代表取締役社長 小池 毅

代表取締役社長 小池 毅

設立 2007年7月19日
事業内容
    • 生花・プリザーブドフラワー販売事業
    • インターネット通販事業
    • KIZARA商品販売
会社HP http://www.forestfeeling.jp/

日本の林業を救え!

当社はもともと、
箱に花を詰め合わせにした「BOXフラワー」をコンセプトとした花屋として起業しました。
その後、当社の中核とも呼べる、
森林再生プロジェクト「Kizara Project」を立ち上げました。
このプロジェクトは、「松下政経塾」の塾生と、当社の取締役が発起人となり始まっています。

日本を活性化させるための新しいプロジェクトとして、
私たちは林業に注目しました。
日本の第一次産業の中で、林業は昔から関税が殆ど課されておらず、
海外からどんどん安い木材が輸入されるようになりました。
国内で林業に従事するわずかな人々は、国からの補助金により何とか生活をしており、
日本の林業はまさに風前の灯火状態です。

林業に従事する人々の生活を保障することはできても、
このままでは日本の林業は廃れていく一方です。
産業自体を守り、ビジネスモデルを生む人がいなければ、産業はあっという間に衰退していきます。
さらに、林業の担い手がいないために、山や自然がどんどん荒廃していくため、
山の荒廃をどうやって食い止めるかということは、非常に難しい問題でした。

日本のあちこちで、国産の良質な木が、伐採されることもなく放置されているのです。
伐採するにも、伐採して運ぶにも、コストがかかるため、
人の手が加えられずに生え放題になっている森がたくさんあるのです。
その現実を知ったとき、どうにかせずにはいられなかったのです。

「木皿」で林業を救え!

戦後、長期的な需要を見越して大量に植えられたスギやヒノキが、
日本のあちこちで育ち、木材に適した状態になってはいますが、
海外の安い木材に押されて、なかなか需要が見込めませんでした。

木材の用途でまず思いつくのは、家などを建てるときに使う「建材」ですが、
これ以外にも用途がないかを考えたとき、
木をお皿にすることを思いつきました。

割りばしのように木を使い捨てられるようにすることで、林業関係者に収益をもたらし、
さらなる利益を生み出すために適度な伐採や間伐が行われ、
木がきちんと管理されるようになると考えたのです。

実は、スーパーで売られている肉や魚が乗せられている発泡スチロールのトレーは、
数千億円ほどの市場であると呼ばれています。
その半分を木のトレーにできれば、数千億単位で需要が生まれ、
林業が活性化するのではないかと考えたのです。

実用化するには、衛生面や耐久性などで課題があり、時間がかかります。
しかし、日本の林業を活性化させるには、
とにかく建材一辺倒から脱出しなければならないと考えております。

「経木」で雇用を作れ!

また、私たちはカンナで削った経木と呼ばれる木材にも注目しました。
経木は、肉やおにぎりを包むのに使われており、
現在ではアウトドアやホテルのパーティシーンなどで度々利用されています。

私たちは、経木の使用頻度を増やすため、経木をメモ帳として使うことに着目しました。
経木で作ったメモ帳は書き味がよく、
木目に沿って切り取ることもできるうえファッション性もあります。

群馬県産の材木を現地で経木に加工し、材料は宮城県・南三陸町へ送られ、
仮設住宅にする方々によって組み立てられます。

実は、現在経木を製造できるのは日本全国でほんの数社で、
経木を製造する機械自体が生産を終了しており、
現状存在する機械が故障すれば、経木は無くなってしまいます。
後継者もおらず、機械を扱える人材も不足し、
このままでは、経木の文化が消滅するのを、ただ待つだけになります。
だからこそ、経木を復活させようと、活用方法を考え普及させようとしています。

日本の木材を消費せよ!

さらに、金原治山治水財団と共同で進めているプロジェクトが、
浜松市の「天竜杉」を使った「UROCO」と呼ばれるカラーの焼杉です。
焼杉とは、木の腐敗を防ぐために表面を焼いた杉のことで、
江戸時代では多くの民家で使用されていました。

この文化をもう一度復活させようという取り組みで、
ピンクや青や緑といった色を付けることによって、
カフェテーブルや壁材といったあらゆる用途で使われています。
また、中間業者を通さず、生産者と直接取引をするため、
高品質な国産杉をリーズナブルに提供する仕組みを作っています。

日本で使われる割りばしは、90%以上が中国などの木を使用しており、
日本の木材を使用してもらう為に多くの場所で活動が活発化してきてはいますが、
まだまだ市場に浸透しておりません。

海外では、森林伐採が問題になっていますが、
日本では木が活用されず余ってしまっているので、
もっと効率的な活用法を考え、木を消費していかなければなりません。

東京・港区では、5000平米以上の建物には国産の木材を使用する努力目標を課す制度ができました。
建物の内外装や家具などで積極的に国産木材を使用し、
森林の間伐や再植林を進めていく必要があるのです。

「Kizara」でつながる

日本の木材がもっと活用されていくには、
木材の素材生産の環境整備や製材等の生産ラインなどを整える必要があります。
たとえば、日本の森林は起伏が激しく、斜面になっているため林道がきちんと整備されておらず、
伐採したあと運ぶのに時間がかかります。
一方海外では、平面に畑の様に生えているため林道が整備されており、
一度に大量の伐採が可能となり、コストを抑えることができるのです。

それも、建材の一部として見えないところに使うのではなく、
化粧材として、木皿として、メモ帳として、見える形で活用し、
劣化したり腐敗したりしたらすぐに取り替えられるような仕組みを作って行かないと、
国産材の価値は上がらないと考えています。

日本の木材文化を世界に発信し普及させることで、森林を再生させることが私たちの使命です。
そのために、「木皿」を軸として
自治体や学校、個人、法人、国、すべてが連携し、
このプロジェクトの輪をつないでいくことで、
この使命を果たしていきます。