに関する内容が非常に複雑であり
理解をするのに知識が必要であることも影響していると思います。
“聴こえについてきちんと理解をすることができる環境づくり”も大切だと考えて
「コンサートにおける聴こえのユニバーサルデザイン」や「親と子のすくすく演奏会」で
聴こえの大切さをお伝えしています。

仕事を私事にし、ゆくゆくは師事の領域へ

独立して感じることは「社長の考え方」が企業を語る上でいかに重要であるかです。
社長を中心に集まったメンバーが、「仕事=仕えること」に徹するのではなく
それぞれ「私事」として活動をし、ゆくゆくは「師事=人を育てていく」ことができるかどうか。

就職活動中の学生のみなさんは、ぜひ入社したい会社があったとしたら、
その企業の社長が語っていらっしゃることをちゃんと聴いて、
何を目指しているのかを理解し共感してほしいですね。

今やビジネスは世界を視野にいれなければ生き残れないと言われています。
このような激動のときは「安全」「安心」「安泰」というキーワードで
大手企業にいく方が増加すると御聞きしました。
一方で、福岡市がベンチャー特区になり起業を支援するなど国内も起業支援が盛んになってきています。
「日本はベンチャー起業が育つ土台がないから。。。」
とか言わずぜひ数年後をめどに自分で会社をやった場合どのようなサービスを考えるか?
などをシミュレーションしてみてください。
シミュレーションはお金かかりませんので(笑)

「まずどこかに入って」という考えではなく
「この会社に入りたい」という意思をもって真面目に仕事を極めていただき、
時間を忘れてしまうくらい没頭できる私事に変えていただき、
その後部下に師事することができる人財となっていただきたいです。

LINEで送る
Pocket